江利チエミファンのひとりごと

江利チエミという素晴らしい歌手がいた...ということ。
ただただそれを伝えたい...という趣旨のページです。

17)チエミさんの思い出

2005年05月15日 | 江利チエミ(初期記事・本編)

すばらしい仲間...という日曜日のTBSの番組がありました。
今「うるるん」をやっている時間帯で30分番組だったと思います。(すばらしき仲間...だったかも?)
放映時期は確か...昭和54年の10月のでした。
タイトル「他流試合の秋」だったと記憶しています。
出演/江利チエミ・立川澄人・坂上二郎...二郎さんは立川さんの所属する団体のオペラ公演に客演で出演が決まって、そのリハーサル現場からの放送だったと思います。
ではチエミさんは??
そう、この時チエミさんは芸術祭参加・東宝歌舞伎錦秋十月特別公演という「他流試合」に挑んでいたのです。

このとき、東京・日比谷界隈は他の劇場でも凄い公演をやっていました...
帝国劇場では美空ひばり帝劇十月特別公演/芝居「ひとすじの道」・二部「歌声は世界をめぐる」
加藤喜美枝=企画構成 かとう哲也=脚本 共演=香山武彦...ママも二人の弟さんもまだひばりさんの周りにちゃんと控えていた時です。
チエミさんの映画/猛獣使いの少女+江利チエミショウのアトラクションVS大劇/美空ひばり出演のオールスター興行(このときの観客動員数はチエミさんに軍配が...)でのしのぎを削った「大阪夏の陣」と呼ばれた出来事にも思いをはせて、19歳の私は日比谷の東宝に観劇に行きました。

この東宝歌舞伎=長谷川一夫公演...です。このときの芝居の演目は「沓掛時次郎」でした。
長谷川一夫のあたり役!藤田まことさんの「てなもんや三度笠」あんかけの時次郎はこのパロディです。
チエミさんは長谷川先生、そして50年TBSドラマ「妻のあした」ではお姉さん役の淡島千景さんと3枚看板で見事な舞台を務めました。
役どころは時次郎が身をよせる中山道(中仙道)は熊谷の宿、その安どまりの娘おろく。
鼻っぱしは強いがめっぽう人情に弱い...ピッタリの役どころでもあり、可愛い娘役でした。
とても張り切って演じている様子は客席からもはっきりとわかりました。
チエミさんという人は不思議な大スターです。あれだけのスターになると普通は「主役じゃなきゃやらない」とか「汚れ役はできない」...云々という自負が生じるもの。
しかし、女優江利チエミは全くそういったところがない!
娯楽映画以外で女優として出演する時は...ちいさこべでは錦之介さんの相手役・孤児を放っておけない酒場の酌婦あがりの娘、勝新太郎さんとの「ど根性物語・銭の踊り」では、主人公とはくされ縁のフシギちゃんを好演します。他、「ふんどし医者」では森繁さん・原節子さんと共演し、脇役としての演技をこなしていたり...本当に「一女優」として「演技で勝負」をするのです。
これも江利チエミという人の凄さであり、魅力です。
この舞台の2部は舞踊「春夏秋冬」...舞踊&歌謡ショウです。
流石!花柳のお名取りさん!踊りも素敵でした。そしてなにより歌です。
東京宝塚は紅白のVTRの放映でも確認できるように、オーケストラボックスがあり、そこにはオーケストラがスタンバっていました。
着物姿でまず「真室川音頭」...そして「草津節」...と、チエミの民謡をバッチリじっくり聴かせてくれました。多くのダンサーも従えてのステージは圧巻!声もよく出ていました。
長谷川&淡島がチエミのさのさにあわせて踊る。そしてフィナーレはチエミの大漁節(銚子大漁節)...
江利チエミショウ...といった公演でありました。

さて話は「すばらしい仲間」へ戻ります。
喉を大事にしていたのだな...と感じた会話の部分の記憶で書き出します。
話題は自分のノドのコンディションをどうやって判断するか...で、
>アタシは朝起きて、たとえば...I was waltzin' アイワズワォースン(だんだんとキイをさげて歌っていく)って歌って、低い声が出るときは絶対に高音も大丈夫...なの。それをバロメーターにしてるのよ...と語っていました。
チエミさんはきっと24時間...ずっと歌のことを考えているに違いない!...と。
何気ない言葉でしたがとても心に響いた言葉でありました。
  ひところよりも元気で若く見えました。
 
仕事を選んで、また一から勉強していこう!...そんなファイトが感じられた昭和54年の秋の事でした。

※長い改装工事(その間仮説で別の場所で営業)を経て、いま東京宝塚劇場は高層ビルとなって生まれかわりました...
写真は、空襲の対象にならず戦後接収されて「アーニー・パイル劇場」となり、進駐軍の接収を逃れたあと「宝塚歌劇団」をはじめ越路吹雪さんら多くの伝説のスターが舞台を踏んだ荘厳な建造物だったころ...
紅白歌合戦が渋谷のNHKホールが出来るまで、その会場として使われた...
そして「江利チエミのマイフェアレディ」が上演された時の東宝ビルの... 今は無き姿です。
このビルの芸術座(ここも取り壊しです)を背にした右手のエレベーターを上がると映画館のスカラ座でした。ここでデビューを心待ちにしながらエレベーターガールの仕事をしていた少女が居ました。伊豆・修善寺の奥/中伊豆町出身...研ナオ子さんです。


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2 コメント

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長谷川一夫との共演 (でぶり)
2005-05-17 10:00:28
長谷川一夫関連の本にチエミさんのコメントがありました。



「私がこんなにいい舞台を用意してもらっていいのかしら?」いう言葉だったと思います。

長谷川先生をさしおいて、後輩である自分がこんなにいい場面ばかり演らせてもらっていいのかしら?というわけです。



うーでぶさんからそのステージの模様を聞かせてもらって

納得いたしました。いい場面のてんこ盛りだ!



長谷川一夫もお客さんへのファン・サービスを心得た人ですね。

「江利チエミ」を見たくて初めて東宝歌舞伎に足を運んだお客さんにたっぷり「江利チエミ」の素晴らしさを堪能していただきたいということなのでしょう。

結果、東宝歌舞伎のお客さんの新規開拓にも繋がることで、これを機会にリピーターが増えれば一石二鳥。



それにしても、チエミさんは長谷川一夫のお眼鏡に叶う実力をもった人だったんですね。

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Unknown (う---でぶ)
2005-05-18 07:19:39
姐御 いらっしゃいまし...(と 仁義を...お控えなすって...)



前年の相手役は...桜田淳子さんでした。

そして翌年がチエミさん。

意表を付いたキャスティングとワイドショウでも話題になっておったです。
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