旅するウメボシイソギンチャク

アートと自然を私なりの視線で紹介します。虫眼鏡を持って歩くも好し。深い海を夢想するも好し。

羽化の季節

2020-05-19 12:39:33 | 日記
新緑が眩しい季節です

この季節はケムシ 😳 
ジオツアー三島で初めて訪れた沼津市大平地区へ自転車で向かいました




沼津アルプストンネル大平側の道路工事もすすんでいます
トンネル内の舗装、電気工事とも着々と 😊 

右手の尾根がずっと狩野川方向に続いていて
その先の方に採石場の跡でしょうか




期待を裏切らない 😁
クワゴマダラヒトリ(桑胡麻斑灯蛾)の幼虫
コナラやヤナギ、クワなどを食草にして、9月ころに成虫になるそうです
よ~く見ると40ミリサイズがあちらこちらに 😨 





こんなかんじで最近みつけた幼虫の紹介をします
対象と少し距離があるので、写真が鮮明でないのが残念なのかよかったのか?
伊豆吉奈温泉 Bakery&Table 東府やの敷地内です
美味しいパンはもちろんテイクアウトしました





カメムシの仲間クワキジラミの幼虫たちが羽化の真っ最中
2~3㎜程度の体から1㎝はあると思われるモヤモヤ

お尻から糸状のロウを出して、どうやら身を隠しているようです
ロウ物質は木の汁を吸って得た栄養分で、余分になる糖分を排出しているそうです
成虫は翅があって飛び立ちます
(森林総合研究所 多摩森林科学園より)





逆光でわかりにくいけれど アリ? ハチ?
密集しているけれどよくわかりません





マイマイ属ミスジマイマイ種群
久しぶりにおよそ30㎜サイズのカタツムリにであいました
ミスジマイマイは日本固有種で、殻の色や模様などに地域特性がみられるそうです
ウィキペディアによると、かつて伊豆半島周辺に生息し
交雑しながら、房総、関東平野、芦ノ湖、北伊豆、南伊豆など
グループ化がすすんだと考えられているそうです




コロナウィルスによる自粛生活が続いていますが
温泉でゆったりも楽しみたいこのごろ 😊 

コメント
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ステイホームそして読書

2020-05-11 11:47:39 | 日記
コロナで在宅時間が長くなったこのタイミングでに
フェイスブック上でユニークな遊びが流行しています
1日1冊、表紙の画像のみの投稿でも良いし,文章を添えてもOK
幾分ルールを変えながら😅 7日間マイペースで継続します

選書することで整理する時間が持てたり
ちょっとひと言の投稿で、「いいね」の共感が生まれたり
忙しいけれど楽しい機会でした

フェイスブックと若干順序が異なりますが
ブログでも記事の内容をアップしておきます


●ブックカバーチャレンジ1日目
「Lost&fouNd」 ショーン・タン

2011年に同著書「アライバル」を書店で手にして、即Amazonで購入した1冊です。
我が家の本棚に眠っていました。この機会にgoogle 翻訳でコツコツと読み進めてみると、「絵で語る」ってこういうことか! これは感動。

「The Red tree」、「the Lost Thing」、「The RaBBits」3篇の物語が1冊に展開しています
ここでは「the Lost Thing」を我流で紹介します。

少年が海辺で出会った迷子。それはドアがいくつもある樽のようなポットを身につけた柔らかい触手を持った生き物。少年の生きる世界は国家管理局の統制下、誰もがやるべきことに囚われ、社会の歯車となって生活しています。少年は迷子の帰る場所を探して歩きます。
「ここは捨て去り、忘れるための場所。始めからなかったことにする場所なんだから」何かが少年に示唆しました。それを頼りに迷子の居場所を見つけます。
そこは古生代ワンダフル・ライフ⁉︎ ハルキゲニア? オパビニア? アノマロカリス? いえいえ、イマジネーションの世界。
少しずつ失われていくもの、わずかな隙間に存在するもの、温かい眼差しを向けるショーン・タンの作品です。
2019年にはちひろ美術館で企画展「ショーン・タンの世界 どこでもないどこかへ」が開催されたそうです。




●ブックカバーチャレンジ2日目
「生物の驚異的な形」  エルンスト・ヘッケル

荒俣宏氏推薦という帯に負けないブックカバーです。1834〜1919年を生きた生物学者ヘッケルの図版を紹介します。
解説をした動物行動学者のイレネウス・アイブル-アイベスフェルト氏も、日本語監修をした古生物学者の小畠郁生氏もすでに他界しています。
いきなりアイブル-アイベスフェルト氏の文章の最後を引用します。
「本書はそういう不確かな価値の時代における気づきの印(サイン)-それが確信に変わると示唆する、きたるべき千年紀の序曲-である」
科学者も芸術家も、この世界の美と未解決の問題をもっとよく調べるべきだと、耳の痛い提言も説得力があります。
放散虫、有孔虫、繊毛虫、珪藻類と続く繊細な描写。(ケイソウをスライドガラスに並べてつくったアートもありましたね)
カバーにもある鉢クラゲ、個人的に大好きなウミユリ、そしてコケムシに向ける観察眼。
それらの規則的なデザインが奏でるリズムに、もう酔いつぶれてしまいそうです。
私たちヒトに続く何かを考えざるを得ない1冊です。



●ブックカバーチャレンジ3日目
「地球の履歴書」大河内直彦

大河内直彦氏の著書は、2008年「チェンジングブルー  気候変動の謎に迫る」、2012年「地球のからくりに挑む」、そして2015年の同書どれもオススメです。
科学読み物といえば、アメリカやイギリスのサイエンスライターが多いなか、良質な随筆に久々に出会えました。1966年生まれ、JAMSTECの研究者です。
兼ねてから海底の「景色を眺める」ことに憧れていた私に、著者はサイドスキャン・ソナー、シー・ビーム、あるいは宇宙からの調査という様々な技術から、その可能性をガイドしてくれます。
また1986年西アフリカ、カメルーンにあるニオス湖で起きた「湖水爆発」という現象に話題が及びます。火山活動とそのメカニズムを、暮らしのより近くで語る姿勢がうれしく思います。
昨日より今日、わずか1ミリでも理解する努力! 日々足るを知るでしょうか。




●ブックカバーチャレンジ4日目
「山はどうしてできるのか」 藤岡換太郎

2012年の同書、2013年「海はどうしてできたのか」、2014年「川はどうしてできるのか」、2017年「三つの石で地球がわかる〜岩石がひもとくこの星のなりたち」、2018年「フォッサマグナ〜日本列島を分断する巨大地溝の正体」
精力的に執筆活動を続けている藤岡センセイの新書から1冊。
あとがきにあるように、執筆には作家の藤崎慎吾氏のすすめもあったとか…「ハイドゥナン」「鯨の王」「辺境生物探訪記」の著者です。
実は私、2003年奇石博物館での観察会参加にはじまり、神奈川県県立生命の星・地球博物館などでボランティア活動をしていました。「石」や「生き物」の専門家に教えていただく機会が、尽きない興味に応じるようにあったのです。まさに博物館の教育普及活動の恩恵を受けてきたわけです。
地球科学の視点で野山を歩くと、徐々に見方が変わってくるようになりました。関心のある人がいたら共有したい分野です。
とはいえ、専門用語の壁はなかなかハードでして、理解に時間がかかりましたが。




●ブックカバーチャレンジ5日目
「岩石薄片図鑑」  青木正博
「石の世界」 山田英春

岩石はさまざまな鉱物の結晶やガラス質の物質からできています。岩石を厚さ0.03ミリくらいの薄片にし、2枚の偏光フィルターの間に入れて観察できるようにした偏光顕微鏡を使うと、どんな鉱物があるのかがはっきりわかります。
「岩石薄片図鑑」のまえがきに「絵画集のように好きなページから開き、眼前の写真を隅から隅までゆっくり眺めていただきたい」とあるように、顕微鏡下にある石のまた違う表情を、鮮やかな色彩を、その来歴を空想しながらみるのもまたよいかなと思っています。
青木正博さんは産業技術総合研究所・地質標本館館長退職後も、執筆や教育普及に精力的に活動しています。地質情報展2003年「しずおか」で、展示説明を素人にもわかりやすく、丁寧にしていただいて以来。出版がうれしい便りでもあります。
もう1冊は、肉眼やルーペで楽しめる石の顔… 断面かな? 山田さんは装幀家であり、瑪瑙(メノウ)のコレクターとして有名。
「石は描く」「石は語る」「石を追う」という構成で石の中の造形を写真とともに紹介しています。ちくま新書も力を入れたという感じ。
妙に気になるのは、瑪瑙の中に色とりどりの花束のようにみえるインクルージョン(包有物)が入っているものです。それに二酸化マンガンの樹状の結晶が、シダ類の一種である忍草に似ている「忍石」、風景の石「パエジナ・ストーン」にも引かれます。
私は抽象絵画をみていたのか? と錯覚。
年1回のミネラルショーに出かけても、なかなか気に入ったものは入手できませんが、自然の中に近い現象を見つけると、なんだかとても嬉しい気持ちになります。




●ブックカバーチャレンジ6日目
「大自然のかたち」  ウィリアム・ニール/写真 パット・マーフィー/著

クロニクル・ブックス日本語版、2004年に復刊したものが手元にあります。
この本はサンフランシスコの実験的な科学博物館「ジ・エクスプロラトリアム」と、写真家のウィリアム・ニールとの共同製作。
螺旋とつる巻、蛇行とさざ波、球体と炸裂、収容とひび割れ、フラクタルと目次をたどるだけで、身の回りにそのパターンを見つけだしたくなります。
たとえば岩石の一例として、伊豆地域にみられる柱状節理です。岩石(マグマ)が結晶化しはじめるときに縮む、最短の長さのひび割れで、最大の圧迫を緩和する作用が、120度の角度をつくります。六角柱、五角形やらくずれ気味もありますが
泡立てた洗剤の配列、はちの巣、ひび割れた泥、カメの甲羅。そういえば…ですよね。
ところでエクスプロラトリアムという科学博物館。参加・体験によって理解を重視する展示の先がけとなっています。日本人では岩井俊雄さんがアーティスト・イン・レジデンスで参加したそうです。
途中駆け足しましたが、あと1日を残すところとなりました。服部達雄さんには楽しい機会をいただきました。
学生の頃初代アルバイトとして勤務した会社の上司。厳しい〜試練を受け なんていうかお師匠です。可能性に満ちた夢のような時代をつくってきた方たちのお一人です。




●ブックカバーチャレンジ7日目
「空の境界」  奈須きのこ

ステイホーム期間に気になっていたDVDを見直すことにしました。小説より先にアニメ映像をなんて、邪道と言われてしまうかもしれませんが、お許しください。
今では同じアニメ制作会社・ユーフォーテーブルの「フェイト」や「鬼滅の刃」が人気を呼んでいます。
黒桐幹也、両儀式、蒼崎橙子、荒耶宗蓮
(こくとうみきや、りょうぎしき、あおざきとうこ、あらやそうれん) → まず登場人物の名前がカッコイイ。
また解離性同一性障害、痛覚、直死の魔眼、根源の渦、そして殺人衝動 → 興味津々。
ぐいぐいと引き込まれるのは、きっと私たちと私たちのつくる社会にも同じような葛藤があるからでしょうか。
2001年同人小説として発表されて以降、息子たちの世代が夢中になっていましたが、なるほど納得の面白さ。見事にツボに入りました。
さてオスにもメスにも色覚があるのは、われわれホモ・サピエンスと、顔にむき出しの部分があるサルだけのようです。ヒトの色覚は肌の微細な変化を読み取るセンサーとなっており、感情を読むテレパシーの力となっています。
(「ヒトの目、驚異の進化」マーク・チャンギージー著より)
両儀式の「魔眼」は、かなり複雑な事情をかかえてしまったようです。でも映像の中の眼は、強く綺麗で切ない…
7日目を終えました。バトンを寺田淑乃さんに渡すことにします。 引き続き楽しんでくださいね。


番外編


「13歳からのアート思考」 末永幸歩

今日はしないはずだったのですが… 図書館に返却前にスピード紹介を。2020年らしいホットな提案です。著者は美術教師。
さて1998年「なぜ、これがアートなの?」日本語版は、著者のアメリア・アレナスさんの来日とともに美術教育のあり方を考えさせるものでした。その後日本各地で普及が始まったと記憶しています。
そしてごく最近。フィットするこの本との出会いに乾杯!
引用しますね。
「興味のタネ」は、自分のなかに眠る興味・好奇心・疑問。「探求の根」は、自分の興味に従った探究の過程。「表現の花」は、そこから生まれた自分なりの答え。
「自分なりの答え」を生み出すことができれば、誰でもアーティストであるといえるのです。
素敵な考えです。美術を13歳で最大の苦手科目にしてはいけないですね。
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