ものずき烏の無味乾燥?文

ブログ発想 LP/LD/CD コレクション作業 進行中。ジャズばっかしじゃないかと言われたら身も蓋もない。

ウイントン・マルサリス:ホット・ハウス・フラワーズ/ブラック・コーズ

2005-11-30 | 音楽 の 紹介

HOT HOUSE FLOWERS / BLACK CODES:
Wynton Marsalis

"Hot House Flowers" CBS(USA)FC-39530
Stardust / Lazy Afternoon / For All We Know
When You Wish Upon A Star
Django / Melancholia / Hot House Flowers
I'm Confessin'
Wynton Marsalis (tp) Branford Marsalis (ss,ts)
Kenny Kirkland (p) Jeffrey Watts (ds) Ron Carter (b)
Kent Jordan (fl) and Robert Freedman (cond) Orchestra
1984/05/30 31
 クリフォード・ブラウンの『ウイズ・ストリングス』というアルバムを思い浮かべてしまったのですが...、純真に音楽だけを聴けばいいものを、困ったものですね。でも現代の演奏家の悩みもこの辺にあるような気がします。まじめに演奏すればするほど、過去の誰かの演奏に似てしまう。するとジャズの持っているオリジナリティが希薄になってしまう。古い演奏を知っている観客が居なけりゃいいんでしょうが、どっこい、わたし、まだ生き延びています。

"Black Codes" CBS(USA)FC-40009
Black Codes / For Wee Folks / Delfeayo's Dilemma
Phryzzinian Man / Aural Oasis* / Chambers Of Tain /
Blues
Wynton Marsalis (tp) Branford Marsalis (ss,ts)
Jeff Watt (ds) Charnett Moffett (b) Kenny Kirkland (p)
*Ron Carter (b) 1985/01/11 14
 ジャケット未記載の1曲(5分24秒)がB面の最後に収録されています、レーベルの記述は Blues 。アルバム製作者の単純なミスなんでしょうけど、これが意図的なものだったとしたら好きですね、いいセンスしています。似たようなのでマスター・テープの消し忘れか、転写してしまったものを、カッティングの作業者が判断つかずにそのまま、出しているのも見受けられます。謎めいていて面白い趣向が考えられますね。
 アルバムの中身は、モード・ジャズですね。必然的にマイルス・デイヴィスが想起してしまいますが、止めておきましょう。時代は30年くらい進んでいる筈ですからね。このマルサリスのスタイルですが新伝統継承派と呼ぶんですか? あまり突飛なことやらかすと客がついてきませんから、妥当な路線じゃないですかね。

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2005/11/30 ものずき烏
(参考)
2005-11-29 マルサリス/フリーマン:ファーザーズ・アンド・サンズ

マルサリス/フリーマン:ファーザーズ・アンド・サンズ

2005-11-29 | 音楽 の 紹介

FATHERS AND SONS: Marsalis / Freeman

 どうも厭らしいアルバムです。親子の愛情なんていうものは表に出すべきものではありません。無宗教のわたしが言うのもなんですが、お釈迦様だって肉親の愛情というものは修行の妨げになるんで、棄てたのです。息子がいるので子煩悩ということになるが、息子がいないときは娘婿煩悩となって、傍から顰蹙を買う。これは依怙といって、仏教では、諸悪の根源のになると説いているんです。ファミリー・ビジネスと捉えても、参議院議長を経て知事になった親父が権力を利用して、娘の会社に利権を流したなどという不正が想起される。これは仏教でも儒教でも、人倫に劣ることなのだ。...これは、わたしの社会経験上から言っているのである。音楽を聴くのには、こんな血縁関係などという、依怙を想起するタイトルなどは付けるべきではない、いらぬことは考えずに音楽に浸りたいものである。付き合っている他人が気の毒です。

"Fathers And Sons" CBS(USA)FC-37972
Twelve's It / A Joy Forever
Nostalgio Impressions / Futuristio
Lush Life
Ellis Marsalis (p) Wynton Marsalis (tp)
Branford Marsalis (ts) Charles Fambrough (b)
James Black (ds)
Jug Ain't Gone / Time Marches On
I Can't Get Started / Tribute To Our Fathers
Von Freeman, Chico Freeman (ts) Cecil McBee (b)
Jack DeJohnette (ds) Kenny Barron (p)
1982
 A面がマルサリス親子、B面がフリーマン親子で、それぞれ、あかの他人が脇を固めています。
 こういった親子共演というのをアメリカでは喜ぶのでしょうか?
わたしは東洋的だと思います。スハルト政権、マルコス政権、キム王朝と、非民主的な政権はアジア、東洋的な退廃だと思うのですが...、
「親孝行。したいときには、親はなし」というのが率直なところですかね。

 と、優等生のマルサリスに、いちゃもんをつけておいて、明日から枚数が少ない割りに収録時間の長い、マルサリス教授のCBSのアルバムを投稿します。当時は大好きだったのに、あまりの優等生ぶりに、劣等感が芽生えはじめてしまったのです。

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2005/11/29 ものずき烏
(参考)

スタン・ゲッツ:(’77~’79)

2005-11-28 | 音楽 の 紹介

LIVE AT MONTMARTRE / ANOTHER WORLD /
CHILDREN OF THE WORLD: Stan Getz

"Live At Montmartre" Steeple_Chase(DMK)SCS-1073/1074
Morning Star / Lady Sings The Blues
Canqao Do Dol / Lush Life / Stan's Blues
Infant Eyes / Lester Left Town
Eiderdown / Blues For Dorte
Stan Getz (ts) Joanne Brackeen (p,el.p)
Niels-Henning Orsted Perdersen (b) Billy Hart (ds)
1977/01/30
 2枚組みの典型的なスタン・ゲッツのライブです。80分強の収録時間で、お得な気分になったのですが、この80分を長いと感じるときは聴いている人が多忙な時でしょう。
典型的なスタン・ゲッツと書いてしまったのですが、ワンホーンという意味です。ウディ・ハーマンのバンド時代を含めて複数のホーン奏者と演奏しているものがあるのですが、わたしの場合このアルバムを繰り返し聴いたせいでしょう、これがスタン・ゲッツのイメージとして出来上がっています。
ペデルセンはいつもながらの好演です。個人的にはジョアン・ブラッキーンが気になりますね、このピアニストはアート・ブレーキーがジャズ・メッセンジャーズの一員として初来日させていますが、このときのコンサートが、わたしのジャズ・コンサート初見でした。

"Another World" CBS(USA)JC-35513
Pretty City / Keep Dreaming
Sabra / Anna / Another World
Sum Sum / Willow Weep For Me
Blue Serge / Brave Little Pernille
Club 7 And Other Wild Places
Stan Getz (ts,didital delay Moog echoplex)
Andy Laverne (p,el.p) Mike Richmond (b,el.b)
Billy Hart (ds) Efrain Toro (perc)
1978
 前掲のライブで電気楽器の使用はマイクロフォン以外でジョアン・ブラッキーンのエレクトリック・ピアノだけだったのですが、これはドラムを除くすべてがエフェクトとして多用されている曲が含まれます。あくまでもエフェクトとして使うのがゲッツの誇りのような気がします。シンセサイザーの効果音が動き回り、タイトルの通り、アナザー・ワールドへ迷い込みます。こんな効果音でアナザー・ワールドへ引き込む曲もあるし、生楽器の音色でゲッツの歌もの世界へ誘う曲もあるという、盛りだくさんなアルバムですね。
エフェクトがびんびんなのは、Keep DreamingAnother World で、聴く者が耳鳴りしていると勘違いして病院へ駆け込みそうです。モバイルやドライブ中はお控え下さい。

"Children Of The World" CBS(USA)JC-35992
From "Evita" (Based On The Life Story Of Eva Peron)
  Don't Cry Fir Me Argentina
Children Of The World / Livin' It Up
Street Tattoo / Hopscotch / On Rainy Afternoons
You, Me And The Spring / Summer Poem
The Dreamer / Around The Day In Eighty Worlds
Stan Getz (ts,echo plex) Andy LaVerne (p,el.p)
Lalo Schifrin (p) Mike Lang, Clark Spangler (syn) 
Sonny Burke (syn) Abe Laboriel (el.b) 
Stanley Clarke (el.b) Victor Jones (ds)
Joe Porcaco (perc) Steve Foreman, Bob Zemmitti (perc)
1979
 シンセサイザーの使用台数が多いと、交響楽的な音色になるんですね。このアルバムの入手は、ご多分に漏れずジャケットだったのでしょう。べつに子供向けに限定される音楽ではありませんが、渋好みとは言えません。シンセサイザーなどの電気楽器が多くて何人が演奏に加わっているのか判別つきませんが、ゲッツのワンマン・バンドと言えるのではないでしょうか。ラロ・シフリン(p)が入っているようですが、わたしが疎いようでわかりません。ゲッツの独壇場じゃないですかね。
1枚のLPで1時間近い収録です。このころのCBSはCDでの発売を前提にLPの限界に挑戦していたようなLPのカッティングです。

(投稿済みのスタン・ゲッツ)




 好きなテナー・サックスの音色なのですが、結果として6組のアルバムしか持っていなかったスタン・ゲッツです。ゲッツを聴きだしたのはボサノバからだったのですが、けだるさだけのボサノバは処分しています。残るのは、ウディ・ハーマンとエリントンのコンサートにおけるスタン・ゲッツですね。

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2005/11/28 ものずき烏

マッコイ・タイナー:(’87~’88)

2005-11-27 | 音楽 の 紹介

BON VOYAGE: McCoy Tyner /
BLUES FOR COLTRANE /
REVELATIONS: McCoy Tyner

"Bon Voyage" Timeless(NTL)SJP-260
Bon Voyage - Don't Blame Me / Summertime
You Stepped Out Of A Dream
Jazz Walk / How Deep Is The Ocean / Blues For Max
McCoy Tyner (p) Avery Sharpe (b) Louis Hayes (ds)
1987/06/09
 このアルバムは、"Summertime" というタイトル名でも出回っているようです。ベーシストが、エイヴリー・シャープ(Avery Sharpe )という自前で、ドラムが客演というピアノ・トリオです。若い頃の怒涛のピアノは影を潜めたものの、ピアノの共鳴(箱鳴り)を効果的に使う奏法は健在ですね。
このエイヴリー・シャープも、よく歌うベースですね。ジミー・ギャリソン以来のマッコイ・タイナーの好みなのでしょう。
"Enlightenment (1973)" で最後を飾ったウォーキング・リズムの曲は、Jazz Walk として定着したんですね。
まあ、マッコイ・タイナーの円熟と評しておきましょう。

"Blues For Coltrane" Impulse(USA)42122
Bluesin' For John C. / Naima / The Promiss
Pharoah Sanders (ts) McCoy Tyner (p) 
Cecil McBee (b) Roy Haynes (ds)
Lazy Bird
McCoy Tyner (p) Cecil McBee (b) Roy Haynes (ds)
I Want To Talk About You / Last Of The Hipman
David Murray (ts) McCoy Tyner (p)
Cecil McBee (b) Roy Haynes (ds)
1987/07/09
 このアルバム・ジャケットに使われているコルトレーンの写真が、因縁深いのです。この写真はこのアルバムが出る前から知っているのです。フルートでの吹き込みがなかったコルトレーンが持っているのが、エリック・ドルフィーの遺品だというのです。ドルフィーは旅先で亡くなっていると思うのですが、親交の深かったコルトレーンにドルフィーのフルートだけが届けられたことになります。アルト・サックスとバス・クラリネットはどこへ行ったのでしょう...。この話、うまくまとめると、『今昔物語』のような説話文学になると思うのですが、誰か書いて見ませんか。
さて、このアルバムは誰の分類にしたら妥当なのでしょうか、
(1)コルトレーン、(2)ファラオ・サンダース、(3)デヴィッド・マレイ、(4)マッコイ・タイナー、(5)セシル・マクヴィー、(6)ロイ・ヘインズ
わたしは、Variousとしました。便宜的に全曲に参加しているリズム・セクションのピアノ奏者であるマッコイ・タイナーで投稿しています。

"Revelations" Blue_Note(USA)B1-91651
Yesterdays / You Taught My Heart To Sing
In A Mellow Tone / View From The Hill / Lazybird
Don't Blame Me / Rio / How Deep Is The Ocean
Someone To Watch Over Me / Contemplation
McCoy Tyner (p)
1988/10/25-27
 "Echo Of A Friend (1972)" のソロ・アルバムでは、コルトレーンの喪に服さなければならないと言うような押し付けと脅迫観念のなかでの吹き込みだったと思えるのですが、このソロ・アルバムは、押し付けも脅迫観念もありません、スタンダードというと、これまたキース・ジャレットが想起されるのですが、スタンダードではなくて、トラディショナルと言っておきましょう。そんな楽曲を伸び伸びと演奏しています。編曲はマッコイ・タイナーですから、原曲の面影は他のピアニストに比べれば薄くなります。


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2005/11/27 ものずき烏
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)
2005-11-22 マッコイ・タイナー:(’72)
2005-11-23 マッコイ・タイナー:(’73)
2005-11-24 マッコイ・タイナー:(’74)
2005-11-25 マッコイ・タイナー:(’75~’78)
2995-11-26 マッコイ・タイナー:(’82~’85)

マッコイ・タイナー:(’82~’85)

2005-11-26 | 音楽 の 紹介

LOOKING OUT / IT'S ABOUT TIME: McCoy Tyner

"Looking Out" CBS(USA)FC-38053
Love Surround Us Everywhere / Hannibal /
I'll Be Around #
Senor Carlos / In Search Of My Heart /
Island Birdie
McCoy Tyner (p) Carlos Santana (g) Buddy Williams (ds)
Gary Bartz (as) Gerry Gonzalez (perc) Phyllis Hyman (vo)
#)
McCoy Tyner (p,syn.) Stanley Clarke (b) 
Charles Johnson (g) Denzil Miller (syn.) 
Ndugu Chancler (ds) Phyllis Hyman (vo)
1982
 マッコイ・タイナーのアルバムを買ったはずなのに、カルロス・サンタナのギターが聞こえるのは、一種の詐欺ではなかろうか。いっくらサンタナがマハビシュヌと「至上の愛」を吹き込んでいてもねぇ。まがいもんと認知していたのですが、このアルバムはマッコイ・タイナー自身のプロデュースなんですね。ジャズは儲からんから、歌まで入っているポップスの路線ということのようです。結局、このアルバムはあんまり売れなかったんじゃないですかね。わたしは、このあたりでマッコイ・タイナーの新譜を追いかけるのを止めてしまいました。
このアルバムですが、マッコイ・タイナーのピアノが入っているカルロス・サンタナのアルバムとして聴いて居ればいいのですが...、マッコイ・タイナーのアルバムとしたら軽薄すぎる駄作と思いますが...、歴史を評価することは出来ません。得られるのは、教訓のみ。

"It's About Time" Blue_Note(CBS)BT-85102
Spur Of The Moment /
McCoy Tyner (p) Jackie McLean (as)
Ron Carter (b) Al Foster (ds) Jon Faddis (tp)
You Taught My Heart / It's About Time
McCoy Tyner (p) Jackie McLean (as)
Marcus Miller (b) Al Foster (ds) Steve Thornton (perc)
Hip-Toe /
McCoy Tyner (p) Jackie McLean (as)
Ron Carter (b) Al Foster (ds) Jon Faddis (tp)
No Flowers Please /
McCoy Tyner (p) Ron Carter (b) Al Foster (ds)
Travelin'
McCoy Tyner (p) Marcus Miller (b) Al Foster (ds)
Steve Thornton (perc)
1985/04/06 07
 ブルー・ノート・レーベル設立50周年ということで一気に活気付き、かつてのブルー・ノートで吹き込みした演奏家を根こそぎ集めた感じがあったのですが、このマクリーンとの組み合わせは、ブルー・ノートでありそうにみえてなかった組み合わせなのです。
ブルー・ノート設立50周年のコンサート・ライブがLDで出てました。わたしはそれが欲しくてLDプレーヤーを求めたのですが、そのLDでマクリーンとマッコイ・タイナーの顔合わせを見て、1~2曲で物足りなくなっていたのですが、後で出たこのアルバムが、この組み合わせの全貌なのでしょう。なんか同窓会みたいで、マッコイ・タイナーの怒涛のピアノが、もう聴けなくなったように思いますね。マッコイ・タイナーのピアノは別の聴き方をしなければ、楽しめなくなったのでしょう。演奏家の変化に対応する柔軟性も、ファンには必要なようです。


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2005/11/26 ものずき烏
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)
2005-11-22 マッコイ・タイナー:(’72)
2005-11-23 マッコイ・タイナー:(’73)
2005-11-24 マッコイ・タイナー:(’74)
2005-11-25 マッコイ・タイナー:(’75~’78)

マッコイ・タイナー:(’75~’78)

2005-11-25 | 音楽 の 紹介

TRIDENT / SUPERTRIO / PASSION DANCE:
McCoy Tyner

"Trident" Milestone(USA)M-9063
Celestial Chant / Once Loved / Elvin (Sir) Jones
Land Of The Lonely / Impressions / Ruby, My Dear
McCoy Tyner (p,harpsichord)
Ron Carter (b) Elvin Jones (ds)
1975/02/18-19
 マッコイ・タイナーは一般的なピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成では物足りないと、数日前に投稿したのですが、この時期のアルバムは、その一般的なピアノ・トリオなのです。
このアルバムでは、そんなファンの不安を打ち消すようにハープシコードがマッコイ・タイナーによって管楽器の代役で使われる。なによりもエルヴィン・ジョーンズがドラマーですから、コルトレーンの霊降ろしは準備完了。「インプレッション」ではコルトレーンがマッコイ・タイナーの手に憑依します。念のために、これはジャズ音楽であってホラーではありません。だいたいがコルトレーン・カルテットを知らない人には通じることのないマイナーな例え話ですが...。

 ジャズ・ピアニストの手慰みとしてチェンバロ(=ハープシコード)、クラビコードのピアノのご先祖様を持ち出すか、はたまた遠い親戚のエレピーを持ち出すか...、今まで投稿した範囲では、ジョン・ルイス、キース・ジャレット、マッコイ・タイナーが前者。ビル・エバンスが後者。この辺になんか面白いテーマありますかね...。

"Supertrio" Milestone(USA)M-55003
Wave / Blues On The Corner / I Mean You
The Greeting / Prelude To A Kiss / Moment's Notice
McCoy Tyner (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)
1977/04/09-10
Hymn-Song / Consensus / Four By Five
Stella By Starlight / Lush Life / Bluse For Ball
McCoy Tyner (p) Eddie Gomez (b) Jack DeJohnette (ds)
1977/04/11-12
 プロデューサーであるオリン・キープニューズの欲望でしょう。マッコイ・タイナーにもっと売り上げを求めたような、二組の典型的ピアノ・トリオです。
ロン・カーター、トニー・ウイリアムスとくればハンク・ジョーンズ。エディ・ゴメス、ジャック・デジョネットとくればビル・エバンスが思い浮かぶ状況だったのですが...、
このアルバムを聴いた時期は、ヘッド・フォンで聴くのが普通といった昨今の状況とは違っていましたので、わたしは、多少は部屋の外に音が洩れても顰蹙を買わないジャズを意図的に選択していたと思います。そうなるとピアノ・トリオにならざるをえない。こんな状況を考えるとこのマッコイ・タイナーのピアノ・トリオは便利でしたね。
欠点としてはビル・エバンスに比して喧し過ぎることですが、マッコイ・タイナーのファンとしては中途半端なんです。もちろんトニー・ウイリアムスやジャック・デジョネットを聴くにはお奨めです。

"Passion Dance" Milestone(USA)M-9091
Moment's Notice / Passion Dance *
Search For Peace * / The Promise *
Song Of The New World
McCoy Tyner (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)
*)piano solo
1978/07/28 Live Under The Sky
 ライブ・アンダー・ザ・スカイというジャズ・フェスが田園コロシアムというテニス・コートで開かれていた時分のライブ録音です。オリジナルは日本盤だと思うのですが、これは安価な輸入盤でジャケットの絵柄が江戸時代の任侠風。
始めと終わりの曲がトリオで、中心部がピアノ・ソロという前掲アルバムの延長線上にあると聴くのですが、屋外ライブでのピアノ・ソロとして聴くには「パッション・ダンス」が強烈で、ご近所住宅地のジャズ嫌いの住民は、何事かと関係機関に通報したのではないかと思います。この「パッション・ダンス」はジャケットの任侠風とあいまって森の石松の立ち回り。これでは読売ランドに追放されるはずですね。そして、いつのまにかバブルがはじけると同じ頃、ライブ・アンダー・ザ・スカイも消滅しました。

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2005/11/25 ものずき烏
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)
2005-11-22 マッコイ・タイナー:(’72)
2005-11-23 マッコイ・タイナー:(’73)
2005-11-24 マッコイ・タイナー:(’74)

マッコイ・タイナー:(’74)

2005-11-24 | 音楽 の 紹介

SAMA LAYUCA / ATLANTIS: McCoy Tyner

"Sama Layuca" Milestone(JPN)SMJ-6065
Sama Layuca / Above The Rainbow / La Cubana
Desert Cry / Paradox
McCoy Tyner (p) Bobby Hutcherson (vib) Gary Bartz (as)
Azar Lawrence (ss,ts) John Stubblefield (oboe,fl)
Buster Williams (b) Billy Hart (ds) Mtume (conga,perc)
Guillermi Franco (perc)
1974/03/26-28
 このグループのベース奏者が気になっています。前後のアルバムはジュニ・ブースなのですが、バスター・ウイリアムスが弾いています。ジュニ・ブースよりは強力といえるのでしょうが、面白みがありませんね。ボビー・ハッチャーソンとゲイリー・バーツはブルー・ノート時代からの顔ぶれですので、一声かければ直ぐに協力してもらえそうです。
 アメリカにおけるメキシコとかカリブの位置づけは、フランスにおけるスペインとか地中海の雰囲気があるのではと、ひとり勝手に思い込んでいるのですが、このアルバムはマッコイ・タイナーの紀行文のようなものでしょう。

"Atlantis" Milestone(JPN)SMJ-9503/9504
Atlantis / In A Sentimental Mood * / Makin' Out
My One And Only Love / Pursuit / Love Samba
McCoy Tyner (p) Azar Lawrence (ss、ts) Jonny Booth (b)
Wilby Fletcher (ds) Guillerme Franco (perc)
*)piano solo
1974/08/31 09/01 Keystone Korner, San Francisco
 ほぼ一年前のモントゥルーのライブ(Enlightenment )と比べてしまうのですが、わたしとしてはこっちのほうが好きですね。モントゥルーがライブ優先で曲が二面にまたがっているせいもあるのですが、ライブ会場が狭いという、距離感が感じられて好きなのです。
全般的なマッコイ・タイナーのアルバム・ジャケットの傾向としては洗練さが欠けていると思っているのですが、このアルバムのジャケットの着想はすばらしいと思いますよ、ギリシヤのパルテノン宮殿はさておき、波の表現ですよ、マッコイ・タイナーの音楽を表現するには、この波ですね、漣(さざなみ)なんかじゃなくて、怒涛(どとう)の波です。


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2005/11/24 ものずき烏
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)
2005-11-22 マッコイ・タイナー:(’72)
2005-11-23 マッコイ・タイナー:(’73)

マッコイ・タイナー:(’73)

2005-11-23 | 音楽 の 紹介

SONG OF THE NEW WORLD /
ENLIGHTENMENT: McCoy Tyner

"Song Of The New World" Milestone(JPN)SMJ-6018
Afro Blue / Little Brother
The Divine Love / Some Day / Song Of The New World
McCoy Tyner (p) 
Virgil Jones, Cecil Bridgewater, John Faddis (tp)
Garnett Brown, Dick Griffin (tb) Kiani Zawadi (euphonium)
Julius Watkins, Willie Ruff, Hubert Laws (piccolo,fl)
Sonny Fortune (ss,as,fl) Bob Stewart (tuba) 
Alphonze Mouzon (ds) Sonny Morgan (conga)
1973/04/09
 コルトレーンが『アフリカ・ブラス』で試みた、ブラス・アンサンブルの再現とみたアルバムです。コルトレーンも持ち歌としたモンゴ・サンタマリアの「アフロ・ブルー」が採り上げられているのが、その根拠なのですが...、
ビッグ・バンドがジャズの理想とする一形態であるのは判りますが、継続して運営するのは至難の業なのでしょう、でも一度は自分の考えで演奏してみたい。マッコイ・タイナーの試みが、このアルバムです。

それにしてもアメリカは、コロンブス以来ずうっと新世界だね。アメリカに住んでいる人も、未だに新世界と思っているのかしら、だとすれば、自分の国が世界の中心だとする中華主義と似たようなもので、ひとりよがりというものだよ。とジャケットの北米大陸を眺めて思った。

"Enlightenment" Milestone(USA)M-55001
Presenting
Enlightenment
  Genesis / The Offering / Inner Glimpse
Presence / Nebula
Walk Spirit, Talk Spirit
McCoy Tyner (p) Azar Lawrence (ss,ts)
Joony Booth (b) Alphonze Mouzon (ds)
1973/07/07 Montreux
 この時点でのジャズ・シーンを席巻していたマッコイ・タイナーのコンボです。このジュニ・ブースというベース奏者ですが音程があまり良くないと思うのですが、コルトレーン・グループのジミー・ギャリソンと同じような扱いですね。抜群に上手くはないベース奏者を、旨く使うのが、このコンボの面白いところではないかと思っています。
このLPは輸入盤で、オート・チェンジャー向けにSide1/Side4、Side2/Side3とカッティングされています。このカッティングがされているものは、アルバム全体で聴かせようとしているものが多いようで、順番を間違えると、(感性の)リセットに苦労します。日本盤で、このカッティングをしているものはないと思いますので、輸入盤(特にアメリカ)の重要なチェック・ポイントとなっています。

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2005/11/23 ものずき烏
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)
2005-11-22 マッコイ・タイナー:(’72)

マッコイ・タイナー:(’72)

2005-11-22 | 音楽 の 紹介

SAHARA / SONG FOR MY LADY /
ECHOES OF A FRIEND: McCoy Tyner

"Sahara" Milestone(JPN)SMJX-10141
Ebony Queen / A Prayer For My Family /
Valley Of Life / Rebirth
Sahara
McCoy Tyner (p) Sonny Fortune (ss,as,fl)
Calvin Hill (b) Alphonze Mouzon (ds)
1972/01
 マッコイ・タイナーはコルトレーン・カルテットの黒幕(フィクサー)的存在だったと、今でも感じているのです。ピアノという持ち運びのしない楽器の担当だということもあるのですが、ピアニストのツアーは他のメンバーに比べて余裕があります。そこで皆がエッチラ、オッチラ楽器を運ぶのを眺めながら、次の演奏での趣向を考える訳です。この論理でいくとコルトレーンも余裕のある方だったことになりますね。
 ジャズ・ピアノの系統でマッコイ・タイナーをとらえると、ビル・エバンスと同じくらいの位置づけなんですが、ピアノ、ベース、ドラムという枠で考えるとしっくりこないピアニストです。コルトレーンの印象がつきまとうのも事実ですが、左手で打ち出すコードが強烈です。調律の悪いピアノを弾きこなすには最適な奏法だとは思いますが、エバンスの持つ繊細さが不足しています。ピアノ、ベース、ドラムに管楽器を付け加えて、一番しっくりするピアニストだと思います。

"Song For My Lady" Milestone(JPN)SMJ-6001
Native Song / The Night Has A Thousand Eyes
Song For My Lady / A Silent Tear / Essence
McCoy Tyner (p) Sonny Fortune (ss,as,fl)
Charles Tolliver (flh) Michael White (violin)
Calvin Hill (b) Alphones Mouzon (ds) Mtume (conga,perc)
1972/09/06 11/27
 ソニー・フォーチューンはマイルス・デイヴィスへ譲り渡し、エイゾー・ローレンスをエルヴィン・ジョーンズから借り受けることになるのですが、ソニー・フォーチューンは、このアルバムまでですかね。ソニー・フォーチューンはフルートの名手です...、
コルトレーンがフルートを手に持っている写真はあるのに、フルートで演奏していない。手に持っているフルートはエリック・ドルフィーの遺品だという、まことしやかな話があるのですが、どなたかドラマでも制作したら面白そうです。
 このアルバムは『サハラ』よりメンバーでは増強されています。ヴァイオリンが管楽器と同じように使われています。「夜は千の目をもつ」はスタンダード・ナンバーなのですが、マッコイ・タイナーでは原曲の面影を期待するのは無理ですね。オリジナルとして楽しんでください。

"Echoes Of A Friend" Victor(JPN)SMJ-6009
Naima / Promise / My Favorite Things
The Discovery / Folks
McCoy Tyner (p)
1972/11/11
 どうしてもコルトレーンと結び付けたい、日本企画のソロ・アルバムです。
青森は下北半島、恐山のイタコにマッコイ・タイナーをあてはめて、どっぷりとその世界へ浸かって見ましょう、コルトレーンが語り出します。
この時点でマッコイ・タイナーの初のソロ・アルバムとなるのでしょうか、わたしは、そんな器用なピアニストとは思っていなかったのですが、十数年後、再びソロ・アルバムの吹き込みがあります。

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2005/11/22 ものずき烏
(参考)
2005-04-24 REUNITED: Elvin Jones - McCoy Tyner Quintet
2005-06-04 マッコイ・タイナー:(’63、’64)
2005-08-04 ステファン・グラッペリ(ジャズ・ヴァイオリン)
2005-11-21 マッコイ・タイナー:(’67~’70)

マッコイ・タイナー:(’67~’70)

2005-11-21 | 音楽 の 紹介

THE REAL McCOY / TIME FOR TINER / COSMOS:
McCoy Tyner

"The Real McCoy" Blue_Note(USA)BST-84264
Passion Dance / Contemplation
Four By Five / Search For Peace
Blues On The Corner
Joe Henderson (ts) McCoy Tyner (p)
Ron Carter (b) Elvin Jones (ds)
1967
 このアルバムの Windows Media Player での扱いがおかしいぞ!
マッコイ・タイナーのリーダー作なのにジョー・ヘンダーソンのアルバムになってしまう。わたしはLPをオンキョーのCarryOn( SL-U55X )でパソコンに取り入れている。そして Media Player で聴いている。そうしたらライブラリーにジョー・ヘンダーソンで管理されてしまう。マイクロソフトが小さな親切で情報を付加しているようであるが、...小さな親切、大きなお世話とはこの事である。いつの間にジョー・ヘンダーソンのアルバムになったんだ。

"Time For Tyner" Blue_Note(USA)BST-84307
African Village / Little Madimba
May Street / I Didn't Know What Time It Was
The Surrey With The Fringe On Top
I've Grown Accustomed To Here Face
Bobby Hutcherson (vib) McCoy Tyner (p)
Herbie Lewis (b) Freddie Waits (ds)
1968/05/17
 飾りのついた四輪馬車というのは、もっと優雅に走るものかとおもっていたら、速い速い、でも絶対こけない。そんなに急いでどこへ行くのという気もするが、時代感覚なんでしょう。

"Cosmos" Blue_Note(USA)BN-LA460-H2
Song For My Lady / Cosmos /
Shaken, But Not Forsaken
McCoy Tyner (p) Herbie Lewis (b) Freddie Waits (ds)
Harold Vick (ss) Al Gibbons (reed)
1969/04/04
Vibration Blues
McCoy Tyner (p) Herbie Lewis (b) Freddie Waits (ds)
1969/04/04
Forbidden Land
McCoy Tyner (p) Herbie Lewis (b) Freddie Waits (ds)
Gary Bartz (ss,as) Hubert Laws (fl) Andrew White
1970/07/21
Planet X
McCoy Tyner (p) Herbie Lewis (b) Freddie Waits (ds)
1969/04/04
Asian Lullaby / Hope
McCoy Tyner (p) Herbie Lewis (b) Freddie Waits (ds)
Gary Bartz (ss,as) Hubert Laws (fl) Andrew White
1970/07/21
 ブルー・ノート・レーベルに活気がなくなった頃このシリーズが出たんですね。20セットくらい出ていたと思いますが多くは再発売でした。マッコイ・タイナーのこのアルバムは再発ではなくお蔵入りの分です。マッコイのアルバムは既にマイルストーン・レーベルで出るのが一般でした。ですからこのアルバムの収録はセンセーショナルとなった『サハラ』の直前となります。
 『サハラ』と聴き比べると、ドン臭さがありますので、『サハラ』の成功は、プロデューサーであるオリン・キープニューズの功績が大きいと感じました。


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2005/11/21 ものずき烏
(参考)マッコイ・タイナーの既投稿分



デクスター・ゴードン:ブローズ・ホット・アンド・クール/アワー・マン・イン・パリ

2005-11-20 | 音楽 の 紹介

DEXTER BLOWS HOT AND COOL /
OUR MAN IN PARIS: Dexter Gordon

"Dexter Blows Hot And Cool" Bop(ENG)6
Silver Plated / Cry Me A River / Rhythm Mad
Don't Worry About Me / I Hear Music
Bonna Rue / I Should Care / Blowin' For Dootsie
Tenderly
Dexter Gordon (ts) Carl Perkins (p) Jimmy Robinson (tp)
Chuck Thompson (ds) Leroy Vinnegar (b)
1955
 映画の『ラウンド・ミッドナイト』で、デクスター・ゴードンというテナー奏者に興味を持ち、このアルバムは新譜だと思って入手したのですが、聴いてみると古臭いジャズでした。クレジットをみると1955年の録音です。まっとうな値段してましたので、てっきり新譜だと勘違いしたのですが、品数が少ないから高かったのでしょう。いわゆる幻の名盤の復刻ですね。古臭い味のある演奏で音質も良好。
 ブログからの発想で、コレクションの整理をしてるんですが、わたしのコレクションは、アルト・サックスのアルバムに比べてテナー・サックスのアルバムが、いやに少ないではないかと気がつきました。この自己分析はおいおいやってみるつもりですが、少ないテナーのアルバムで、このLPは"優"のアルバムですね。

"Our Man In Paris" Blue_Note(USA)BST-84146
Scrapple From The Apple / Willow Weep For Me
Broadway / Stairway To The Stars
A Night In Tunisia
Dexter Gordon (ts) Bud Powell (p)
Pierre Michelot (b) Kenny Clarke (ds)
1963
 これも、『ラウンド・ミッドナイト』以降の入手。かつてのジャズ喫茶の人気盤らしいのですが。わたしは、ただ安かったくらいの理由で入手しました。バッド・パウエルのトリオに、デクスター・ゴードンが客演する形です。これバッド・パウエルの怪しい箇所があると聴くファンもいるようですが、わたしの耳は不器用でしてパウエルの奏法までは診断できませんで、デクスター・ゴードンの豪快ともいえるブローに聴き惚れるばかりです。
デクスター・ゴードンのブローにも怪しい箇所があると思いますが、持ち味なんでしょう。バッド・パウエルのピアノに意識を集中すると、確かに怪しいね。
『ラウンド・ミッドナイト』の2枚のサントラ



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2005/11/20 ものずき烏

キース・ジャレット:(’89~’91)

2005-11-19 | 音楽 の 紹介

TRIBUTE / BYE BYE BLACKBIRD:
Keith Jarrett

"Tribute" ECM(GRM)1420/1421
Lover Man (Lee Konitz) / 
I Hear A Rhapsody (Jim Hall) /
Little Girl Blue (Nancy Wilson)
Solar (Bill Evans) / Sun Prayer
Just In Time (Charlie Parker) /
Smoke Gets In Your Eyes (Coleman Hawkins)
Ballad Of The Sad Young Men (Anita O'Day) /
All The Things You Are (Sonny Rollins) /
It's Easy To Remember (John Coltrane)
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
1989/10/15 Phillharmonie Koln
 スタンダード・ナンバーを演奏するということは、既知の楽曲がどのように編曲されるかを楽しめるのですが、必然的に奏者も、聴く者もマンネリに落ち込みます。このマンネリに美学を感じるか、抜け出す手法を編み出すか...、
 このグループの場合は、キース・ジャレットの体調不良もあって、演奏の機会が極端に減ってしまったのですが、スタンダードと銘を打ったこのトリオのデビュー・アルバムの新鮮さや衝撃が先細りであったことは感じ取れましたので、結果的に良かったのかも知れません。

"Bye Bye Blackbird" ECM(GRM)1467
Bye Bye Blackbird / You Won't Forget Me
Butch And Butch / Summer Night / For Miles
Straight No Chaser / I Thought About You
Blackbird、 Bye Bye
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnrtte (ds)
1991/10/12
 これは、キース・ジャレットのコレクションで唯一のCDですが、あまり聴いていません。理由としてはLPプレーヤーの動作が安定しているのに比べて、CDプレーヤーは直ぐに壊れてしまうことにあると考えています。LPレコード時代の音楽ファンは聴くために再生の原理や電気回路まで興味を伸ばしていたのです。いつの頃からか、家電の製品から回路図が消えてしまい、部品の入手も困難になってしまったのです、真のエコロジーとは乖離している、経済優先の企業内の依怙(えこ)論理です。
 このアルバムは、この年になくなったマイルス・デイヴィスへの追悼ですね。キース・ジャレットがマイルス・グループへ参加したのは電化ロックのマイルスの時代だったのですが、追悼ということになると、ずっと時代は遡るようです。


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2005/11/19 ものずき烏
(参考)
2005/11/14 キース・ジャレット:(’70~’72)
2005/11/15 キース・ジャレット:(’73~’76)
2005/11/16 キース・ジャレット:(’77~’83)
2005/11/17 キース・ジャレット:(’85~’86)
2005/11/18 キース・ジャレット:(’87)

キース・ジャレット:(’87)

2005-11-18 | 音楽 の 紹介

BOOK OF WAYS / DARK INTERVALS /
CHANGELESS: Keith Jarrett

"Book Of Ways" The Feeling Of Strings ECM(GRM)831_396-1
Vol.1 Book Of Ways 1 / 2 / 3 / 4 / 5
      Book Of Ways 6 / 7 / 8 / 9 / 10
Vol.2 Book Of Ways 11 / 12 / 13 / 14 
      Book Of Ways 15 / 16 / 17 / 18 / 19
Keith Jarrett (clavichord)
1987
 わたし、クラビコードってどんな形しているか知らないのですが、音域はギターと同じくらいですかね。チェンバロの音色とも似ています。ピアノはスチールの弦を叩いて音を出すのですが、これは弦をかきむしって音をだしているのでしょう。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという弦楽器の種族とは違うようです。音色がギターと似てますので、そんなに図体はおおきくはなさそうです。クラビコードについて少し調べたいとおもいますが、その前に、
このアルバムは、始めて全部聴きました。入手した直後は、正直スタンダード・トリオのキース・ジャレットを期待していましたので4面あるうちの1面だけ聴いて、失望し仕舞い込んで今日に至っていたのでした。ひとりの音楽家に、身勝手にわたしの好みだけを要求するのはお門違いだったのですが、これもキース・ジャレットの一面として受け入れるべきでしょう。この音楽は、バロック要素もあるし、スペイン風でもあるし、民族音楽的でもある。ジャズの枠は取っ払って聴くべきでしょう。
クラビコードはピアノの前身チェンバロのそのまた前身にあたる鍵盤楽器だそうです。ピアノが弦をハンマーで叩き音を出しているのは、鍵盤楽器としては画期的な進歩だったようですね。

"Dark Intervals" ECM(GRM)837_342-1
Opening / Hymn / Americana / Entrance
Parallels / Fire Dance / Ritual Prayer / Recitative
Keith Jarrett (p)
1987/04/11 Suntory Hall, Tokyo
 いやぁー、暗い。タイトルの暗示したとおりの音楽です。クラシックの殿堂となっている箱(サントリー・ホール)が、影響しているのか、そこに詰め掛けた日本人ファンが影響しているのか...、
キース・ジャレットに、この暗い要素があることは薄々感じてはいたのですが、ここまで、陰気がテーマになるとは。このときキース・ジャレットは一般の音楽ファンにも知名度が抜群でしたので、このライブを聴いた観客は満足だったのでしょう。わたしは、このタイミングで観客の一人になることは容易だったのですが、コンサートという場所への適応性に自信がなかったのでチケットは入手しませんでした。このアルバムから、キース・ジャレットの音楽に、陰気臭いと、わたしの印象ができてしまったようです。

"Changeless" ECM(GRM)1392
Dancing /
1987/10/14 Denver
Endless
1987/10/11 Dallas
Lifeline /
1987/10/09 Lexington
Esctacy
1987/10/12 Houston
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
 スタンダード・トリオがスタンダードを演目とせず、オリジナルをライブで演奏した4ヶ所の録音。やはり、陰気な暗さが目立ってしまうのですが。タイトルは Changes (1983) と対をなしているのではなかろうか...。B面の Lifeline Esctacy は2ヶ所の録音となっているのですが、つなぎの部分がゲーリー・ピーコックのベースが途切れることなく低く弾かれています。


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2005/11/18 ものずき烏
(参考)
2005/11/14 キース・ジャレット:(’70~’72)
2005/11/15 キース・ジャレット:(’73~’76)
2005/11/16 キース・ジャレット:(’77~’83)
2005/11/17 キース・ジャレット:(’85~’86)

キース・ジャレット:(’85~’86)

2005-11-17 | 音楽 の 紹介

SPIRITS / STANDARDS LIVE / STILL LIVE:
Keith Jarrett

"Spirits" ECM(GRM)1333/1334
Spirits Vol.1 Spirits 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6
Spirits Vol.1 Spirits 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12
Spirits Vol.2 Spirits 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19
Spirits Vol.2 Spirits 20 / 21 / 22 / 23 / 24 / 25 / 26
Keith Jarrett 
 ( pakistani flute,tablas,shakers,recorder,sopranino,
  soprano,alto,tenor,bass,great bass,vermont flute,
  voice,soprano saxophone,piano,guitar,
  miniature glockenspiel,small tambourine,
  double cowbell,naz )
1985/05-07
 マイルス・デイヴィスのバンドに二人のキーボード奏者が在籍した頃だったと思うのですが、秋吉敏子さんが、雑誌のインタビュー記事で、現在注目のピアニストはと聞かれ、キース・ジャレットと答えていた記憶があるのですが、華々しい活躍をしていたチック・コリアではなく、器用すぎるのではと感じていたキース・ジャレットを挙げて以来、チック・コリアはなげうってキース・ジャレットに注目をしていました。
このアルバムは、その器用なキース・ジャレットの集大成ではないかと思います。もちろんテープ・レコーダーも使用していますが、この楽器の種類の数の多さに驚かされます。多人数で演奏するのは普通なのでしょうが、一人だからこそ、できたと思える不思議な民族的雰囲気の持つ音楽です。あまり針を落としていないので、ノイズの少ないことよ...。

"Standards Live" ECM(GRM)1317
Stella By Starlight / The Wrong Blues
Falling In Love With Love
Too Young To Go Steady / The Way You Look Tonight
The Old Country
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
1985/07/02 Paris
 スタンダード・トリオ初のライブ盤ですと言いたいのですが、わたしのところのLDには日本公演の 02/15 のライブがあるんです。まぁ、ECMのオフィシャルとしては初のライブですね。スタジオで録音してから2年余経ちますが、世界中にスタンダード・トリオありと浸透するまでの時間と解釈しましょう。わたしとしては、もっと早期にライブ録音があっても良いのではと思っていました。新作が待ち遠しい。それくらいの惚れこみようでしたね。トリオのメンバーはファンの気持ちとは裏腹に、スタンダードにそれほどの魅力は感じていなかったのではないかというのが、時系列的に前のアルバムをみれば窺えそうです。
キース・ジャレットはライブの方がスタジオよりリラックスするんですかね、呻き声が目立ってきました。緊張のあまり呻き声が出ることもありそうですので、心理学者の意見を聞いてみたい気もします。

"Still Live" ECM(GRM)836_008-1
My Funny Valentine / Autumn Leaves
When I Fall In Love / The Song Is You
Come Rain Or Come Shine - Late Lament
You And The Night And The Music - Extension
- Intro - Someday My Prince Will Come
I Remember Clifford
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
1986/07/13
 ライブの2枚組なのですが、1枚目は曲と曲の間にゆったりと時間をとっているのですが、2枚目は拍手が鳴り止まぬうちに演奏を始めています。
スタンダード・ナンバーとオリジナルのメドレーになっています。時間が迫っていたのか意図的なものかは、不明(ただ単に、おしっこしたいだけのスピード・アップかも知れん)...。観客は、知る曲の出だしで拍手を入れている。アンコールは I Remember Clifford


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2005/11/17 ものずき烏
(参考)
2005/11/14 キース・ジャレット:(’70~’72)
2005/11/15 キース・ジャレット:(’73~’76)
2005/11/16 キース・ジャレット:(’77~’83)

キース・ジャレット:(’77~’83)

2005-11-16 | 音楽 の 紹介

TALES OF ANOTHER: Gary Peacock
STANDARDS Vol.1 & 2 / CHANGES: Keith Jarrett

Gary Peacock "Tales Of Another" ECM(JPN)PAP-9078
Vignette / Tone Field / Major Major
Triogy Ⅰ / Triogy Ⅱ / Triogy Ⅲ
Gary Peacock (b) Keith Jarrett (p) Jack DeJohnette (ds)
1977/02
 押しも押されもせぬ史上最高との評価のある、スタンダード・トリオですが、このアルバムはスタンダード・ナンバーを扱うまえの、ゲイリー・ピーコックのリーダー・アルバムです。わたしも記憶していますが、邦文解説で油井正一さんが書いているように、ゲイリー・ピーコックはジャズ・ベースではなくベジタリアンとしての日本食研究で、1970年頃、新大久保下落合あたりに居住していて、TBSのラジオ番組で採り上げられたこともあるのです。わたしのコレクションでこのアルバム以前のゲイリー・ピーコックは、ビル・エバンスの「TRIO’64」とアイラーの初期アルバムにあるくらいですね。ラジオの取材で話した、アイラーのトリオでの演奏では、観客が演奏に怒って食べ物を投げつけられるのが、スリリングだったとの体験談が印象的でした。
このアルバムは、全曲オリジナルですので、スタンダード・トリオに飽き足らなさを感じたら、聴くとリフレッシュされます。このアルバムではキース・ジャレットの呻き声は既に出ちゃってますが、わたしは自然でいいと思いますよ。

"Standards, Vol.1" ECM(GRM)1255
Meaning Of The Blues / All The Things You Are
It Never Entered My Mind
The Masquerade / God Bless The Child
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
1983/01
"Standards, Vol.2" ECM(GRM)1280
So Tender / Moon And Sand / In Love In Vain
Never Let Me Go / If I Should Lose You
I Fall In Love Too Easily
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
1983/01
"Changes" ECM(GRM)1276
Flying ( part 1 )
Flying ( part 2 ) / Prism
Keith Jarrett (p) Gary Peacock (b) Jack DeJohnette (ds)
1983/01
 文句なしの最強ピアノ・トリオの誕生です。とりあえずこの吹き込みに係わりのありそうな3枚のアルバムを並べてみました。始めの2枚は文字通りスタンダード曲集、3枚目がオリジナル曲です。
ジャズでこんなに質の高い音楽が聴けるのは珍しいと思います。わたしは、もっとこのスタンダードを味わうには、原曲に親しむこと必要では...と思い、古い録音でも平気で聴きだしたようですね。
ここにスタンダード2枚とオリジナル1枚をまとめたには、それなりの訳がありまして、以降のコンサートではスタンダード2:オリジナル1の配分で演奏していると、思っているからですが...どうでしょうか。


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2005/11/16 ものずき烏
(参考)
2005/11/14 キース・ジャレット:(’70~’72)
2005/11/15 キース・ジャレット:(’73~’76)