珍しく、写真を並べる。以前ちらりと言及したゴダンのGlissentar(品番はA-11)。
中近東で楽器の女王と呼ばれるウード(Oud)と、ギターとの折衷。ウードは琵琶のような胴、後方に反り返った天神、そして華麗な装飾を伴う美しい楽器だが、このグリセンターは残念乍らゴダンの他のギターと同様、謂わば「のっぺらぼうのテレキャスター」である。マイクはブリッヂ下のピエゾのみ。赤いガムテープについては後述。
どの辺がウードの要素かと云ったら、まずフレットが無い点。そして絃がガットの複絃(同音程)である点。いちばん低い絃だけが単絃で、トータル十一絃という半端な数なのもウードの特徴(つっても十二絃の物も多い)。
広島で、「誰か買うてくれませんかのう」という感じに安売りされていたのを、試奏して気に入り、買った。
ボディとネックの比率からウードより圧倒的にスケールが長く見えるものの、実はそんなに変わらない。いつか再びウードを手にした時の為、ウード調絃(高い方からCGDAか一度上のDAEBで、低音二コースは色々)で練習すべきかとも思ったが、目下メイカーの設定通りギター調絃。
いつか再び、と書いた。そう、むかし本物のウードを持っていたのだ。下手な調絃にすると壊れそうだったので、ちゃんとウード調絃で練習していた。にも拘わらず或る日、ぽーんとブリッヂが弾け飛んでしまった。専門家でもない人が手土産に買ってきたような代物で、日本の激しい気温と湿度の変化は考慮されていなかった。ウクレレもそうだけれど、民俗楽器はそれなりの楽器店で買った方が失敗が少ない。壊れたウードは木工用ボンドで修繕したが、弾いている最中にまたぶっ壊れたら怖いので、絵のモデルとして弟にあげてしまった。
最近グリセンター三昧なのは奥野のバンド、Captain Rocketの為。マトリョミンだけではナニらしく他の楽器も求められ、でもギターは禁止。「なにかアタックの強い楽器を」と云うので、「十一弦もあるんだけど」と申告してみたら、何故かこれはOKだった。
ちなみにキャプテンロケットは、ドラム二人、ベース二人という、冗談のような編成が基本である。次回10月18日は、ここに僕と、更にもう一人のドラムが加わる。先日初めてそのリハーサルに出向いた次第だが、これがなかなか面白い。異様にリズムに偏ったジャズファンク。でも普通の人には、顰めっ面のジャズより分かり易く、楽しいんじゃないだろうか。バンドが続くようなら、僕もなるべく参加し続けたい。
スタジオに古いTwin Reverbがあったので、それにグリセンターを繋いで弾いていた。ドラム三人の音量に付いていこうとボリュームを上げ、ハムノイズに参る。一フレーズごとにボリュームを落とさねばならない程。ケーブルのプラグに触れると静かになる。エレキでは「絃アース」で解決しているノイズだ。弾いている人間を地面に見立て、そちらに余分な電気を流してしまう配線のことで、そういうネガティヴな事をせず本物のアースを取ってくださいと思うのだが、とりわけ日本の電気事情では難しいらしい。
絃アースの安全性と危険性については諸説あるので、断定的な事は書かない。昔はよく、エレキを弾きながらマイクに唇が触れると、ぴりぴりと感電した。大きな舞台で、三メートルくらい後方にすっ飛んだ経験もある。今だったら訴訟沙汰だろう。しかし最近は機材の設計が優秀で、且つPA屋さんやスタジオにちゃんとした知識があり壊れた代物を使い続けたりしないので、感電そのものが皆無に近くなっている。
困った時のTSC頼みで、取り敢えず堺市に電話して対処を相談。対話の内容を抜粋すると――。
・ゴダンというメイカーは、高級なイメージと価格に反して、設計や組立てが適当である。ノイズ対策は皆無。
・真空管アンプはハムノイズが大きい。
・アンプから人体アースを取るといった、無茶は已めたほうがいい。古い真空管アンプだと死ぬ可能性あり。
・トランジスタアンプやライン(PA出し)は内部で降圧しているので、死ぬ事はない。せいぜい機器がぶっ壊れる程度。
・ガット絃でも巻き絃は電気を通すので、絃アースが可能。
という訳で応急処置の赤いガムテープなんである。テープの赤に意味は無い。ただ家にそれがあったから。カラフルなガムテープはなにかと便利なので、見つけると買っておく癖がある。18日のライヴが終わったら、楽器を堺市に送って真当なノイズ対策を施してもらう心算。
サドルとブリッヂピンとの間に挟んでいるのは、くしゃくしゃにしたアルミホイル。それに普通の銅線を挟み込み(半田付け等はしていない)、アウトプット・ジャックのナットまで伸ばしている。
これで、手が絃に触れている限り、ハムノイズは消える。この方法はあらゆるエレアコに有効なので、悩んでいる方はお試しあれ。ただし悪条件が重なると、マイクに触れたときぴりぴり来る。
中近東で楽器の女王と呼ばれるウード(Oud)と、ギターとの折衷。ウードは琵琶のような胴、後方に反り返った天神、そして華麗な装飾を伴う美しい楽器だが、このグリセンターは残念乍らゴダンの他のギターと同様、謂わば「のっぺらぼうのテレキャスター」である。マイクはブリッヂ下のピエゾのみ。赤いガムテープについては後述。
どの辺がウードの要素かと云ったら、まずフレットが無い点。そして絃がガットの複絃(同音程)である点。いちばん低い絃だけが単絃で、トータル十一絃という半端な数なのもウードの特徴(つっても十二絃の物も多い)。
広島で、「誰か買うてくれませんかのう」という感じに安売りされていたのを、試奏して気に入り、買った。
ボディとネックの比率からウードより圧倒的にスケールが長く見えるものの、実はそんなに変わらない。いつか再びウードを手にした時の為、ウード調絃(高い方からCGDAか一度上のDAEBで、低音二コースは色々)で練習すべきかとも思ったが、目下メイカーの設定通りギター調絃。
いつか再び、と書いた。そう、むかし本物のウードを持っていたのだ。下手な調絃にすると壊れそうだったので、ちゃんとウード調絃で練習していた。にも拘わらず或る日、ぽーんとブリッヂが弾け飛んでしまった。専門家でもない人が手土産に買ってきたような代物で、日本の激しい気温と湿度の変化は考慮されていなかった。ウクレレもそうだけれど、民俗楽器はそれなりの楽器店で買った方が失敗が少ない。壊れたウードは木工用ボンドで修繕したが、弾いている最中にまたぶっ壊れたら怖いので、絵のモデルとして弟にあげてしまった。
最近グリセンター三昧なのは奥野のバンド、Captain Rocketの為。マトリョミンだけではナニらしく他の楽器も求められ、でもギターは禁止。「なにかアタックの強い楽器を」と云うので、「十一弦もあるんだけど」と申告してみたら、何故かこれはOKだった。
ちなみにキャプテンロケットは、ドラム二人、ベース二人という、冗談のような編成が基本である。次回10月18日は、ここに僕と、更にもう一人のドラムが加わる。先日初めてそのリハーサルに出向いた次第だが、これがなかなか面白い。異様にリズムに偏ったジャズファンク。でも普通の人には、顰めっ面のジャズより分かり易く、楽しいんじゃないだろうか。バンドが続くようなら、僕もなるべく参加し続けたい。
スタジオに古いTwin Reverbがあったので、それにグリセンターを繋いで弾いていた。ドラム三人の音量に付いていこうとボリュームを上げ、ハムノイズに参る。一フレーズごとにボリュームを落とさねばならない程。ケーブルのプラグに触れると静かになる。エレキでは「絃アース」で解決しているノイズだ。弾いている人間を地面に見立て、そちらに余分な電気を流してしまう配線のことで、そういうネガティヴな事をせず本物のアースを取ってくださいと思うのだが、とりわけ日本の電気事情では難しいらしい。
絃アースの安全性と危険性については諸説あるので、断定的な事は書かない。昔はよく、エレキを弾きながらマイクに唇が触れると、ぴりぴりと感電した。大きな舞台で、三メートルくらい後方にすっ飛んだ経験もある。今だったら訴訟沙汰だろう。しかし最近は機材の設計が優秀で、且つPA屋さんやスタジオにちゃんとした知識があり壊れた代物を使い続けたりしないので、感電そのものが皆無に近くなっている。
困った時のTSC頼みで、取り敢えず堺市に電話して対処を相談。対話の内容を抜粋すると――。
・ゴダンというメイカーは、高級なイメージと価格に反して、設計や組立てが適当である。ノイズ対策は皆無。
・真空管アンプはハムノイズが大きい。
・アンプから人体アースを取るといった、無茶は已めたほうがいい。古い真空管アンプだと死ぬ可能性あり。
・トランジスタアンプやライン(PA出し)は内部で降圧しているので、死ぬ事はない。せいぜい機器がぶっ壊れる程度。
・ガット絃でも巻き絃は電気を通すので、絃アースが可能。
という訳で応急処置の赤いガムテープなんである。テープの赤に意味は無い。ただ家にそれがあったから。カラフルなガムテープはなにかと便利なので、見つけると買っておく癖がある。18日のライヴが終わったら、楽器を堺市に送って真当なノイズ対策を施してもらう心算。
サドルとブリッヂピンとの間に挟んでいるのは、くしゃくしゃにしたアルミホイル。それに普通の銅線を挟み込み(半田付け等はしていない)、アウトプット・ジャックのナットまで伸ばしている。
これで、手が絃に触れている限り、ハムノイズは消える。この方法はあらゆるエレアコに有効なので、悩んでいる方はお試しあれ。ただし悪条件が重なると、マイクに触れたときぴりぴり来る。