「本当はこんな話をかなちゃんに私からするべきじゃないし、してはいけないと思う・・・だけど、もし『その時』ユウのそばにかなちゃんが居てくれることがあの子にとって最善になるんじゃないかとも思うの。だから・・・まずこの質問に答えてくれる?」
お姉さんが一体何について言いたいのか、この時の私には分からなかった。
ただ、少なくとも雄二君に関することだということは理解できた。
頷きで返す私に、お姉さんは言葉を続けた。
「ユウのこと、好き?」
簡単で、だけどとても難しい質問だった。
雄二君の事が嫌いな訳はない。
だけどこの気持ちが異性として「好き」なのかと、言葉にすることがすぐには出来ない。
確かに雄二君の存在は前から心の中にあった。
でもそれは、クラスで人気の男子だったから?
もしも、雄二君のお父さんの事が無かったら?
卒業まで私達の距離が縮まることもなく別の高校に進んでいたら、この気持ちも「昔の思い出」になって終わってしまっていた?
私が今、雄二君に会いに行っているのは「カワイソウ」だと思っているから?
永いようで短い時間の後、香奈穂は真っ直ぐに向き合って自分の中のありのままの言葉でその問いに答えた。
車が家につく頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
お母さんには保護者同伴で出掛けると言ってあるから、ひとまず怒られることはないだろう。
別れ際「じゃあ、またね」とお姉さんに言われたけど、笑顔で返せたかあまり自信がない。
お姉さんもそれを知っているから、多くは言わず車は走り去って行った。
空に息を吐くととても白い。
・・・もうすぐ、雪の季節だ。
お姉さんが一体何について言いたいのか、この時の私には分からなかった。
ただ、少なくとも雄二君に関することだということは理解できた。
頷きで返す私に、お姉さんは言葉を続けた。
「ユウのこと、好き?」
簡単で、だけどとても難しい質問だった。
雄二君の事が嫌いな訳はない。
だけどこの気持ちが異性として「好き」なのかと、言葉にすることがすぐには出来ない。
確かに雄二君の存在は前から心の中にあった。
でもそれは、クラスで人気の男子だったから?
もしも、雄二君のお父さんの事が無かったら?
卒業まで私達の距離が縮まることもなく別の高校に進んでいたら、この気持ちも「昔の思い出」になって終わってしまっていた?
私が今、雄二君に会いに行っているのは「カワイソウ」だと思っているから?
永いようで短い時間の後、香奈穂は真っ直ぐに向き合って自分の中のありのままの言葉でその問いに答えた。
車が家につく頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。
お母さんには保護者同伴で出掛けると言ってあるから、ひとまず怒られることはないだろう。
別れ際「じゃあ、またね」とお姉さんに言われたけど、笑顔で返せたかあまり自信がない。
お姉さんもそれを知っているから、多くは言わず車は走り去って行った。
空に息を吐くととても白い。
・・・もうすぐ、雪の季節だ。