海猫日和

色々と思うこと,見たことについてとりあえず気の赴くままに書いてみる.

Aftermath (Psychedelic)

2011-04-23 | 自然観察
―――――夢を見せて
―――――――土曜日の午後に




今年の集合は3時10分だと云う.

そう言われてホイホイと付きあってしまうあたり,私と云うものはどうにも度し難いものだと言わざるを得ない.

と,言ったところで,この季節には一人であっても勝手に行くことがあるので,まあ,人数が増えただけだと思わないでもない.

そんなわけで,宮島沼である.後輩の付き添いと言うか,半分は引率のようなものだ.

前日のカウントでは65000羽であるという.
天気はあまり良くなさそうだが,それだけ居るのならかなりの迫力になるだろう.

車に分乗してそれぞれ出発する.何やら寝坊した奴がいるとか居ないとか.

1時間足らずで着くのだが,少し飛び立ちが早かったらしく,1回目は見逃した.
駐車場に車を置き,観察場所へ移動すると,しばらくして2回目の塒立ちが起こる.
かなりまとまった集団であり,そのあと何度かに分けて各々が出発していく.行先はどうやら岩見沢方向が多いようだ.まだ腹が膨れていない個体が多いので,渡りを再開するにはもう少しかかるのだろう.

ほぼピークと言って良い数だが,おそらくもう少し増えるはず.

周囲の田畑の雪もほぼ解けたようで,採餌に支障はないようだ.



しばらく観察した後に浦臼神社へと移動する.



カタクリは咲き始めで,まだまだといったところ.エゾエンゴサクやフクジュソウもまだ少なく,見応えが出てくるのはもう少し後のようだ.南側の斜面でもまだ開きかけの個体ばかりである.

エゾリスやムクドリは活発に動いており,マルハナバチも出始めている.
エゾエンゴサクには既に盗蜜の痕が残っていた.
気温が上がってくるとクジャクチョウも飛び始め,少し肌寒いながらも春を感じさせる.



ちょうど通りがかった札沼線の1両編成を眺めていると,遠くでエゾアカガエルが鳴く.
NFPではまだ聞かないが,彼らもそろそろ卵を産む頃のはず.



最後にアオサギのコロニーに寄って,今回も無事に終了となった.
巣に座り込む個体が多く,順調に抱卵が進んでいるのだろう.



何となくではあるが,上級生の中での役割がうまいこと回せていないように思う.
取りまとめと言うか,説明役がいないとただ単に見に行っただけになってしまう.

サークルの活動と銘打つからには,それだけで終わらせてほしくないものだ.

そんなとあるOBの戯言である.





―――――空を飾った虹を
―――――――夢幻と云うのだろう

今朝の育種場110422

2011-04-22 | フィールドノート
小雨がぱらつく中,森に行ってみる事にした.
この週末はあまり天気が良くないらしい.


一昨日に引き続き,後輩の仮入に同行することに.
聞かれた事を適当に説明しつつ,見せたいものを見せつつ,ゆっくりと進む.

あとで聞くところによると目的地はあったらしいのだが,結局そこまではたどり着けずに終わる.まあ,そういうこともある.

フクジュソウやアキタブキが咲き始めた程度で,春と言うにはまだ寒い.

ようやくアオジが囀り始めたらしく,少しずつ春が広がって行く.

まだ葉をつけない木々に目を向ければ,コブシの花芽が緩んできたようだ.



今年は長めに待たされている.

だが,そういう年があってもいい.

自然を観ると云うのは,そういうことなのだ.



6:00~7:50
育種場内


オシドリ,キジバト,ヤマゲラ,アカゲラ,コゲラ,ハシブトガラ,コガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,アオジ,カワラヒワ,マヒワ,シメ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

開花
アキタブキ,フクジュソウ,ザゼンソウ

その他
クマゲラ食痕,ユキウサギの糞,コシジマルトビムシ,トビムシの一種

ペリット

2011-04-21 | 自然観察
昨日の帰り際に拾ったエゾフクロウのペリット.




ペリットとは,鳥が吐きもどした塊であり,中身は消化できない骨や毛,羽などである.
あえて違う言い方をすればゲロ

鳥には歯が無いため,ある程度の大きさのものは丸呑みにする.
そうした過程で肉は消化されるが,骨や毛は残ってしまう.

そういう消化しにくいもの,エネルギーになりにくいものを砕いて消化するのは大変なので,それらを纏めて吐きだすのである.

また鳥は飛ぶため,体を軽くしておく必要がある.
餌は早めに消化した方が良いし,糞はさっさと捨てる方が良い.
未消化物をあまり長く体内に置いておくわけにはいかないのだ.

タカやフクロウなどの猛禽類,カワセミの仲間,カラスなどがペリットを出すことは知られている.今例に挙げた以外にも様々な鳥が吐く.ただ,植物食の鳥ではあまり出す必要はなさそうだ.能力的に可能かどうかはまた別の話だが.

ペリットの中身を分析すると,その鳥が何を食べていたかがわかる.
NFPのフクロウの場合,大半がエゾヤチネズミである.
鳥やモモンガ,コウモリなども食べているが,ネズミが多い.

それだけこの森にネズミが豊富という事であろうし,或いは単にネズミがとりやすい,或いは好みである,という可能性もある.

食性は棲んでいる場所や季節にも左右されるので,他の地域と比べるとまた特徴が見えてきたりもする.他の種と比較できればそれもまた面白いものである.

今朝のNFP110420

2011-04-20 | フィールドノート
しばらく間が空いてしまったが,まあいい.

状況はあまり変わらないが,幾許かの時は過ぎた.

で,あるならば.

やはり変わるものは変わるのだ.



一つ脱稿したので,久々に森に行ってみた.

後輩が群れていたので静かに近寄ってみたが,思いのほか早く接近がばれた.

なんということだ.



仮入部の最中であるらしく,そういえばそんな季節だったか.

若さとは良いものだな,等とつぶやきつつ,せっかくなので同行してみる.

今年は雪が多く,林道や森の中には多くの雪が残る.
春の花々は殆ど見えない.夏鳥もまだ,多くはない.

それでも見られるものがある.

雪の上に残るタネ,枯れ葉.それらを分解するトビムシ達.
ふくらみ始めた冬芽,現れるネズミのトンネル.


気づけば,其処に全てがある.

側溝の水たまりにエゾサンショウウオの卵を見つけた.
営巣中のフクロウ,縄張りを主張するクマゲラ.
イタチ科の糞,オオジシギのディスプレイフライト.


森の春は既に始まっているのだ.



それにしても,学生の気質は変わったものだと思う.
どうしても自分たちの頃と比べてしまうが,それはそれとしてもだ.

良い悪いという話ではなく,まあ,礼儀やら外部との接し方と言う面では多少そういう部分もあるのだが,これが世代と言うものなのだろう.

年年歳歳 花相似たり
歳歳年年 人同じからず

つまりは,そういう事なのだろう.



6:20~8:40
大沢口、中央線、休養園地


オシドリ,トビ,フクロウ,オオジシギ,キジバト,アカゲラ,コゲラ,クマゲラ,ヤマゲラ,ヒバリ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,ウグイス,エナガ,ハシブトガラ,コガラ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,ホオジロ,カワラヒワ,マヒワ,ウソ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

開花
ザゼンソウ,フクジュソウ,カツラ

つぼみ
フッキソウ

花芽
ヤナギsp., キタコブシ

その他
キタキツネの糞,イタチ科sp.の糞,フクロウのペリット,エゾサンショウウオ卵,コゲラorアカゲラの食痕,サッポロマイマイ,エゾマイマイ,コシジマルトビムシ,ヤチダモの種子,カツラの種子,シラカンバの種子


沼明け

2011-04-15 | 自然観察
予想よりも早く,沼が開けたらしい.

そんなわけで,今年初の宮島沼である.
雪が多かったので,この週末くらいだろうと予想していたのだが.

あっという間に水面が広がったというわけだ.

まあ,そういうこともある.

だからこそ,自然だと云う事なのだろうけれど.



水面が開け,マガンが沼一面に広がる.昨晩で53000羽だったらしい.
例年とは違い,突堤にゲートがあるため,人を気にせずに岸近くまで来ているようだ.

マガンにとっては,水面が広く使えるので良いことだろう.



ちょうど鳥インフルエンザ騒ぎがあるので,カメラマンの動きはおとなしいらしい.
非常によろしい.

マナーをわきまえないあの人種はどうにも,好きにはなれぬ.
減ったのであれば,非常に気楽である.

飛び立ちは4時40分過ぎ.
今朝は晴れていたからか,いっせいに飛び立つ.

轟く羽音.
響く声.

今年もこの季節が来た.

向かう先はどうやら岩見沢や美唄,奈井江方向が多いようだ.
さらに先へ向かうために,先ずは食いだめをしてエネルギーを貯める必要がある.
しばらくは見ごろが続くのだろう.



オオハクチョウ,コハクチョウ,マガン,ヒシクイ,キンクロハジロ,オナガガモ,ヒドリガモ,カルガモ,コガモ,トビ,アオサギ,カイツブリ,キジバト,シジュウカラ,ハシブトガラ,スズメ,ヒバリ,ハクセキレイ,ハシボソガラス,ハシブトガラス