種子島宇宙センター
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E5%B3%B6%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC
三菱重工業
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E9%87%8D%E5%B7%A5%E6%A5%AD#.E5.AE.87.E5.AE.99.E6.A9.9F.E5.99.A8
7月3日14時32分配信 読売新聞
日本の主力ロケット「H2A」の打ち上げ拠点である宇宙航空研究開発機構の「種子島宇宙センター」(鹿児島県南種子町)で、設備の深刻な老朽化が進んでいる。
毎年約10億円をかけて補修しているが、海に面した施設は、塩害で急速に腐食し、対策が追いつかない。H2Aの打ち上げは、2007年に民間移管され、本格的な商業衛星、安全保障用の情報収集衛星などの打ち上げが控えており、施設の老朽化は、わが国の宇宙開発を足元から揺るがしている。
01年に登場したH2A以前は、新技術開発に重点が置かれ、10回足らずの打ち上げで新ロケットと交代された。そのため施設も大幅に改修された。さらに打ち上げる衛星も大半が国の技術衛星で、打ち上げに遅れが生じても影響は少なく、施設の老朽化問題は深刻化していなかった。
宇宙機構やH2Aの製造・打ち上げを担当する三菱重工業によると、最も深刻なのは、ロケット組み立て棟(高さ約80メートル。延べ床面積約4600平方メートル)。さびついて壁に穴があき、雨水や海水が屋内に入り込む。ロケットの電気部品は水に弱いため、点検に時間を取られ、部品交換が必要になることもあるという。穴から鳥やネズミが侵入し、配線をかじる被害も起きているという。巨大な建物のため穴を特定することも難しい。
発射台でも、H2Aに燃料や高圧ガスを送る配管に穴があき、時々ガス漏れが発生。配管を開閉する弁の矢印がさびで見えなくなり、昨年3月には、作業員が弁を逆に回し、試験が6日間延期された。発射台の点検塔のさびがはがれて落下し、ロケットを直撃することもあった。
H2Aは、これまで17回打ち上げられ、最近11回は連続成功し、今後20年間は使うことになっている。来年度には、海外から初の受注となる韓国の衛星の打ち上げも予定されている。
三菱重工技監・技師長の前村孝志さんは「技術者が毎日点検するなど人海戦術でしのいでいる。安定した打ち上げには、ロケットだけではなく、施設も良い状態であることが必要」と話している。
◆種子島宇宙センター=鹿児島県種子島にある日本最大のロケット打ち上げ施設。総面積約970万平方メートル。1969年に開設され、人工衛星打ち上げの中心的役割を担ってきた。青い海岸に面し、「世界一美しいロケット打ち上げ施設」とも言われる。2007年4月以降、打ち上げは宇宙航空研究開発機構から三菱重工業に移管された。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E5%B3%B6%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC
三菱重工業
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7月3日14時32分配信 読売新聞
日本の主力ロケット「H2A」の打ち上げ拠点である宇宙航空研究開発機構の「種子島宇宙センター」(鹿児島県南種子町)で、設備の深刻な老朽化が進んでいる。
毎年約10億円をかけて補修しているが、海に面した施設は、塩害で急速に腐食し、対策が追いつかない。H2Aの打ち上げは、2007年に民間移管され、本格的な商業衛星、安全保障用の情報収集衛星などの打ち上げが控えており、施設の老朽化は、わが国の宇宙開発を足元から揺るがしている。
01年に登場したH2A以前は、新技術開発に重点が置かれ、10回足らずの打ち上げで新ロケットと交代された。そのため施設も大幅に改修された。さらに打ち上げる衛星も大半が国の技術衛星で、打ち上げに遅れが生じても影響は少なく、施設の老朽化問題は深刻化していなかった。
宇宙機構やH2Aの製造・打ち上げを担当する三菱重工業によると、最も深刻なのは、ロケット組み立て棟(高さ約80メートル。延べ床面積約4600平方メートル)。さびついて壁に穴があき、雨水や海水が屋内に入り込む。ロケットの電気部品は水に弱いため、点検に時間を取られ、部品交換が必要になることもあるという。穴から鳥やネズミが侵入し、配線をかじる被害も起きているという。巨大な建物のため穴を特定することも難しい。
発射台でも、H2Aに燃料や高圧ガスを送る配管に穴があき、時々ガス漏れが発生。配管を開閉する弁の矢印がさびで見えなくなり、昨年3月には、作業員が弁を逆に回し、試験が6日間延期された。発射台の点検塔のさびがはがれて落下し、ロケットを直撃することもあった。
H2Aは、これまで17回打ち上げられ、最近11回は連続成功し、今後20年間は使うことになっている。来年度には、海外から初の受注となる韓国の衛星の打ち上げも予定されている。
三菱重工技監・技師長の前村孝志さんは「技術者が毎日点検するなど人海戦術でしのいでいる。安定した打ち上げには、ロケットだけではなく、施設も良い状態であることが必要」と話している。
◆種子島宇宙センター=鹿児島県種子島にある日本最大のロケット打ち上げ施設。総面積約970万平方メートル。1969年に開設され、人工衛星打ち上げの中心的役割を担ってきた。青い海岸に面し、「世界一美しいロケット打ち上げ施設」とも言われる。2007年4月以降、打ち上げは宇宙航空研究開発機構から三菱重工業に移管された。