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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

【源泉所得税】納期の特例のデメリット(特例をやめる)

2010-06-22 17:00:00 | 源泉徴収と年末調整
源泉所得税はその月に徴収した分を翌月10日までに納付するのが原則ですが、給与の支給人員が常時10人未満である場合には納付を年2回(1月分から6月分、7月分から12月分)にまとめることができます。いわゆる源泉所得税の納期の特例です。

この納期の特例は、毎月納付をする事務的な負担がなくなるというメリットがある半面、次のようなデメリットがあります。

■半年間で徴収した源泉所得税が用意できない(納税資金がない)

納付しなければならない源泉所得税を別途保管しているのはまれですので、納税資金の用意に苦心することもあります。

■半年分を集計する作業が大変

この作業も結構大変です。

■不納付加算税や延滞税が課税されやすい

源泉所得税の納付が遅れた場合には不納付加算税と延滞税が課税されますが、不納付加算税も延滞税も納付が遅れた税額(A)に一定率(B)を乗じて計算されます。(A)は全額1万円未満、(B)は不納付加算税の場合は全額5千円未満、延滞税の場合には全額千円未満ならば全額が切り捨てになります。

納期特例の場合には(A)が大きくなりますので、当然(B)も大きくなります。納付加算税や延滞税が課税されやすい(切り捨てとなる範囲に収まらない)ということです。

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★源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書(特例をやめるための手続)

納期の特例をやめるにはこの届けをしなければなりません。一方的に月ごとの納付にはできないのです。

なお、「届けをした月まで」の源泉所得税は翌月10日までに「まとめて納付」しなければなりません。例えば、5月に届けをした場合には、1月から5月分を6月10日までに納付しなければなりません。6月以降の分からは月ごとの納付になります。

【余談】
この届出書は給与の支給人員が「10人以上になって」特例が適用できなくなった場合の届けと共通です。「要件に該当しなくなった」のと「自ら特例の適用をやめる」とでは違うと思うのですが・・・