
Knock, Knock, Who's There?
「ノックの音が」というのは私の敬愛する作家、星新一さんのショートショート集のタイトル。収録された全部のショートショートが「ノックの音がした」で始まるユニークな本です。
今日は英語版「ノックの音が・・・」のジョークのお話なので、星さんからタイトルを借りてきました。
Knock Knock Jokes(ノック、ノック、ジョーク)は、子どもから大人までが即興のダジャレを楽しむ定型的な言葉遊びです。イギリス、アメリカをはじめとする英語圏の国々はもとより、フランスなど他の言語圏でも同じパターンでひろく楽しまれています。
遊び方は単純です。二人で組んで、ドアの外と中にいる人物になり、単純な質問と答えをやり取りします。ドアの外にいる人物がknock , Kncokと言って話しかけて会話を始め、最後に落ちのジョーク言う役回り。ドアの中の人物役は定型の質問をして聞き役にまわります。下の会話はひとつの例です。
外の人:Knock Knock! (「トン、トン」とドアをたたく音を言う)
中の人:Who's there? (どなた?)
外の人:Barbie! (バービーです)
中の人:Barbie Who? (なにバービーさん?姓を聞きます)
外の人:Barbie Q!(BBQ)(バーベキューよ!)
(ここでどっと笑う!)
非常に単純で短く、しかも言葉のやりとりだけで、どこでも誰でもできる遊びなので、アメリカでは非常にポピュラーで、子どもが意味をよくわかってもわからなくても、子どもが言葉を話すようになれば、親の方はすぐにも語りかけるジョーク。
日本で言うと「しりとり」のような感じでしょうか?小さい子は小さいなりに、大きい子はそれなりに、また大人になっても、長いこと楽しめる言葉遊びです。
たとえば親が、車を運転しているとか、台所でお料理の最中とか、お風呂で子どもの身体を洗っているときとか、親の方は手を離せないけど、一緒にいる子どもはちょっと退屈というような場面でよくやります。こんなところも、日本の「しりとり」に似ています。
映画 "The Pursuit of Happyness"(タイトルのHappinessのスペルは訳あってわざとHappynessと間違ったままにされています)のエンディングの場面では、お父さんと息子が保育園の帰り道にこの knock knock Joke をやりながら歩き去っていきます。
息子:Knock Knock!
お父さん:Who's there?
息子:Nobody!
お父さん:Nobody Who?
息子:I don't know!
お父さん:Oh,I like it!
ここではジョークになったのかならないのかわからない子どもの言葉に、お父さん役のWill Smithが"I like it!"と言っていますが、これが重要!子どもがジョークを言ったら、それを受ける親は、最後にちゃんと笑うか、「へぇ、面白いね」という感じで褒めます。言葉遊びは言語能力を高める大事なツール。子どもの意欲を見過ごさず、しっかり育てましょう。
さて、そんなわけで、きわめてポピュラーなこの言葉遊びをテーマにした英語の絵本は実にたくさん出ていて、それぞれに個性があって楽しめます。ごく幼い子ども向きの絵本から、幼稚園・小学校くらいまで読めるものまでありますので、パラパラと内容を確かめて、お好きなものを選んでください。
バイリンガルの娘を相手に、完全にESL(English as a Second Language)の親だった私は、子どもとの Knock Knock Jokeのネタが尽きると(しばしば枯渇してました)、いつも本屋さんで立ち読みしてはネタを仕入れていました。
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