【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
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法人税の申告書を作成する

2019-03-26 10:30:00 | 決算書・試算表
法人税の申告書は枚数も記載事項も多いことからその作成は大変であるといわれますが、下記の申告書用紙で「所得の計算」を正確に行ってさえいれば税額を間違うことはありません。

◆法人税申告書・別表4
まずはこの用紙から記入します。別表4では、決算書の利益(税引後)に調整(加算と減算)を加えて法人税の課税所得を算出します。

◆法人税申告書・別表1(1)
この用紙では、上記別表4の課税所得の計算結果を受けて、それに税率を乗じて税額を算出します。

◆法人税申告書・別表7→課税所得がマイナスになる場合
別表4で計算した課税所得がマイナスになる、いわゆる「欠損金」が生じる場合にはこの用紙を用いて欠損金額を記載し、翌事業年度以降の所得から減算します。

◆都道府県民税および事業税申告書・第6号様式
この用紙で都道府県民税と事業税を計算します。都道府県民税は法人税額に応じて課税されます。ただし、均等割といって資本金と人員数で決まる部分もあります。事業税は法人税の課税所得に応じて課税されます。

◆都道府県民税および事業税申告書・第6号様式別表9→課税所得がマイナスになる場合
事業税においても欠損金が認められますので、その額をこの用紙に記載しておきます。

◆市町村民税申告書・第20号様式
この用紙で市町村民税を計算します。市町村民税は法人税額に応じて課税されます。ただし、均等割といって資本金と人員数で決まる部分もあります。

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★法人税申告書・別表5(1)
この用紙は、ある事業年度では利益に加算あるいは減算しなければならないけれども、翌事業年度以降にその加算あるいは減算が取り消される項目をプールするためにあります。また、留保金課税の対象となる利益積立金額の計算をこの用紙でします。

★法人税申告書・別表5(2)
この用紙は、文字どおり法人税、住民税、事業税など、会社に関する税金(租税公課)の発生と納付の状況を記載するものです。しかし、これにとどまらず、上記別表5(1)の利益積立金額にも関連しています。

別表5(1)と(2)は、別表4のように所得計算に直接的に関係していないように思えるかもしれませんが、しっかりと計算して記載しておかなければ思いもよらない計算ミスにつながってしまいます。加算と減算のプールが翌事業年度の計算に影響するだけでなく、その事業年度のその他の別表(申告書用紙)に深く関連していることもあるのです。

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2019年申告用 別表の書き方がスラスラわかる 法人税申告書虎の巻
野田 美和子
ナツメ社