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月待ちの夜

2010-09-24 23:14:06 | Weblog


「ロミオとジュリエット」のせりふになぞらえて書けば、こうなる。
「おー月よ、どうしてあなたは月なの」。
それぐらい日本人は、月を愛してやまない。

きのうは陰暦8月の十五夜、中秋の名月だった。
一年で月が最も美しい夜である。
今年はあいにくの曇り空で、見えたかと思ったら、
雲にかすんだり、隠れたり。
じりじりさせられる月夜となった。

それでも恋する気持ちはめげない。
十五夜に雲が広がり、月がよく見えないことを「無月(むげつ)」と呼ぶ。
雨が降れば、「雨月(うげつ)」だ。
姿が見えればうっとり眺め、見えなくても心にその姿を思い浮かべる。
なんといじらしい恋心だろう。

日ごとに欠けていく姿にも、思いを寄せる。
中秋の翌日の月を「十六夜」と書き、「いざよい」と呼ぶ。
いざようには「ためらう」の意味がある。
十五夜より遅い時間に、ためらうように出てくる様を言い表す。
その後も「立待(たちまち)月」「居待(いまち)月」
「臥待(ふしまち)月」「更待(ふけまち)月」と毎夜、呼び名を変えていとおしむ。

予報では、今週末までぐずついた天気が続くそうだ。
雨とともに本格的な秋がようやく訪れる。
月夜にはしばらくふられっぱなしになるが、
立って待ち、座って待ち、横になって待ち、夜明けまで待つうちに、
ひんやりとした空気に満たされ、人恋しい季節に移っていくのもいい。

月は、思うようにいかない物事へのかかわり方を教えてくれる。
日ごろの雑事は脇に置き、しばらく恋してみたい。


= 2010年9月23日発行 神戸新聞 <正平調>より = 














あなたの

笑顔が

声が

恋しい・・・・・


DAY MOON ~ハルダル~





急に肌寒くなったためか、熱を出して体調を崩してしまいました。
みなさまも 気をつけてお過ごしくださいね。