また昨日は若手スター俳優さんの訃報が... 何とも言えません。
チエミさんと大原さんは昭和48年に共演しています。
ナショナル・ゴールデン劇場」の「野菜シリーズ」ドラマ作品・「黄色いトマト」
>横浜山手のフランス料理店を舞台に、身寄りを亡くし山形から上京、父の戦友の横浜の大工の棟梁の所に下宿しながらウエイトレスとして働くことになったハイミスの女とフランス帰りのコックのラブ・コメディ... 主演/江利チエミ 共演/加藤剛、杉浦直樹、沢村貞子、野添ひとみ、十朱久雄、東山千栄子、大原麗子...
48年5/17 ~ 8/30まで、主題歌の「愛はひそかに」はコンディションそのものは非常に厳しい時期ではありましたが、「静の江利チエミ」の魅力をひきだした素敵しい作品でした。
初回は根岸線の車中から始まったと思います。
大きな荷物を抱え和服のトメちゃん(チエミ)のつり革につかまる袖ぐちが「ぱっくり裂けてしまっている」...それを隠してあげようと加藤剛さんがチエミさんの横に寄り添う...痴漢と勘違いしたトメちゃんは「オメーなにするダ---!」と一喝!
しかしなんと彼は急死した父の戦友でトメちゃんの後見人の横浜在住の大工の棟梁から紹介してもらってこれから働かせてもらえることとなったレストランの腕利きコックだった... 大工の棟梁宅に下宿するトメちゃん。そのお宅のお嬢さん役が大原麗子さんでした。
誤解からスタートした二人の出逢いから...だんだんと都会になれ、トメちゃんは綺麗になって行きます。なによりそれは「運命の人との出会い」によるものだった...
不器用な大人のラブストーリー...最終回は山手教会の結婚式のシーンでした。
マイフェアレディの舞台をロンドンから横浜に移したような...
大人の良質な御伽噺に仕上がりました。
このドラマのフィナーレ...ウエディング・ドレス姿のチエミさんが週刊誌の記事になって「チエミ・複雑な表情/女の幸せはやはり結婚か?」なんていう週刊誌ネタにもなっていました。
下の写真... トメちゃんは「なにかあって父を思い出すとき」に、一服慣れない手つきで煙草を吸います。
右側はオープニング・根岸線の中のシーンです。
このナショナルゴールデン劇場「野菜シリーズ」には、他にも名作揃いでした。
「だいこんの花」...森繁久弥のヤモメの父親と竹脇無我・いしだあゆみ夫婦との日常を描いた作品。水ノ江滝子...ら、ゲストレギュラーも多彩・豪華なものでした。
「じゃがいも」...森光子演じる「コロッケ屋」を営む主婦、夫はタクシー運転手(佐野浅夫)...幸せそうな下町の家庭。しかし妻には名家に嫁ぎ姑との葛藤...娘と無理心中を図った過去があった、というお話。息子役の三浦友和が年上の倍賞美津子と結婚する...などこれでもかの「盛りだくさん」の内容でしたが、踏み切りでのムリ心中をすんでのところで助け出した舅・志村喬...といった「名優陣」のキャスティングが「胃もたれを起させない」...まさに「サクッと揚がった美味いコロッケ」のような暖かいドラマでした。
そして江利チエミ主演で野菜シリーズがもう1本つくられます...
「ねぎぼうずの唄」...
49年3/28 ~ 8/29までの放映されました。
主演/江利チエミ 共演/緒形拳、杉浦直樹、花沢徳衛、村地弘美、...
> 一人の男がレジャーランドを作るために、過疎の村へやってきた。しかし彼は詐欺師だった... チエミさんは父の残した岩手の寒村の診療所を守るハイミス看護婦役 、そこに緒形拳扮する志の高い医師が赴任してくる。そこに親に捨てられた小学生の男の子などが絡み進行してゆくドラマでした。
反目しあう二人でしたが、最後はプロポーズを受け入れ幸せを噛みしめるようにチエミさんが野原を駆け抜ける...というのが、このドラマの最終シーンでした。
鼻歌で「南部牛追い唄」など、アカペラで歌う場面も懐かしく思い出されます。
共演の緒形さんはのちにインタビューでこう答えています...
>チエミさんの唄がとってもいいんだな---!撮影の合間に「なにげなく口づさむ鼻歌」...その鼻歌がとってもいいんだな----! ...と。
ドラマはシリアスなものでしたので伴奏が流れて「歌うシーン」...というのはもちろんありませんでしたが、鼻歌で「南部牛追い唄」を歌うシ-ンはありました。
主題歌は♪ねぎぼうず---の花だ--よ---
ひ---とつの花だ--よ----- ...というもの。
花子さん/私はカモちゃんと同様シングル盤の発売がない「幻の主題歌」でしたが、江利チエミさんのCDという形ではなく、作者の全集という形...CD「山下毅雄の全貌2 ドラマ編」に収録されました。入手可能です。
部屋にあった人の口紅をじっとみていて、自分にぬってみる、そこへ誰かが来たのでさっと口紅を袖でふく
ここのチエミさんがとてもいい味をだしていたのを今でもおぼえています。