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詩と物語を紡ぎます

葉牡丹

2018-01-17 07:00:00 | poem
     葉牡丹



ラジオのニュースは十分置きに
頻りと雨の到来を強調していて
天気予報に至っては西から東へ
殆んど布教じみた信仰の祈りだ

あの街は既に大粒の雨に濡れて
廿三年目の法要が始まっている
灯籠に火を点すのが大変らしい
こちらは雨の匂いもしないのに

ポータブルラジオはしめやかな
天気予報の預言が厳かに厳かに
西から東へ低気圧の祝福を伝え
夕方には春雨に洗礼される街だ

渇き切っている夜明けの葉牡丹
写真に撮って君にメールしたら
濡れた葉牡丹の夢を見たんだと
洗い立て滴る顔で泣く写真一葉





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 written:2018/01/11 〜 17
 elaborated:2018/01/17
 photographed:2018/01/11, 16
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コメント (4)
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