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原爆症1号カルテ:英訳の報告書発見 (毎日新聞)

2005-08-01 09:22:21 | on Peace
広島で被爆し、世界で初めて「原子爆弾症」と診断された女優、仲みどりさん(1945年に死去)のカルテの大半を英訳した報告書が、広島大学原爆放射線医科学研究所(原医研、広島市)に保管されていることが31日分かった。入院から死亡するまでの臨床経過が詳細に記述され、放射線による急性障害の症状がよく分かる内容。仲さんのカルテは、人体影響の客観的データとして、医学的、歴史的意義が高いとされるが、所在不明のため、内容は知られていなかった。
報告書には所在不明のカルテの大半が盛り込まれた可能性が高い。合同調査団がカルテをもとに、一部を省いたうえで英訳し、米国側が持ち帰ったらしい。米国は原爆症の資料としてデータを保存し、活用したとみられる。
広島では、原爆投下直後の混乱がしばらく続き、病状経過を詳細に記録して死亡した症例は極めて少ない。しかも、解剖で「原子爆弾症」と確定診断されたケースも珍しかったという。 (毎日新聞のサイト-1から)

「間違いなく私が書いたカルテと一緒だ」。東京大学病院で原爆症第1号患者の女優、仲みどりさん(1909~45)を担当した新潟市金巻の医師、清水善夫さん(82)は、英文を一語ずつ読みながら、そう語った。原爆症と知らずに残した文字や数値。それが米国も注目する世界初の貴重な記録となり、今回、英文報告書という形でよみがえった。清水さんは「仲さんのお陰で原爆被害の証拠を残すことができた」と感慨深げに話した。
清水さんは当時、東大の医学生。学徒動員で東大病院外科に勤務し、仲さんの担当医になった。入院初日の1945年8月16日には、被爆時の様子やその後の経過が記述されていた。(毎日新聞のサイト-2から)

ヒロシマ・ナガサキの原爆被害に関して、アメリカや日本の政府が隠蔽していたり、散逸してしまったりした資料はまだまだたくさんあるのかもしれない。60年もの時を経て現れたこの資料が示すものは、学術的な意義を超えた重さがある。

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