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「隠ぺい」克服し語り継げ--被爆者だけに頼らずに (毎日新聞 記者の目)

2005-08-08 02:47:29 | on Peace
「せめて、核兵器廃絶の見通しがついたのをみて死にたい」。今夏、被爆地の広島、長崎に満ちる高齢化した被爆者の悲痛な声だ。世界には約3万発もの核弾頭があるとされ、状況は絶望的にみえる。被爆60年、なぜ世界は原爆の惨禍に学び、核兵器と決別することができなかったのか。その理由の一つが、米国の隠ぺい体質にある。最近、明らかになった米国家安全保障会議が起草した1枚の文書からは、核兵器保持のため、被ばくの実態をひた隠しにしてきた姿が明確に浮かび上がる。

被爆者の話を聞き、人間として原爆の恐ろしさを受け止める米国市民は次々に増えていった。ケロイドの写真を見た白人女性(20)は「こんなのを見たのは初めて。現実とは思えない」と目を見張った。「一市民として、平和のために何をすればいいのか」と、被爆者に教えを請う男性(56)もいた。

劣化ウラン弾の問題にも、米国市民の多くは無知だった。イラクからの帰還米兵にも被害が出ているのに、同弾の影響とみられる被害に苦しむイラクの子の写真を見て、「本当にそんな恐ろしいことが起きているのか」と驚いていた。

いつまでも被爆者にばかり頼っているわけにはいかない。ただ一つの被爆国に生まれた私たち日本人は、核兵器の恐ろしさをよく知っている。世界にその声を届けなければならない。さらに、その過程で、被爆者の体験を受け継いでいくことが必要だ。 (毎日新聞のサイトから)

アメリカの「隠蔽体質」は、軍産複合の経済体系を背景にした政府にとっては、必然のこととして出来上がったものだ。曽野アメリカと経済的にきっても切れない関係にある日本も、隠蔽に加担してきたのではないか? そのことにも思い至らなければならない。
川口前外相は、劣化ウラン兵器は通常兵器と変らないと国会で答弁したが、その根拠は、アメリカがそう言っているのだからというものであった。
サマワに派遣されている陸自の隊員や、イラクで無料宅配機を飛ばしている空自の隊員や、彼らにこれから生まれてくる子供たちに、健康被害が出ないという保障など無い。
核兵器の問題は、全人類の問題なのだから「ヒバクシャだけに頼らずに」は当然のことだ。もちろん、当事者に勝る語り部はいないわけだが、誰もが当事者と同じ痛みを共有しようとしなければならない。


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