50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

つまり相手にしてみれば・・・

2015-03-14 18:22:22 | 小説
つまり相手にしてみれば確実に、人でなし・・・・・・だから彼女が。そう思った後、クモはけれどもあの色白な裸体ばかりが思いうかんだ、彼女の心を白紙にするままだった。
「最初っから予感があったわ」
と彼女はいった。予感といった声高な響きがいい心持ちでさえあって、クモの目には窓辺のバラに、うきうきとアトガマの女を思ってさえいたものだった。でかけようとしたクモと、幕ひきを迫ろうと捕まえにきた妻がいた。

(つづく)