さて,気づけば読書ネタが連発になってますな.
まあ,そういうこともあろうて.
のぼうの城
著者:和田竜
出版社:小学館
出版年:2007年11月
今回は歴史ものということで.まあ,今どきの作品というか,そんなにいかにもな時代ものという文章じゃないんですが.よく言えば読みやすく,悪く言えばちょっと軽い.現代風アレンジということで,その辺はとやかく言うことではないけれど.
よっぽどの戦国時代マニアじゃないと知らないであろう武州忍城をめぐる攻防戦を,成田家の視点から書いた一冊.時は秀吉が小田原攻めをしてる頃で,攻めるは秀吉配下の石田三成,大谷吉継ら約5万.守るは北条氏配下の成田長親率いる3千弱.
成田長親は領民から「のぼう様」(「でくのぼう」の略)と呼ばれ慕われているっつう話で,まあ,色々と何やってもダメという人.最初成田家は押し寄せた軍勢に投降しようと(当主はそう考え,指示してた)したが,攻め手から使者が来て,その態度に怒った長親が籠城して戦うことにしてしまうところから始まる(まあ,本来こんなことやった時点で切腹もんですが).
近隣の百姓も動員して,戦をするわけで,成田家家臣が村まで協力を頼みに行くと,なぜ戦うんだと,誰がそんなこと言いだしたんだと最初は揉める.そこで,長親が言い出したんだと返すと,爆笑とともに,あののぼう様が言い出したんじゃあ,儂らが協力してやらなきゃしょうがあんめえ,と,領民の協力もあっさり得られてしまう.
そんなこんなで開戦して,結論だけ言っちまうと三成は城を落とせずに終わるわけです.中身は,まあ,読んでみて下さい.
読んでいて,長親が領民に慕われるのは,ロッテを応援することに通じるんじゃないかと思ったり思わなかったり.色々とダメでどうしようもないけど,ファンがついてなきゃどうしようもあんめえと,そういう感じ.
作中の台詞を色々入れ替えて遊ぶと面白かったりする.
「誰がダルビッシュからホームランを打つと(ry」
「塀内だ」
「誰が開幕投手を(ry」
「園川だ」
とか.
そんなわけで,ロッテファンはかなり楽しめるんじゃないかと思ったり思わなかったり(どっちやねん).
ついでに,最近漫画化されたようで,画は「美味しんぼ」の花咲アキラだとか.
つうことは,最後に海原雄山みたいな秀吉が出てきて
この城を攻めたのは誰だあっ!
とか・・・言うわけないですね.すみません.
ちなみに同じテーマを扱った作品として,
水の城ーいまだ落城せず(風野真知雄著:祥伝社文庫)というのもあるそうで,こっちはまだ読んでないです.