お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

いまも むかしも コレクターズ

2011-01-12 | with バイリンガル育児
昔なつかしい『ビーニーベイビーズ』。「Original Nine」と呼ばれる1993年に発売されたこの9種類がブームの火付け役となりました。

おもちゃメーカーの究極の成功は、コレクターを熱狂させる”シリーズおもちゃ”を出すこと。ベースボールカード、バービー、スターウォーズのフィギュアなど、熱狂的なコレクターを集めているおもちゃに並んで、これから大きなブームを巻き起こすか?と今アメリカで注目されているのが「スキンキー (Squinkies)」と「ズーブルズ (Zoobles)」。

日本のアニメキャラのような大きな目をしたマスコット型フィギュアです。スキンキーは全部で300種類発売されていて、ひとつずつが小さなカプセル(日本のガチャポンのような)に入って、16個入りパックが10ドル。一方、繭のようなボールに入ったズーブルズはひとつ6ドル前後で、モデルは全部で180種類あるそうです。いずれも昨年発売され、子どもたちの間で静かなブームになっています。

コレクターを熱狂させる秘訣は、愛らしい姿かたちで且つユニークなおもちゃであることはもちろん、発売初期からブームに火がつくまでの価格付けが適切であること(ブームになったら悠々と値上げ!)。モデルにコレクション対象となるだけのバリエーションがあること。加えてタイミングよく「非常に手に入りにくい」モデルを意図的に創りだし、コレクターを熱狂させること。そしてブームが定着したら、比較的手に入れやすい本体価格に比して、こちらはかなり高価だけれども、どうしても欲しいと思わせるさまざまな付属品や関連商品を売ることです。

かつて女の子にはシリーズ物の『お人形』が、男の子にはかっこいい『自動車』が人気の定番でした。バービーには今でも熱狂的なコレクターがいてオークションを白熱させていますし(参照:ブログ記事『ニューヨーク・バービードール事情 』)、60年代終わりから出ているマテル社製の「ホットホイール」という車シリーズには800種類のモデルに1万以上のバリエーションがあって、コレクターを退屈させません。

古典的なコレクションといえば、代表はベースボールカード。でも今や、カードのコレクションと言えばむしろポケモン。任天堂のポケモンは、1998年にアメリカに上陸するやいなや、ゲームからテレビまでを席巻して子どもたちをノックアウト。コレクションの目玉は、ご存知!めったに手に入らない稀少カードで、これ欲しさにパッケージを買いあさって、アメリカ中の子どもたちが「たちまち貯金箱を空っぽにしてしまった(cleaned out their piggy banks)」とまで言われました。

わが家の娘がどっぷりハマったのは、ポケモンより少し前に大流行した『ビーニーベイビーズ』。おとなの掌に載るくらいの大きさの小ぶりのぬいぐるみで(ベイビーの名の由来)、ぬいぐるみの中には綿やスポンジではなく、お豆のような感触の詰め物がしてありました(ビ―ニ―の呼び名の由来はビーン”Bean=豆”から)。発売は1993年でしたが、世界的なブームになったのは90年代後半から。娘は小学生でした。

発売元の ty がブームに火をつけるためにとった戦略はまさに教科書通り。(1) 個々のモデルのぬいぐるみが耳や頭につけている ty のラベルにモデルの名前と誕生日を明記してユニークさを強調し、(2) 一定期間発売した後にはモデルを『リタイア(製造停止)』させて、「早く買わなくては……」とコレクターの焦燥感をあおりました。(3) またダイアナ妃のご成婚記念、オリンピック記念など、世界的なイベントの折々に数量限定の特別デザインの稀少モデルを発売したのです。戦略は教科書通りに機能。世界中でブームになりました。

初めは子どもでも手が出る数ドル程度の値段だったのが、徐々に高くなり20-30ドルのモデルが続々と登場。限定モデルには100ドル近いのもあり、親としては悩ましかったのを憶えています。コレクションのスペシャルは、マクドナルドと提携してハッピーミールのために特別にデザインされたミニチュアサイズのシリーズ。これ欲しさに毎週のようにハッピーミールを食べに行っていました。

ビ―ニ―は販売戦略もなかなかのもので、数少ない稀少モデルは、しばしば空港のお土産物屋さんだけで売られていました。オリンピックやダイアナ妃のご成婚式典を見に来る観光客に『限定!ご当地モデル』という意図もあったと思いますが、飛行機で出張する親が、お留守番の子どものお土産に、というのが狙いだったのでしょう。空港ですから値段もかなり高いのですが(街中では10ドルもしないご当地Tシャツが空港では50ドル!っていうコンセプト)、お土産だと思うとつい財布のひもが緩むのが人情。私も当時は出張が多く、ワシントンDCのダラス空港限定とか、成田空港限定とかいうキャッチフレーズに負けて、ついつい買っていました。

かくして娘が集めたビーニーベイビーズは、旧式で大型のスーツケースふたつにぎっしり。先日「コレいらないなら、オークションで売れないの?」と聞いてみたら、「数量限定って言ってたけど、実際にはものすごい数が出回ってたのよ。だからあんまり価値ないの」という回答。なぁ~んだ。でも、そういえば……あのとき、出張先の空港で飛行機に乗り遅れそうになりながらギフトショップに駆け込んで買ったなぁ……。帰ったら娘が眠い顔して頑張って起きて待っていたなぁ……。そうそう!『パティ』のラベルを切り取っちゃって、娘にすごく怒られたなぁ……。急いでもうひとつ買ってきたら「誕生日が違うから、もう前のとおんなじ価値はないの!」って一蹴されたっけ……。やっぱり、ひとつひとつに思い出があります。う~ん、案外、コレクションを持っていたいのは……娘でなくて私かもしれません。

スキンキーやズーブルズはいまごろ誰のところに集まっているのかな?




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