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海猫日和

色々と思うこと,見たことについてとりあえず気の赴くままに書いてみる.

雁来

2010-03-17 | フィールドノート
ウトナイ湖にマガンが来たらしい.

そういえばそんな時季だったか.



と,云う訳で,見に行ってきた.

早朝のウトナイ湖は,まだ大半が氷に覆われている.ただ美々川流入部などの一部の水面は開いており,水鳥は其処に集中しているようであった.氷上には多数のカラスと,それらに交じってオオワシとオジロワシが立っている.特にカラスにちょっかいを掛けられるわけでもなく,ゆったりと歩いたり,じっとしていたり.その動きは何処か愉快でもある.

マガンに目を移すと,美々川流入部辺りに大きな群れで居る.何日か前のカウント結果によると5000羽ほどだと云うが,其れよりは少し増えているように見える.いよいよマガンのシーズン到来ということか.

ちなみに観察できる場所からはかなり離れている.ある意味,これが普通である.宮島沼が近すぎるだけだ.


日の出時刻が過ぎ,一斉に飛び立つ.

飛び方が乱れたと思えば,いつの間にか飛びたっていたオジロワシが群れに突っ込んでいる.思ったより積極的に狩りに出ているようだが,果たしてどうなることか.結局,見ている限りでは成功しなかったようだが.若い奴だったので,まだ狩猟が上手くないのだろう.

マガンの群れは飛び立っては舞い降りるのを繰り返し,其処から三々五々餌場に向かう小群が離れていく.徐々に水面に残る個体が減っていくが,それでも全てが出発するわけでは無いらしい.

雪や氷の所為なのか,餌場がふさがっているのか,他に何か故があるのか.まだ謎が多い.



約半年ぶりに見る飛び立ちは,距離があるため音はあまり大きくなく,迫力には欠ける.ただ,マガンが今年も来たのだと,実感を持って迫ってくる.



マガンの飛び立ちというのは,私にとっては大きな意味を持つ.

初めて其れを見たのは,もう10年近く前になるのか.

その時の感動は,今でも良く覚えている.

場所も時期も違い,規模も距離も違う.

それでも,今年もまたマガンの季節が来たのだ.



彼らが来たら春であり,彼らが来れば秋である.
少し早めに春の息吹を告げ,秋風と共に舞い来る.

北の大地に棲むのが長くなるにつれ,私の中の暦は彼らに併せて変わってきたらしい.

春はまだ雪の残るうちに訪れ,桜の咲く頃には慌ただしく更なる北の地へと旅立つ.
その刹那の間ではあるけれども,彼らの生き様に惹きつけられずには居られない.


霜まよふ空にしをれしかりがねの帰るつばさに春雨ぞ降る
(藤原定家:新古今和歌集)

5:35~7:00
オオハクチョウ,コハクチョウ,コブハクチョウ,マガン,ヒシクイ,マガモ,オナガガモ,ヒドリガモ,ヨシガモ,ホシハジロ,ホオジロガモ,ミコアイサ,カワアイサ,トビ,オジロワシ,オオワシ,ノスリ,シロカモメ,ハクセキレイ,ツグミ,ハシブトガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,ウソ,ハシボソガラス,ハシブトガラス

今日のNFP100314

2010-03-14 | フィールドノート
前日から冷え込み,久々に雪も降った.

そんな日に,森へ行ってみた.

今日は年に一度のクマゲラ一斉調査の日である.

NFP全域を500mメッシュで区切り,各区域に最低一人配置して同時刻に調査する.それによって全体での生息数を割り出そうと云う調査だ.

今回で24回目だと云う.

クマゲラの姿と声はかなり特徴的なので,其れさえ判別できれば調査に参加できるという,手軽さもある.方法も,担当区域に一定時間行くだけである.あとは双眼鏡などで見回す,耳を澄ます,くらいなもので,特別な技術は要らない.

開拓記念館に向かうと,多くの人がいる.野鳥の会,研究者,一般の人,様々である.

良く会う人も,久々に会う人もいる.

そう言えば数年ぶりに会った方もいて驚いた.
低学年の頃宮島沼で会って,大学近くまで送ってもらったりとお世話になったのだった.

それにしてもよく言われる話だが,私は外見があまり変わらないらしく,簡単に判別できるらしい.中身もさして変わった気はしないが,それはまた別の話か.

…………まあいい.そういうこともあるさ.



今回の担当区域もNFPの中心部である.

基線の隅に車を止め,其処から分散して調査に向かう.

足元はそこそこ固くなっている.が,斜面に出るとかなり緩んでおり,南向きの場所では所々地面が見えており,場所によってはスノーシューを履いていても埋まりそうになる.

……いや,単に私が重いだけか.

木々の根元から地面がのぞき始め,オオカメノキやイタヤカエデの冬芽が少し膨らんできている.とはいえまだ春の兆しは微かで,徐々に温む日差しを浴びて,時を待っているようであった.



私の担当区域には,多くの食痕が残っていた.

おそらくクマゲラと思われる,大型のキツツキ類の食痕や糞もあった.糞の中身はアリと何やら植物の種(ウルシ?)であった.樹に残された嘴の痕も新しいものと古いものが混じってある.繁殖期と越冬期では行動圏や利用場所も異なっているため,今の時季はこの区域をあまり頻繁に使わないということなのか.それとも,活動時間の問題なのか.

色々と気になることは多いが,残念ながら今の私にはわからない.

そのうちわかるかもしれないし,わからないままなのかもしれない.

森だけがその答えを知っている.



調査を終え,戻ったら報告して解散となる.
今回は何個体の確認になるのだろうか.ここしばらくは,3羽ほどの確認が続いている.

其れは毎年同じ個体なのか,それとも時々入れ替わっているのか.此処で育ったものなのか,それとも余所から移住してきたものなのか.

孤立林と化したこの森で,丸木舟を掘る鳥の神は,何時まで此処に居られるのだろう.

其れがなるべく続くよう,この森を大切にしていきたいものだと思う.



10:50~12:30
基線南の沢の中

トビ,アカゲラ,コゲラ,ツグミ,キクイタダキ,エナガ,ハシブトガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,ウソ,カケス,ハシブトガラス

足跡
キタキツネ,エゾユキウサギ,イタチ

今朝のNFP100215

2010-02-15 | フィールドノート
今年のヴァン・アレン帯の誕生日も過ぎたようである.



今年は雪が少ないのかと思っていたら,存外に多いらしい.

ひどいドカ雪は流石に一回だけだったが,それ以降も割とコンスタントに降っている.まあ,個人的には少ないよりも良いと思っているのだが.

そんなわけで,後輩に誘われたので森に行ってみたという話.

日が出て少し後の森を,スノーシューを履いて歩く.



鳥の動きは徐々に活発になり,日が長くなったからか囀り始めるものも多い.留鳥はそろそろ繁殖に向けて動き出したということなのか.この冬はどうも冬鳥が少ないように思え,少々寂しい.レンジャクやツグミの群れを殆ど見ないのだ.

大学近辺やNFPではナナカマドの実りが悪いようで,札幌でも同様の場所があるらしい.それ以外ではどうなのだろう.実りの豊富なところに移動しているのか,それとももっと北方で餌が十分なため渡ってこないのか.

其れを判断する術は,今のところ無い.



鳥を探しながら,痕跡や足跡も探す.

朽ちた樹に多くの採餌痕が刻まれている.
割れ目からキノコが生え,眠りを邪魔されたクモが逃げていく.

キツネの足跡が縦横に付き,所によりウサギの足跡と交わる.
どちらが先に通ったのか,彼らはお互いを認識しているのか.そもそもこれは何個体分なのか.

足跡は交差し,そのまま分かれて行く.

静寂の中,雪の上に各々の生が刻まれる.


7:00~8:50

育種場~大沢園地~大沢~イヌツゲ~犬四連絡道~四季美~大沢園地~育種場


アカゲラ,オオアカゲラ,コゲラ,キクイタダキ,エナガ,ハシブトガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,ウソ,シメ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

足跡
キタキツネ,エゾユキウサギ,アライグマ,イタチ科,ネズミ類

その他
クマゲラ採餌痕,クスサンのマユ,クモ,キノコ

今朝のNFP100121

2010-01-21 | フィールドノート
大雪が降ったので,森に行ってみた.

久々にスノーシューを履いて歩く.
昨晩から降る雪は止まないまま,かなり新雪が積もっている.
新雪なのでかなり沈み,人間の重さを実感する.ついでに前日は雨が降ったので,新雪の下にはちょっと固まった雪がある.おかげで足元が重く,非常に歩きにくい.

雪が止んでいないので,あまり動物は動いていないかと思いきや,案外新しめのキツネの足跡があった.せっかくなのでしばらく追跡してみることに.針葉樹の下に入ると指先まで見えるものが残っており,途中には用を足した跡もあった.流石に拾っていく気はしないので,適当に木の枝でくずしてチェックだけ.よくわからないが中身は植物質が主のようだ.

沢を越え,尾根を越えて,遊歩道に出たのでとりあえず大学に戻ることにした.天候がどうも良くないのであまり動物は出てこないが,こういう森も悪くは無い.


7:30~8:50
大学野球場脇~桂コース途中~大沢園地~育種場


オオアカゲラ,コゲラ,ヒヨドリ,ツグミ,キクイタダキ,ハシブトガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,キバシリ,エナガ,マヒワ,ハシブトガラス

果実・種子
ナナカマド,ヤドリギ,カツラ,シナノキ,ヤチダモ,イタヤカエデ

痕跡
キタキツネ足跡と糞,クマゲラ食痕(古い)

今朝のOCP091217

2009-12-17 | フィールドノート
久々にOCPまで行ってみた.

今年は雪が少ないからか,何とも物悲しい雰囲気である.冬にはなったはずなのだが,雪が積もっていないと云うだけでこれだけ印象が変わるものなのか.

あまり冬と感じられないのだ.
池はほぼ凍っているし,水鳥も居ないしで,冬であるのは確かなのだが.

まあ,雪かきやら移動やらを考えれば,雪が少なめのほうがありがたいとは言える.

とはいえ,やはり雪が少ないのはさみしいものだ.



ヒヨドリの群れが居るらしく,盛んに鳴いている.
他にはカラスの声がするくらいか.あまり種類を見ることはできなかった.

まあ,そういう日もある.

今年は周辺のナナカマドの実があまり多くないようで,数年ぶりに不作のようだ.ナナカマド以外では,イチイやツルウメモドキ,ツリバナ,ヤドリギなどがあるが,そちらは其処まで実が少ないとは……あ,イチイは少なめか.ヤマブドウやコクワの実りは普通だったので,それほど鳥の飛来に変動は無いだろうと踏んでいるが,他の地域がどうなのかわからないので,何とも言えぬ.

今年の冬鳥の飛来数は少ないのかもしれない.

滞在期間が短いのかもしれない.

或いはそんなことは全く無いのかもしれない.

わからぬことだらけである.



だからこそ,生き物と云うものは面白いのだがね.


9:00~9:30


ヒヨドリ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,カワラヒワ,ハシブトガラス


今朝のNFP091007

2009-10-07 | フィールドノート
朝方はだいぶ冷え込むようになってきた.

そんな中,小鳥の動きはかなり忙しい.明けてきた空を翔ける小群を幾つも見かけるようになる.メジロやヒガラ,ホオジロ辺りの動きが活発なようだ.

ハクチョウが40羽ほど,啼きながら渡っていく.隊列を崩さず,一心に南へ飛んでいく.


それに引き換え,森の中は静かである.群れにぶつかれば別だが,夏の間あれほど満ちていた囀りは聞こえない.風の音,枯れ葉の落ちる音,それを踏みしめる音,ササの合間を動く音.秋の森に満ちる音は,注意を向けなければ聞き逃してしまう.

所々で賑やかな声がする.アカゲラが喧嘩しながら飛び交う.幼鳥の分散でもしているのだろうか.秋は別れの季節でもある.

池に近づくと,カイツブリの親子の呼びあう声が響く.幼鳥はだいぶ大きくなったが,未だに顔の模様が残り,幼さを感じさせる.

別の家族では,親が子を呼び,小魚を与えているのが見える.こちらの幼鳥は先ほどよりも少し小さい.彼らが此処にとどまるのもあとひと月弱だろう.そしてまた冬が訪れる.

カツラの匂い.サワフタギの実.

徐々に色づく木の葉.

通り雨.

柔らかさを増す朝日.

森は秋の衣を纏い,来る冬への備えを始めていた.



6:20~8:20
育種場~大沢園地~四季美往復


カイツブリ,トビ,アカゲラ,オオアカゲラ,コゲラ,ヤマゲラ,ミソサザイ,ヒヨドリ,ウグイス,ハシブトガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,イカル,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

開花
ノラニンジン,サラシナショウマ,メナモミ,ミヤマヤブタバコ,エゾゴマナ,エゾノコンギク,キンミズヒキ,ミゾソバ,ウツボグサ,アカバナ,ゲンノショウコ,キツリフネ,アキノキリンソウ,ムラサキツメクサ,ヒメジョオン,イヌタデ,ハナタデ

結実
ミツバ,ウマノミツバ,ノラニンジン,サラシナショウマ,ツチアケビ,ヤブハギ,キンミズヒキ,ノブキ,オオバコ,トチバニンジン,ツクバネソウ,エゾトリカブト,キタコブシ,サワフタギ,ミズキ,オオツリバナ,ツリバナ,ミヤマトウバナ,ケチヂミザサ,アブラガヤ,キツリフネ,ツリフネソウ,ホウチャクソウ,フッキソウ,ツルシキミ,オオウバユリ,ヤマブドウ,クリ,サルナシ,ツルウメモドキ,ツタウルシ,ミミコウモリ,ヨブスマソウ,マイヅルソウ

その他
ノシメトンボ,アキアカネ,ヒラタシデムシ,オカモノアラガイ,エゾリス


トチバニンジンの実


サワフタギの実

宮島沼091003

2009-10-03 | フィールドノート
朝,起きると後輩からメールが来ていた.

雨が上がったと云う.



確かに.風は強いが青空がのぞいている.

よし.数えに行くか.



そんなわけで,マガンを数えに行ってきたという話.

先日帰り道に使ったR139を通り,田んぼの収穫具合を見ながら沼に向かう.刈り入れはそこそこ進んでいるようだ.タヌキを拾った場所にはまだうっすらと血だまりの跡が残っていた.

北村に入ったあたりで,やたらとフワフワ飛ぶカラスの一群を見る.どう見てもミヤマガラスの群れである.もう来たのか.そしてこの辺にも来るようになったのか.


おのれディケイド


沼に近づくと,マガンの群れが移動しているのに出会う.
刈り入れが済んだ田んぼに降り,盛んに落ち籾を拾っている.春に比べると少し痩せて見えるが,まあ,さもあろう.海を越えてきたばかりなのだ.

そうやってよそ見をしつつ宮島沼までたどり着く.

何やらイベントと重なったそうで,カウントを任せられることになる.

少々無茶ぶりな気がしないでもないが,まあ,そういうこともあるだろう.



少し観察した後で定位置に移動し,帰沼する群れを迎え撃つことに.



そうこうしているうちにイベントの集団も近くに来て,一緒に見ることになる.
幾つか群れは戻ってきているのだが,どうもあまり水面に降りていない.まだ明るいのか.それとも食べ足りないのか.

そういえば,いつの間にか雁数え道の準師範ということにされていたらしい.おかしいなあ.ゴルゴムの仕業だ

仕方がないので,近くにいたムクドリの群れを見つつ,タイミングを測ることに.およそ150羽.……そういえば来週からヒヨドリ調査だったな.



夕日が徐々に沈み,空の色が変わっていく.

その中を大群が帰ってくる.



秋とは思えない大群で,3000~5000羽サイズの群れが連続で来る.
久々に指が攣りそうだ.

カウントの最中に月が顔を出す.
今日は中秋の名月.群れの一端が月にかかり,絵になる情景である.まあ,数えている方はそれどころではないのだが.

やがて月は厚みを増した雲に隠れ,辺りは暗くなる.
暗くなっても少しずつマガンは帰ってくる.相当に遠くまで食事に行っていたのか.それとも今日着いたのだろうか.砂川方面から来ているので,どちらの可能性もあるか.

6時を過ぎ,戻ってくる群れが途切れたところでカウントを終了する.

約45000羽.

秋にしてはずいぶんと多くなったものだ.

冷夏の所為か,それとも他に要因があるのか.
直ぐにはわからないが,まあ,いずれわかるのかもしれない.

いずれにせよ,此処に今,マガンが居る.

それだけは事実である.



15:50~18:10

カイツブリ,マガン,ヒシクイ,マガモ,カルガモ,コガモ,オナガガモ,ヒドリガモ,ハシビロガモ,キンクロハジロ,アオサギ,ダイサギ,トビ,ヒバリ,ハクセキレイ,ホオジロ,オオジュリン,ムクドリ,スズメ,ミヤマガラス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

宮島沼090930

2009-09-30 | フィールドノート
ぼちぼち秋の渡りが始まっている.

例年ならそろそろピークが近いはずの,宮島沼まで行ってみることにした.

前日の情報を聞くところによれば,5万羽近くがねぐら入りしたらしい.早くもピーク到来なのだろうか.

しかし,今年は冷夏で稲の収穫が遅く,餌場が十分にあるかどうかはわからない.少しの間滞在するのか,それともさっさと内地へと出発するのか.そのあたりもどうなることやら.

これで来春,小麦の食害が多ければ,農家さんは当然怒るだろう.



そんなことをつらつらと考えつつ,後輩を乗せて車を走らせる.



天候は晴れ,気温は思っていたより低くもなく,この時季特有の水面の靄も出ていない.実によろしい.

月形の橋を渡る頃,前方の空を黒い集団が旋回するのが見える.

少し出遅れたのか.

いやいや,まだ時間が早い上に暗いので,どうせ誰ぞ阿呆が突堤に侵入したのだろう.



とりあえず駐車場に車を止め,観察場所に向かう.

行き会ったセンターの方に事情を聞くと,やはり人が立ち入ったために早めに飛んだのだそうで,見れば突堤近くの水面だけがぽっかりと空いている.ついでに前日のカウントは49000羽であるとのこと.春でもないのに5万羽近くとは.









しばらく待っているとだいぶ明るくなり,5時半過ぎには大部分が纏まって飛び立つ.今朝は風もなく,天気も良い.そして纏まって飛び立つと来れば,これ以上は望みようもあるまい.タイミング良くこういう場面に出会えた事に感謝しよう.

飛んでいく方向としては,岩見沢や砂川方面に向かう個体が多かった.




水面は鏡のようであり,樺戸の山塊が反転して綺麗に映りこむ.

これも,案外見られないものである.実によい.

マガンが飛んだ後に残るカモを見つつ,久しぶりに行き会った後輩と話す.大学の話,学会の話やら研究の話やら色々である.そうこうするうちに時間が来たので,周りの田んぼを見つつ帰る事にする.近いうちにまた来るとしよう.



それにしても,突堤の使い方に関する議論もそろそろ進めていかねばならんのだろうか.

ある意味,便利な場所なのだ.

人からすれば,見やすく,一般の人に自然に親しんで貰うという点では立ち入りは今まで通りで良いわけで.

一方,人と自然の望ましい関係,ということで考えれば,マガンと人との距離感というモノを知って貰うには,立ち入り制限をするのが良い.

どちらにせよ利点もあり欠点もあるわけで.

人の接近がどの程度彼らのストレスになっているのかというのは,なかなかに難しい話である.まあ,適当なところに人の姿が隠れるように垣でも置き,そこに隠れて観察するようにするというのが妥当なのだろうか.

写真を撮る人や,近くで見たい人からすれば文句がでるのかもしれない.が,まあ,一部の人間だけでなく,色々な人間にとって,そしてマガンなど水鳥類にとって,良い方法というのを考えていきたい.



そんな事を考えつつ,帰りの道中でロードキルのタヌキを拾う.

少し血を吐いていたが,外見は綺麗なままであった.近いうちに処理するとしよう.



そんなとある初秋の朝のお話.



5:10~6:50
宮島沼とその周辺

アカエリカイツブリ,カイツブリ,アオサギ,ダイサギ,マガン,ヒシクイ,マガモ,カルガモ,コガモ,オナガガモ,ヒドリガモ,ハシビロガモ,キンクロハジロ,ホシハジロ,トビ,オオタカJ,キジバト,ヒバリ,ハクセキレイ,モズ,オオジュリン,アオジ,ホオジロ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス

その他
江別市美原:タヌキ(ロードキル)

今朝のNFP090929

2009-09-29 | フィールドノート
久しぶりに森を歩いてみることにした.



夜半に降っていた雨はあがったようだが,あまり安定しない空のようだ.
雨上がりの土のにおいと,強くなったカツラの香りが初秋を告げる.

花は少なくなり,ひっそりと実をつけるものが多い.



オオウバユリの子房が熟し,割れて薄い種を散らせる.土の中で眠り,10年かそれ以上かけて地上に花を咲かせる.

触れれば弾けるキツリフネ,服に着くキンミズヒキやノブキ,赤や黒に熟すマムシグサやツクバネソウなど,秋には秋の彩りが,楽しみがある.

樹上ではミズキやツリバナが熟し,サルナシが実を膨らませ始める.

ミズナラやオニグルミは熟して落ち,リスやカケスが森を駆ける.



実りの秋.

鳥や獣を養う,大いなる恵み.



秋が満ちる.

地上に,樹上に,水の上に.



池に着き,佇む.
オシドリがヤナギに隠れ,アオサギがのっそりと飛んでいく.

秋の天は高く,蒼く.

ただ,見ていた.



5:50~7:40
育種場~大沢園地~四季美~大沢池堰堤~キャンプ場~育種場


カイツブリ,アオサギ,オシドリ,マガモ,コガモ,ハイタカ,キジバト,アカゲラ,オオアカゲラ,コゲラ,ヒバリ,ハクセキレイ,モズ,ミソサザイ,クロツグミ,トラツグミ,ウグイス,ヤブサメ,キビタキ,ムギマキ,エナガ,ハシブトガラ,コガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,シメ,イカル,ムクドリ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

開花
キンミズヒキ,ミヤマヤブタバコ,メナモミ,ゲンノショウコ,ミツバ,サラシナショウマ,エゾノコンギク,エゾゴマナ,ヒメジョオン,キツリフネ,ツリフネソウ,ハナタデ,イヌタデ,アキノキリンソウ,セイタカアワダチソウ,ムラサキツメクサ,ツユクサ

結実
キンミズヒキ,ミツバ,キツリフネ,ツリフネソウ,オオバコ,ケチヂミザサ,ノブキ,ハエドクソウ,ハナタデ,イヌタデ,イヌゴマ,ウツボグサ,ミヤマトウバナ,ツクバネソウ,ホウチャクソウ,オオウバユリ,マムシグサ,ツチアケビ,ヤブハギ,ミズキ,ツリバナ,オオカメノキ,フッキソウ,ツルシキミ,ツタウルシ,ヤマブドウ,サルナシ,サラシナショウマ,ルイヨウショウマ,ミズナラ,オニグルミ,クリ

その他
エゾリス,ヒラタシデムシ,ゴミムシsp., オカモノアラガイ,スコットカメムシ,エゾエンマコオロギ,アキアカネ,ノシメトンボ,クスサン

今朝のNFP090811

2009-08-11 | フィールドノート
どうやら真夏という時期になったようである.
いまいち実感がないのは,今年が涼しい所為か.

しかし,今朝はどうにも蒸す.まるで内地の梅雨のようだ.



……そんな事はさておき,森に行くことにした.

先月まであれだけ様々な鳥がさえずっていたのが嘘のようである.良く鳴くのはセンダイムシクイやヒヨドリあたりで,アオジやヤブサメ,キビタキなどの囀りは聞こえない.既に渡って行った個体もいるのだろう.

幼鳥が見られるようになり,はっきりしない囀りや地鳴きが多くなる.
繁殖期はひそやかに終了し,ボチボチ秋の渡りが始まる.

実りの季節.そして,旅の季節.

山を越え,海を越え,遥か彼方へ.

導くのは本能か,魂か.



5:30~8:00
育種場~大沢園地~桂~大沢~大沢園地~育種場


アオバト,キジバト,オオアカゲラ,コゲラ,ヒヨドリ,クロツグミ,ウグイス,ヤブサメ,センダイムシクイ,ハシブトガラ,コガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,ハシブトガラス

開花
キンミズヒキ,エゾノコンギク,ノブキ,ハエドクソウ,ミミコウモリ,ヨブスマソウ,ツチアケビ,ヨツバヒヨドリ,ミヤマトウバナ,コウゾリナ,オニノゲシ,イヌタデ,ミズタマソウ,ヤブハギ,ゲンノショウコ,サラシナショウマ,ウツボグサ,ツリガネニンジン,エゾイラクサ

結実
キンミズヒキ,キツリフネ,ヤブハギ,ノブキ,ハエドクソウ,マイヅルソウ,トチバニンジン,ダイコンソウ,シナガワハギ,ホウチャクソウ,キツネノボタン,ウツボグサ

その他
コクワガタ,イシカリクロナガオサムシ,ヒラタシデムシ,ハムシsp., ザトウムシ,サッポロマイマイ,オカモノアラガイ