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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

会社を設立した直後の源泉徴収事務(まずは税務署に行きましょう!)

2015-09-04 18:30:00 | 源泉徴収と年末調整
会社が役員や従業員の給与(給料、賞与)、弁護士や税理士などに報酬を支払う場合、それらを支払う都度、支払金額に応じて所得税を差し引くことになっています。これを「所得税の源泉徴収」といい、所得税を差し引いて(源泉徴収して)税務署に納付する義務がある者を「源泉徴収義務者」といいます。

■源泉徴収した所得税はどうやって納付するのか?

税務署所定の納付書で納付します。この納付書は自ら税務署にもらいに行く必要があります。黙っていても税務署が届けてくれません。

源泉徴収した所得税は月ごとに源泉徴収した翌月10日までに納付します。例えば、1月中に源泉徴収した所得税は2月10日までに納付しなければなりません。ただし、一定の要件を満たし、所定の手続をした場合には半年分(1月から6月、7月から12月)を一括して納付することができます。

納付そのものは銀行、信用金庫などの金融機関でします。もちろん税務署で納付することもできます。

■年末調整をする

給与(役員報酬を含む)の源泉徴収と切っても切れない関係にあるのは「年末調整」です。

年末調整は、給与所得者(サラリーマン、会社役員)の1年間の税額を確定・精算するという給与所得者にとっての「確定申告」です。給与所得者は1ヶ所からの給与所得しかなく、ほかに所得がない場合には、年末調整だけで税額が確定することから自ら確定申告をする必要はありません。

給与(毎月の給料、賞与)から源泉徴収されている所得税は、一定の仮定の基づく「仮の税額」ですので、どうしても最終的な税額とは異なってしまいます。そこで、年末調整という精算手続が必要となるのです。

◆◆◆源泉徴収に関する知識を手っ取り早く身に付ける方法(それは税務署に行くことです!)◆◆◆

会社は必ず役員報酬という給与を支払うので、会社を設立した瞬間から源泉徴収義務から逃れることはできないと考えなければなりません。会社を設立する人は法人税の計算方法や節税には関心はあるのですが、源泉徴収には無頓着なことが多いです。会社を設立したら「まずは源泉徴収!」と肝に銘じてください。

以下は源泉徴収に関する知識を手っ取り早く身に付ける方法です。設立時の慌ただしい時期でも、この方法でしたら何とかなると思います。

■税務署へ「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する(設立届と同時に提出する)

実務上は会社設立と同時に源泉徴収義務者になったとして「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出します。この届けは法人設立届出書と一緒に提出します。

面倒でも、どんなに忙しくても、まずは税務署に行ってこれを提出するのが源泉徴収事務のスタートです。この届けの用紙はわずか1枚で、税務署員に教えてもらえば数分で記入できます。この届けを提出しておけば、源泉徴収に関する様々な連絡や情報が税務署から書面で送られてきます。

■「源泉徴収のしかた」というパンフレットをもらう

「給与支払事務所等の開設届出書」を提出するときにもらってください(国税庁のサイトからでも入手できます)。

無料です。約30ページで源泉徴収の要領が大変わかりやすく説明されています。給与や報酬から源泉徴収する税額の計算方法、納付すべき税額、年末調整などについて詳しく説明されています。源泉徴収を理解するにはまずはこれを読む必要があります。

■「源泉徴収税額表」をもらう

これも、「源泉徴収のしかた」と一緒にもらってください(国税庁のサイトからでも入手できます)。

給料や賞与から源泉徴収すべき税額を、給料や賞与の額および扶養親族の人数から定めた表です。これがなければ源泉徴収はできません。