エリントンの影響を少なからず感じられるセシル・テーラーのレコーディングの日付を眺めていて、短期間に多くのテイクを吹き込み、コンプリート版で出しているのに出会った。同じ曲の変化が面白い。それに比べ、デューク・エリントンがスタジオで製作する大作は、長い時間をかけているようだ。セシル・テーラーよりデューク・エリントンが製作の環境に恵まれていて、スタジオを長期に使用できるということだろうが、その過程たるや、エリントンの気に入るまで収録を繰り返すものと推測している。エリントンの大作も途中経過を公開すれば、セシル・テーラー同様の楽しみ方が出来るかもしれない。だが、エリントンは最終結果だけしか公表は許さないだろう。そんな音楽家だと思っている。70TH. BIRTHDAY CONCERT /
で、このコンサートの構成は、わたしが知る典型的なエリントン・バンドです。2枚組みで〆て1時間35分。エレガントです。
エリントンがニューオリンズに根拠地を置いたことはなかったと思いますが、ジャズ発祥の地という意識は根強いものです。この録音の行われた’70年の頃、ニューオリンズのジャズというは、最前線から遠くはなれた、遺物的なものだったのです。この録音から30年経過し、マルサリスのグループが脚光を浴びているのは、ジャズの先祖帰りと言えるのだろう。
このアルバムで好きな曲は、B面最初の「セコンド・ライン」なのですが、このセコンド・ラインとは、ニューオリンズの伝統的な葬列に、追いかけながら付いて行く子供たちのことなんですね。今まで2度ほど「ニューオリンズの葬列」を投稿しましたので再掲しておきます。
コレクション整理の進行状況→ コレクション一覧
2006/01/07 ものずき烏 記
(参考記事)
2005-05-06 エリントン:マネー・ジャングル
2005-06-26 ピアニストのエリントン:(’50、’53)
2005-06-27 ピアニストのエリントン:(’66、’70、’73)
2006-01-04 ジョニー・ホッジス&デューク・エリントン:(’57、’58、’59)
2006-01-05 エリントン:カーネギー・ホール1952/ブラック、ブラウン & ベージュ
2006-01-06 エリントン:ジャズ・アット・ザ・プラザ/極東組曲
70TH. BIRTHDAY CONCERT /
NEW ORLEANS SUITE: Duke Ellington
"70th Birthday Concert" Solid_State(JPN)LAX-3158 Rockin' In Rhythm / B.P. / Take The "A" Trane / Tootie For Cootie 4:30 Blues / El Gato / Black Butterfly / Thing Ain't What Used To Be / Laying On Mellow Satin Doll / Azure Te (Paris Blues) / In Triplicate / Perdido / Fife Medley / Prelude To A Kiss - I'm Just A Lucky So And So - I Let A Song Go Out Of My Heart - Do Nothin' Til You Hear From Me - Just Squeeze Me - Don't Get Around Much Anymore - Mood Indigo - Sophisticated Lady - Caravan Black Swan / Closing Speech Duke Ellington & His Orchestra 1969エリントン・バンドのオープニングでアメリカ国歌『星条旗』を奏でられて意外と感じてしまった "Concert At Carnegie Hall 1952" から3つ目のコンサート・アルバムのコレクションですが、やはり、カーネギー・ホールと時代の風潮からの例外的な演奏だったのでしょう。制服を着込んだ軍楽隊が、『星条旗』を演奏するなら常のことで、タキシードを着込んだエリントン・バンドが1分39秒とはいえ、国歌を演奏するのは奇異に感じたのでした。
で、このコンサートの構成は、わたしが知る典型的なエリントン・バンドです。2枚組みで〆て1時間35分。エレガントです。
"New Orleans Suite" Atlantic(JPN)P-8086A Blues For New Orleans / Bourbon Street Jingling Jollies / Portrait Of Louis Armstrong / Thanks For The Beautiful Land On The Delta / Portrait Of Wellman Braud Second Line / Portrait Of Sidney Bechet / Aristocracy A La Jean Lafitte / Portrait Of Mahalis Jackson / Duke Ellington & His Oeerchestra 1970エリントン最後の大作『ニューオリンズ組曲』。録音に時間をかけて洗練した結果のみを発表するというエリントンのスタイルに気づかされたアルバムです。でもこれが、わたしのエリントンの最初の蒐集でした。
エリントンがニューオリンズに根拠地を置いたことはなかったと思いますが、ジャズ発祥の地という意識は根強いものです。この録音の行われた’70年の頃、ニューオリンズのジャズというは、最前線から遠くはなれた、遺物的なものだったのです。この録音から30年経過し、マルサリスのグループが脚光を浴びているのは、ジャズの先祖帰りと言えるのだろう。
このアルバムで好きな曲は、B面最初の「セコンド・ライン」なのですが、このセコンド・ラインとは、ニューオリンズの伝統的な葬列に、追いかけながら付いて行く子供たちのことなんですね。今まで2度ほど「ニューオリンズの葬列」を投稿しましたので再掲しておきます。
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2006/01/07 ものずき烏 記
(参考記事)
2005-05-06 エリントン:マネー・ジャングル
2005-06-26 ピアニストのエリントン:(’50、’53)
2005-06-27 ピアニストのエリントン:(’66、’70、’73)
2006-01-04 ジョニー・ホッジス&デューク・エリントン:(’57、’58、’59)
2006-01-05 エリントン:カーネギー・ホール1952/ブラック、ブラウン & ベージュ
2006-01-06 エリントン:ジャズ・アット・ザ・プラザ/極東組曲