今年のTokyo designers week 2010は、見やすかったと言っても良いかもしれない。
これまで、LOVEというテーマでした。
でも、曖昧なニュアンスもあり、そういう意味では今回の
「環境 -LOVE BULE- GREENから、BLUEへ」は的を射ている
http://www.tdwa.com/
また、あなたのクールジャパン
http://www.tdwa.com/exhibition/cooljapan.html
では、前衛も含めた表現を盛り込み、デザインを離れた、アートという一面も見れて
これはこれで、良かった。
Vol.1の項では、
TDW ART
Jalapagos
ジャラパゴス展について個人的に感じた感想を述べます。
http://www.tdwa.com/exhibition/tdwart.html
http://koten-navi.com/node/2068
TDW初のアートコンテンツだが、よかった。
デザインは商業に密接である。
で有るがゆえに、人々の意識、理想などに大きく左右される。
グロテスクや、怖いものは含まれる事は少ないといえる。
しかし、アート表現には、その制約がない。
いわば、オブラートに包んだ、美しい日本の現状ではなく
ある意味、日本そのものをさらけ出すには、
景気動向に左右されにくい、「芸術家」の目線でみたいわば
「芸術化」した日本のエネルギーを大いに感じたのである。
特に、会田 誠<makoto aida>/灰色の山
は、しばらく、立ち止まってしまった。
大きな画面に、社会人たちの屍の山が。遠くにも連なって山脈化している。
夢で見たなら、悪夢といえる。
これが黒焦げならば、それは、大量破壊兵器使用後を思い浮かばせるのだが
その陰惨さが全くなく、働いていた格好そのままで血を流す事なく
倒れてひたすら重なる遺体の山だ。
現代社会の憂鬱さを、静寂に描いている。
抽象表現ではなく、写実で、細かく描かれており、気の遠くなるような作業だったろう。
こんな夢は見たくはないが、夢とも言えないように思う。
景気の低迷とこの空気感を敏感に感じ取った作品だ。
彼の作品は、幅広い。
参考URL/http://mizuma-art.co.jp/artist/0010/
緻密さと言えば、池田 学<manabu ikeda>/興亡史
参考URL/http://mizuma-art.co.jp/artist/0030/
これも、実物を見ないとわからない。
近づくと細かい線描の永遠とも言える線の集合体だとわかり、
気が遠くなる。
昔、バーンズコレクションを上野で生で見る機会があったが
スーラのあの点描の世界を見て、「早死にして当たり前だな」と
その途方もない点の宇宙に見入ったのを
思い出した。
現代版、地獄絵といえそうな、
野田 幸江<sachie noda>/祈りと製作
参考URL/http://mizuma-art.co.jp/artist/0200/
鉛筆での表現はかえって、夢うつつを思わせる。
大きな画面に、断片的なものが映る。
いつか見た悪夢のようだ。
沢山の眼が浮かぶ。脅迫と狂気に満ちている世界が 大きな画面に描かれている。
見たくない世界なのに、どういう訳か、眼を離せなくなるのだから不思議だ。
こちらも、その緻密さには驚嘆する。
彼女の何がそこまで、製作に打ち込ませるのか、題のように
祈り無くして、ここまで描ききれるものではないだろう。
体感する不思議さでは、
鴻池 朋子<tomoko konoike>Landmark だ。
参考URL/http://www.operacity.jp/ag/exh108/
彼女の作品での立体は初めて見た。
真っ暗闇な部屋で、このキラキラした、人体ミラーボールの反射が
ぐるぐる回る、宇宙のなかにいるように、足下の重力がなくなり、浮遊感を与えてしまうのだ。
かるい、目眩を覚えた方は多いのでは?
彼女の作品では骸骨がかなり、大きなモチーフになっているようでもある。
しかし、キャッチーでもある。
何を伝えたいのかが、何となく伝わる。つまり、この絵は感じるというより
読み物。つまりテーマの足がかりがしっかりしている作品だ。
例えるのなら
アカデミックすぎて、指示に外来語が多く、何を言っているのか解りにくい上司ではなく
誰にも伝わる言葉で、伝達される事はいいことだ。
それは、けして悪い事ではない。
だからこそ、立体物の方が、彼女を引き出していて、ミステリアスな感じもしないでもない。
自分が、記事にしたいと思った作品は以上だ。
デザインを見にって、中国や、韓国のデザイナーが元気ダナーと感じた会場だったが
思いがけず、元気な日本のアートを見た。
これは、やはり、デザインの活気とアートの活気は、有る意味において
反比例するのではないか?と感じた。
好景気であれば、デザインに力を入れやすい。ビジネスとしての需要も高まるからだ。
しかし、不景気という、抑圧は、逆に、アーティストには表現の種を蒔き
表現のパッションを刺激するのではないか?
そんな事を思った。
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