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待ちに待った入学式である。
待っていたのは入学する「ひいちゃん」ではなく、ママのほう。なんせ、長い春休みと称して幼稚園の卒園式から1ヶ月近く家にいたのだから、早く日中はどこかに行って欲しいという気持ちでいっぱいなのでありました。
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で、入学するこの小学校。幸いなことに幼稚園よりも家から近い。門まで300mも無い。昇降口まででも400mくらいか? 入学する前から校庭で遊んでいたくらいなので、"勝手知ったる…"って感じである。
"勝手知ったる…"というのはアタシも同じ。実はこの小学校、アタシの母校。ウン十年前に卒業した時のままの校舎である。
しかしながら、校舎に入るのは卒業以来30ウン年振り! あの頃は真新しかった校舎も、廊下や教室の床は剥げてカサカサした感じに味が出ていて年季を感じてしまいます。
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教室の中も傷んでいて、特にオルガンはボロボロ。レトロというより、粗大ごみに近い傷み方でした。ま、アタシも傷んでおりますけど、ピカピカの一年生の教室にはちょっと似合わない感じであります。
そんで肝心の入学式。
1年生は4クラスあって、みんな女の先生。4人の中では一番若い先生が担任となってくれましたが、幼稚園の"キャピキャピ"というか、"ルンルン"というような雰囲気を醸し出すような先生は、紹介された全教職員の誰にも無く…。やっぱり義務教育に携わる教育者は一味違うような感じ。
一番明るかったのが、挨拶の中でギターを弾いて唄い出した校長先生に思えたのは保護者の中でアタシだけではないはず。
ま、アタシが児童だった頃と校舎は同じでも、雰囲気は違っておりました。
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で、母校で娘と記念撮影。
アタシは36歳を過ぎるまで、こんな日がやってくるなんて夢にも思いませんでした。結婚できるとか、子供ができるかなんて、想像し難いような枯れた日々もありましたが、こうして可愛い長女の入学式を迎えられるなんて夢のようです。
でも「ひいちゃん」が産まれてから6年と8ヶ月、早かったなんて思うことはほとんど無く…。「ふうちゃん」、「みいちゃん」と続いて産まれ、育てる日々はひたすら長いうえ、ようやくこれから義務教育が始まるのかって感じであります。
でも想像し難かったのは、元気と行動力が取り柄のママが病を患うなんてことも同じです。
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ほら、別人みたい。
ま、別人に見える理由の多くは、金髪のカツラを着用しているからですが。
どうしてママがこんな金髪のカツラをチョイスしたかと言うと、ネットで検索していたらこのカツラを着用していたモデルさんが可愛かったからなんですって。このカツラを被ればみんな可愛くなれると思い違いをしていたようです。
コントに出てくるキャサリンみたいでしょ?
そういうアタシの悪口など気にしてはいなかったようですが、入学式のこの日、幼稚園でお知り合いになったママさんに声をかけたらママだと気付かれなかったことに相当ショックを受けておりました。
ま、しばらくは異邦人と化して治療に専念しろということでしょうが…。
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翌日、ランドセルを背負って登校する「ひいちゃん」。
アタシが児童だった頃と同じ登山帽風の制帽が似合う、ピカピカの1年生であります。
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