今、金融検査マニュアルの廃止に事業性評価融資の推進という大きな動きが金融界に起こっています。
金融検査マニュアルとは、金融庁がバブル崩壊後の不良債権処理を進めるべく作成した、金融機関の検査をする際のマニュアルです。いわゆる債務者区分(正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先)を定めています。各金融機関は貸出先の債務者区分の悪化を恐れて、金融検査マニュアルを意識して融資に対する慎重な姿勢を長期間貫いてきました。この金融機関を震撼させた金融検査マニュアルが廃止されようとしています。
事業性評価融資とは、従来のような決算書や保証・担保だけでなく、事業内容や成長可能性なども評価して融資するかの可否を判断する融資のことです。「決算書の数字の形式的な分析しかしない」「保証や担保を要求しすぎ」という批判が金融機関に対してされていますが、これを見直すものであるといえます。
◆変化は少しずつ(しかし確実に!)
金融検査マニュアル廃止後、金融庁の金融機関に関する検査がどのようになるかはいまだ明らかではありません。事業性融資についても普及はしていません。しかし、変化は少しずつではありますが確実に起こることでしょう。
今まで金融機関にあんなことは「いわれなかった」「聞かれなかった」ということが、今後は確実に増えてきます。
◆金融機関に対する情報公開の拡大(金融機関は債権者を超えた存在に)
事業性評価による融資は、従来のような「決算書を提出して」、金融機関が用意した「書類に署名押印して」、「代表者が保証人になって」、場合によっては「担保を提供して」という単純なパターンでなくなります。
事業性評価を進めるには、企業の金融機関に対する情報公開の範囲を拡大しなければなりません。企業のあらゆる要素を「見える化」して説明しなければ事業性評価は行えません。事業性評価において金融機関は、債権者という存在を超えた「経営のパートナー」となるわけですから、企業は積極的に情報公開をして金融機関を「招き入れる(味方にする)」という姿勢でなければなりません。
◆金融機関による中小零細企業に対する資金供給が拡大される(チャンス到来!)
企業の資金調達の手段は株主による出資(自己資本)と金融機関からの融資(他人資本)の二つがありますが、中小零細企業においては事実上後者に限定されています。さらに、後者の金融機関からの融資も画一的な審査基準によるものしか存在しません。
今後、事業性評価が普及すれば、中小零細企業が金融機関から調達できる資金が拡大されます。金融検査マニュアルの廃止に事業性評価融資の推進という金融の潮流は、間違いなく中小零細企業にはチャンスです。そのためには、この流れを理解して流れに乗らなければならないのです。
◆地域経済の再建
今さらいうまでもありませんが、結局はこれに尽きます。地域の金融機関も企業も、「リスク」を恐れずに本気で取り組まなければ、もう生き残れません。これが最後のチャンスです。
「そこまで公開するのは・・・」
公開しても恥ずかしくない経営状態にする
↓
金融機関からの評価が上がる
↓
金融機関から調達した資金で事業を発展させる
↓
さらに経営状態を向上させるためのモチベーションが高まる
この「好循環」を作り出すのです。それは、注目されている「スポーツのチームはますます強くなる」「女優はどんどん綺麗になる」のと同じです。「見られている」緊張感、「注目されている」幸福感が成長の原動力になるのです。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
金融検査マニュアルとは、金融庁がバブル崩壊後の不良債権処理を進めるべく作成した、金融機関の検査をする際のマニュアルです。いわゆる債務者区分(正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先)を定めています。各金融機関は貸出先の債務者区分の悪化を恐れて、金融検査マニュアルを意識して融資に対する慎重な姿勢を長期間貫いてきました。この金融機関を震撼させた金融検査マニュアルが廃止されようとしています。
事業性評価融資とは、従来のような決算書や保証・担保だけでなく、事業内容や成長可能性なども評価して融資するかの可否を判断する融資のことです。「決算書の数字の形式的な分析しかしない」「保証や担保を要求しすぎ」という批判が金融機関に対してされていますが、これを見直すものであるといえます。
◆変化は少しずつ(しかし確実に!)
金融検査マニュアル廃止後、金融庁の金融機関に関する検査がどのようになるかはいまだ明らかではありません。事業性融資についても普及はしていません。しかし、変化は少しずつではありますが確実に起こることでしょう。
今まで金融機関にあんなことは「いわれなかった」「聞かれなかった」ということが、今後は確実に増えてきます。
◆金融機関に対する情報公開の拡大(金融機関は債権者を超えた存在に)
事業性評価による融資は、従来のような「決算書を提出して」、金融機関が用意した「書類に署名押印して」、「代表者が保証人になって」、場合によっては「担保を提供して」という単純なパターンでなくなります。
事業性評価を進めるには、企業の金融機関に対する情報公開の範囲を拡大しなければなりません。企業のあらゆる要素を「見える化」して説明しなければ事業性評価は行えません。事業性評価において金融機関は、債権者という存在を超えた「経営のパートナー」となるわけですから、企業は積極的に情報公開をして金融機関を「招き入れる(味方にする)」という姿勢でなければなりません。
◆金融機関による中小零細企業に対する資金供給が拡大される(チャンス到来!)
企業の資金調達の手段は株主による出資(自己資本)と金融機関からの融資(他人資本)の二つがありますが、中小零細企業においては事実上後者に限定されています。さらに、後者の金融機関からの融資も画一的な審査基準によるものしか存在しません。
今後、事業性評価が普及すれば、中小零細企業が金融機関から調達できる資金が拡大されます。金融検査マニュアルの廃止に事業性評価融資の推進という金融の潮流は、間違いなく中小零細企業にはチャンスです。そのためには、この流れを理解して流れに乗らなければならないのです。
◆地域経済の再建
今さらいうまでもありませんが、結局はこれに尽きます。地域の金融機関も企業も、「リスク」を恐れずに本気で取り組まなければ、もう生き残れません。これが最後のチャンスです。
「そこまで公開するのは・・・」
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金融機関からの評価が上がる
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金融機関から調達した資金で事業を発展させる
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さらに経営状態を向上させるためのモチベーションが高まる
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