伊予松山城 (愛媛県)

2009年10月28日 | お城めぐり

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松山や秋より高き天守閣 子規  伊予松山城

愛媛県松山市の中心部、勝山(標高132m)にある松山城。大天守(トップ写真右側・左は小天守)の高さが20A_20090523_113mあるので天守閣の標高は160mを超えるから、現存12天守の平山城では最も高い城郭である。松山市内からほぼどこからも見える松山城は賤ヶ岳の合戦で有名な七本槍の加藤左馬之助嘉明が慶長8年(1603)築いた。松山市は年末から放映されるNHK大作ドラマ『坂の上の雲』の舞台のひとつとなり、年明けからの大河ドラマも『龍馬伝』になるので、おそらく来春には全A_20090523_157国からの多くの観光客が四国に集まり賑やかになるだろう。大天守から眺望は写真左のように松山平野はもとより、石鎚山や瀬戸内海の島々を望むことが出来る。松山城は西国大名であった加藤公が築城したが、完成直前に会津へ転封となり、次に蒲生氏が藩主となったが跡継ぎがいなかったため松平定行公が藩主となって長く明治維新まで、四国の幕府の親藩としての役目を担った。しゃちほこの下の瓦の家紋は葵の御紋となっている。天守は1642年に五重から三重に改修、1784年に落雷にて焼失、1854年に再建された。瓦の家紋と城の歴史を見ていくと興味深い。

 

A_20090523_135伊予松山城には大天守はじめ21棟の重要文化財がある。大天守は三重三階地下一階の層塔型天守で、小天守・隅櫓などを廊下でA_20090523_057 結び、武備に徹した建造物群は代表的な連立式城郭である。写真左は北隅櫓・十間廊下・南隅櫓。写真右は一ノ門(重文)で本壇入口を守る門で、木割も大きく豪放的な構えで、この門に入った敵を四方の櫓と小天守から攻撃できる構造になっている。

伊予松山城は圧倒されるくらい見応えがある建造物ばかりで、いくら時間があっても足りないA_20090523_032 くらいだ。若し訪ねるのが土曜日だったら午後3時に隠門続櫓(写真・左)を訪ねてみよう。この隠門と隠門続櫓は筒井門の奥の石垣の裏に隠された門で、筒井門を攻める敵を背後から急襲する構えになっている。この続櫓で「伊予弁で語る愛媛の昔話」を聞くことが出来る。地元に伝わる民話や昔話を語り続けているのが、お伽座(おとぎざ)という市民グループだ。坂の上の雲ミュージアムなどでも披露されているが、重要文化財である隠門続櫓で聞かせてもらえる昔話は格別だ。

 

見どころがいっぱいの松山城だが、先ず一番の撮影ポイントは本丸公園から大天守・小天守を望むアングル(トップA_20090523_022の写真)だ。秋空に天守を望むと、「松山や秋より高き天守閣」と正岡子規の句が浮かぶ。松山では時たま「一句詠んでは・・・」と声をかけられる。松山城でも突然に声をかけられびっくりした。ここは正岡子規の故郷、私にはまったくその才覚は無いのでたしなむ方々を羨ましく思ったりする。次に好きな撮影スポットは戸無門(重要文化財)から見る光景だ。戸無門横の筒井門、その奥に太鼓門、そして小天守・南隅櫓と遠く見ることが出来て、また見事な石垣などをも堪能できる。

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伊予鉄道 (番外編)

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松山市には路面電車が走っている。写真は松山名物の「ぼっちゃん列車」、明治Aimg_0219_221年伊予鉄道開業間もない頃、市民の足として蒸気機関車が生まれた。ほぼ70年にわたって活躍したが電化に伴って路線から姿を消した。復活計画がまとまり2001年に復元のぼっちゃん列 車が松山市内を走りだした。残念ながら動力はディーゼル機関、汽笛や煙・蒸気は模擬再現だ。さて路面電車だが最新型のライトレール(モハ2100形)の導入も順調に進んでいるようだ。あらゆる面で優しい新形を歓迎すべきだが、鉄道ファンは古い形式にこだわりがある。写真左は最も古いタイプのモハ50形、この形式は現在多く活躍している。写真右はモハ2000形、少し新しいタイプだが両数は5両と少ない。今回愛媛を訪ねたが、お城でもAimg_0001街中でも多くの人と出会ったが、総じて大らかで親切な人ばかり、自然の良さも合わせて住みやすいところだと思った。ワイフの友人の御主人がリタイアしたあと、(優雅な話だが)東京の自宅は東京へ遊びに来たときの寝泊まり、御夫婦の生まれ故郷・伊予を本拠地にしたと聞いた。短い滞在だったが私にも伊予・愛媛の良さを感じて、Kさん夫婦の選択が分かるような気がした。写真は愛媛県松山の「郷土玩具・姫だるま」と道後商店街入口・放生園にある「坊っちゃんカラクリ時計」、道後温泉本館の振鷺閣をモチーフにマドンナなど夏目漱石の登場人物が次々と現れる。                                    a            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・