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「2004年度ノーベル平和賞を受賞したケニアの
環境大臣、マータイ女史が来日し、講演を行い
ましたが、その中で
『私が最も好きな言葉は日本の"もったいない"です。
これからの環境問題を考える時、この"もったいない"
という精神がとても重要になります。』
と話していました。
彼女はケニアの国土を砂漠化から守り、作物のできる
土地を作ろうと三十年前に植樹運動を始めました。
自らの手で一本、一本苗木を植えていくという地道な
活動が、やがて大きな反響を呼んで、この運動は
ケニア全土に広まりました。
一本の木を大事にする行為、それが"もったいない"という
精神につながるというのですが、日本では忘れられかけ
ていた言葉がアフリカの一女性によってよみがえった
のです。
"もったいない"という考え方は日本人の美徳であり、
昔の人は御飯粒一つも粗末にしませんでした。
作ってくれた人の苦労を考えれば、それも当然と言え
ます。
しかし最近は"飽食の時代"といわれ、グルメツアーと
称してより美味なるものを求めて東奔西走する一方で、
食べ物を残したり、粗末にする人が増えています。
その結果、糖尿病や高血圧といった生活習慣病にかかる
人が増加するという皮肉な現象が起きています。
コンビニエンスストアやレストランなどから大量のゴミ
として捨てられてしまう大量の食品を見ると、世界中で
飢餓に苦しんでいる人と対比して、やり切れない思いに
なるでしょう。
(中略)
僧侶は食事にあたって『斎食儀(さいじぎ)』という
作法がありますが、その意を汲んで檀信徒用に作られた
言葉がありますので紹介しておきましょう。」
[食後の言葉]
「我今、この清き食を終わりて、心豊かに力身に満つ。
願わくはこの身心を捧げて己が業にいそしみ、誓って
四恩に報い奉らん。ごちそうさまでした。」
(私は今清らかな食事を頂いて心から豊かになり、力が
身体中に満ちてきました。
この充実した身心の全てを捧げて、自分の為すべき仕事に
励みます。
父母に対する恩、私を支えてくれているあらゆるものに
対する恩、私を育んでくれた国土に対する恩、仏や仏の教え、
それを伝えてくれる人々に対する恩。
この四恩に報いる事を誓います。
ごちそうさまでした。)
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口にするもの、食事をする理由について注意深くある
必要を改めて感じました。