雑記-白堂別館-

雑記なう
無職止めました。
出来ることからやってみよう

第二十節

2010-05-22 01:39:33 | Dear to me
その日から三日に一回くらいのペースで、雄二君の家にお呼ばれするようになっていった。
ちょっと前だったら考えられない位、学校以外での雄二君の事を知ることが出来た。
それだけで私としては嬉しい話なのだけれど・・・
(そうはいっても雄二君と直接顔を合わせるなんて、数えるくらいだしな・・・)

お姉さんはお姉さんで、初めて会った日の「ヒマ!」発言は心底な本音のようで、週末になると
「かなちゃんさえ良ければ泊まっていってもいいのに~」
なんて、かなり本気の口調のお誘いに私が丁重に辞退するのが一連の流れになってしまった。


そんな楽しい時間が過ぎていく中、私は・・・
私の事をお姉さんが気をかけてくれる理由が、ちょっとしたお節介からだけじゃなくて・・・
別の理由もあった事を、それからそう日が経たない頃に教えてもらえるのだった。


ある休日に隣町のショッピングモールで冬のバーゲンがあるからと誘ってもらい、お姉さんの運転で連れていってもらった。
人込みに揉まれながら、服を見たりゲームセンターに行ってみたり・・・
散々遊び尽くしたあと、モールの中にあるカフェでその独白は始まった。

―かなちゃん、少し・・・真面目なお話があるの―

お姉さんのこれまでに見たことの無い真剣な表情に、香奈穂は何時になく緊張した。
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