中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

またもや舞鶴沖へ

2012-01-28 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■奇跡の冬凪■

 当然ながら冬場の日本海は大荒れの日が続き、出船できる日は限られる。特に今冬は12月以降、北西の季節風が吹き荒れる日が多く、いつもの年よりも出られる確率は下がっているようだ。特に休日が選べない、ボクのようなサンデーアングラーの場合は、ウマい具合に季節風が収まっている日曜日に当たる確率が低いことは言うまでもない。
 そんな中、冬凪の日曜日がやって来た。「奇跡的」とも言えるような日に兄と2人で向かった先は、またもや舞鶴沖だ。しかし今回は予算の関係から乗合船への乗船になった。
 関西の沖釣りは主に船首にアンカーを打って船を留めるカカリ釣りスタイルなので、風と潮が反対=逆潮などの特殊な場合を除いて、基本的には潮流は船尾方向に向かう。魚はマキエサにつられて食い上がってくるので、それが流れてゆく先にある船尾方向の釣り座が有利になる。
 自分たちで貸し切る仕立船(チャーター船)の場合は譲り合って対処できるが、他人同士が集まる乗合船の場合は席順がカギとなる。今回お世話になったブンブン丸さんの場合はくじ引き制になっており、その結果、兄は2番くじを引き当てたが、ボクは最悪のビリッケツを引き当ててしまった。

●ボクの釣り座はこんなに潮上●

 それでも、最初のポイントでは天秤ズボや胴付き仕掛けで船の直下に回遊するメダイを狙う釣りだから、「工夫次第で何とかなるだろう」と思っていたのだが…。

●前回までとは冠島を挟んで反対側のポイント●

 「前日には胴付き仕掛が好成績をあげていた。」との船長からのアドバイスで、ボクは5本バリの胴付き仕掛けを取り出してそれをセットした。
 期待を込めて投入を繰り返すが、全くアタリはない。どうやら潮流がユルユル状態で、エサ取り以外の魚の活性はあまり高くないようだった。
 そうこうしている内に、船尾の方に陣取る釣り人たちがポツリポツリとアタリを捉え始めた。しかし、それは天秤ズボ用の仕掛を使用している人にだけの「特権?」の様子であり、人生初メダイをゲットした兄もその例外ではなかった。
 そこでボクはシビレを切らして天秤ズボ仕掛へと変更する。しかし潮下側にいる人達と同じ釣りをしているとアタリが出る確率は低いので、サシエサの種類とマキエサの振り出し方を工夫することにした。
 通常、舞鶴沖のメダイ釣りではサシエサにはオキアミの他、イカの短冊や、ホタルイカを使うが、船長の話では一番食いがよいのがオキアミで、次いでイカの短冊、ホタルイカの順になるそうだ。
 しかし、エサ取りに襲われる確率が低いのは逆の順になるので、手返しを早くして食いの良いオキアミを食わせるか、多少食いが悪いエサであっても、エサが着いている時間を長くするかの状況判断が必要になる。
 ボクの場合は船首側の釣り座なので、マキエサの集中する船尾側とは魚が寄ってくるタイミングがどうしてもズレるし、時間も掛かる。だから魚がこちら側に来るまでにエサが取られてしまって、海中にエサの着いていない空バリを漂わせるよりも、エサが残っている方が結果良くなるのは当然である。要はメダイが来るまでにサシエサが残る確率を上げる必要があるのだ。
 今回はオキアミ以外にイカの短冊の他、隣の福井県小浜沖や全国各地では、サンマやサバの切り身を使うと聞いていたから、それも持参していた。恐らく魚の切り身類は「エサ持ち」という点では一番良いと思われた。

●左下から、オキアミ、イカの短冊、サンマの切り身●

 マキエサに関しても船尾側と同じことをしていると不利さは克服できないので、プラスチック製の撒き餌カゴを絞り気味にして、オキアミのマキエサがパラパラと出るように調節した。つまり、潮下側に陣取る人達のマキエサが途切れたタイミングでボクのカゴからのマキエサに気付いたメダイがやって来て、エサ持ちの良いサシエサを食うというイメージで攻めてみることにした。そして初めは2本バリの先バリにオキアミ、枝バリにはイカの短冊を装餌して様子を伺った。
 すると、作戦が当たったのか、しばらくすると、60cm級の本日初メダイをゲットできた。
 食ってきたのはイカの方だったので、当日のメダイがそれを食うことを確認できた。だから次回以降の投入は、先端にイカの短冊、枝バリにサンマの切り身を装餌してみる。
 数分後再びアタリを捉えて、同級のメダイをゲット。今度はサンマの切り身を食っていた。だから、次回以降は2本ともサンマに切り替えて、少し時間を掛けて攻めてみることにした。そして、その作戦も当たって75cmのメダイをゲットするに至った。


●75cmのメダイ●


 調子に乗ってきたと思っていた矢先、全員の土産が充分な量になったとの船長判断から、白石グリへと向かうことが決定した。ボクは後方の釣り座の人達に匹敵する3本の釣果を何とか得たので、この時点では納得出来ていたのだが…。


■白石グリ■

 付近に到達すると白石グリそのものではなく、まずはそのやや沖にある深場から攻めることになった。

●一月とは思えない、ベタ凪の経ヶ岬沖●


 ここでも天秤ズボで全員が狙い始めたが、潮行きが緩すぎるせいか、全くアタリが来ないし、エサ取りの活性も低い。
 あまりに無反応な状況に皆が首をかしげていたが、やがて船長間の無線情報が入って来たことで納得できた。どうやら前日にトロール網の漁船団が入ってドッサリ魚を持っていったらしいということだった。
 あと数投で移動か?と思われた時、後方から電動リールの唸り音が聞こえてきた。見れば兄の竿がひん曲がっていた。

●絞り込まれる兄の竿●

 何度もリールから糸を引き出され手は巻き取る、長らくのやり取りの末、浮上したのは大型のメダイだった。

●大メダイ●

●88cm!●

 しかし、その後に続く魚はゼロだったので、またもや移動を開始する。船長判断ではもう少し白石グリ本体へ近付き、完全フカセを行うとのこと。とうとう待望の完全フカセ釣りだ。

■フカセ場へ■

 アンカー打ちが終わり、これからだ思った矢先に悲しい知らせが入った。当日の潮行きだと、完全フカセができるのは3人までであり、残ったボクと抽選外で乗っていた叔父さんの2人は、天秤ズボ釣りのオモリを軽くしたモノで狙って欲しいとの船長判断が下ったのだ。
 潮流はほぼ真後ろへと向かっているだけに、それは仕方がないことであり、抽選で負けた以上はその条件を飲まざるを得ない。
 完全フカセは船尾方向にマキエサを流し、イメージ的にはスロープ状に流れたマキエサの帯の中に、時には200m以上も仕掛を流し込む釣りだから、後ろの3人が一斉にマキエサをし始めると当日のように「高活性」とは言えない状況下であれば、その帯を突き破ってまでこちらの仕掛に向かってくる魚はほとんど居ないだろう。そして予想通りと言うべきか、現実は残酷なモノだった。
 いくら努力をしようともボクには全くアタリが出なかった。反対に後ろの3人にはアタリがポツポツとあって、大型メダイの引きを堪能していたようだ。特に兄には前半ボクがリードしていたのを、数、型とも逆転されてしまった。
 気付けば、ボクのこの日を表すかのような寒気による黒雲が夕暮れの空から迫り、何も得ないままに日没と時を同じくしてボクのこの日の釣りが終わった。

●寒気による黒雲●



 この日を境に大寒波が日本列島を覆い、しばらくの間日本海方面は大荒れの状態が続いている。何とか、ボクも大型魚をと思ってはいるが、釣行機会はいつ訪れるとも知れない。そう言えば昨秋以来、兄には大型魚を釣られっぱなしだ。「何とか逆転せねば」との思いは募るばかりだが、しばらくはそのチャンスも来そうにないだろう。
 しかしながら、家への土産は充分出来ており、帰宅後数日間は「メダイづくし」に明け暮れた。今回はいつもの刺身、寿司、鍋、西京漬け等に加え、今回は酒蒸しや蕪蒸し(かぶらむし)を試してみたが、これまた全てが絶品であり、釣行日後半の不運を忘れてしまうほどの幸せ気分を味わった。それが救いと言えば救いなのだが…。
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