チエミさんはホームグラウンドの新宿コマで、昭和51年11月、芸能生活25周年記念の舞台を上演しました。
ありがちなパターンでいけば、あたり役の再演...というのが通例。
当時まだまだ偏見の多かった韓国の民話をミュージカル化して大ヒットを飛ばした「春香伝」(昭和48年)
同じく中国民話を題材にした「花木蘭」(のちのディズニーアニメ・ムーラン)
前年久々に舞台にかけてヒットしたあたり役「サザエさん」
20周年の時の舞台で芸術祭賞を受賞した「白狐の恋」、花登筐さんの演出した「お染久松」...
多くのあたり役があったにも関わらず、チエミさんはまた新しい挑戦をします。
藤山寛美思いつき お江戸噂話「鼻のお六」...松竹新喜劇の寛美さんのあたり役「鼻の六兵衛」の主役を女に替え、東宝の舞台で演じる...といった思い切った演目をかかげ、マスコミを驚かせました。
舞台の中継はNHK...翌年の1月に放映されましたが、NHKの倉庫で冠水事件があり残念ながらこのマスターテープは今は放映不可能だと聞きます。
25周年・大ベテランの域に達した江利チエミさんでしたが、相変わらず 前へ前へ...と挑戦を続けていました。
思えばチエミさんは こうくるだろうな----というファンの思いをいつも 裏切り続けた ともいえますね! いつでも新しいチエミを観ていただきたい...チエミさんは芸の虫!であったのです。
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