マトリョミンの話の続き。購入をお考えで、検索して来られた方もおいでだろうから、一ユーザーとしての所感など。
マトリョーシカは、絵付け職人が「自分をモデルに」なさるそうで、僕のは清楚な美人が描いてくださったと思しい。いや欲目ではなく。
そういった外面とは裏腹に優秀な楽器だが、コンパクトなぶん音程に関してはシビアだ。しかも音量アンテナが無く永久ポルタメントを強いられるから、けっこう高度な演奏力が要求される。一箇所押さえれば(本当はまったく押さえなくても)和音になるウクレレなんかとは、最初のハードルの高さが違う。
以下、苦言めいた文言もあるが、楽器自体は本当に良く出来ている。
エキセントリックな楽器だし安い代物ではないので、教則ディスクくらいは付いているものと期待していたが、取扱い上の注意など示した簡単なリーフレットのみ。演奏マニュアルは無い。
代わり、販売元のサイトに、ウェブ・レッスンだとか伴奏音源だとかが有料で用意されている。各地カルチャーセンターではマトリョミン教室も盛んなようで、この辺、お教室ビジネスの香気に噎せなくもない。
自然発生というか猿の芋洗いだったウクレレの盛上りに於いては、謂わば全員がブームに便乗していた。お蔭で短期のうちに感涙ものの再普及が実現して、消耗品にも譜面にも困らなくなった。今やアマチュア層は厚く、市井にも達人が溢れている。ハワイ音楽を軽視する者など一人もいない(と敢えて書いてみる)。
他方、相変わらず風前の灯火なのが大正琴。家元制じみたフルサポート・システムが、楽器そのものや習得経費の高額化を促し、規格統一や改良は阻害して、世界に誇るべき、この国産楽器を締め殺しつつあるように思う。山崎バニラだけが救いだ。女神だ。
とか書いていて山崎氏の顔を見たくなり、Googleで画像検索したらすぐさま川上未映子が出てきた。鬘つながりか。
通常テルミン類には不可欠とされる伴奏音源が、さしたるライブラリも成していないのに有料というのには、正直、かちんと来た。僕のように先にバンドありきでテルミンな人は珍しいから、楽器を買ってしまったら、自動的に伴奏にもお金を払わざるを得ないシステムだ。
完璧にとは行かないだろうが、下記のフリーウェアで、既存のCDからカラオケを自作できる。テルミンは音域が広いからキイの問題は生じないだろう。残念ながらMacには対応していない。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se399616.html
http://www.vector.co.jp/soft/win31/art/se381789.html
理屈のうえでは、ボリュームペダルを挟んでギターアンプ等に繋げば、マトリョミンでも音量可変となる。しかしエレキギタリスト並みにペダル慣れしていないと、姿勢が不安定になるのので難しいと思う。僕はまだ試した事がない。というのもマトリョミンの外部アウトプットは、ステレオ・ミニ・プラグ用のヘッドフォン端子(内蔵スピーカー・オン/オフの二種類)のみなのだ。
パソコンやiPod用のパワード(電源を要する)スピーカーはそのまま繋がるが、楽器用アンプの接続プラグは通常、モノラルのフォン型(標準プラグ)である。
ステレオ・ミニとモノラル・フォンが両端になったケーブルとして、販売元サイトでHOSAのCMPシリーズが推奨されている。サウンドハウスで買えるが、他ではまず見つからない代物。しかもこの情報は、サイト内BBSの一トピックであり、僕はGoogleから辿り着いた。これはどうでしょうと感じた、第二の点だ。
マトリョミンの音はけっこうでかいので、音量面で外部アンプを必要とする人は少ない思う。外部出力を要するのは、空間系エフェクターを使ったり、伴奏とミックスしてモニターしたい場合が多いのでは。
にも拘わらず外部アンプとしてダン・エレクトロの現行HONEYTONEが推奨されている点も――価格やサイズに鑑みての妥協案なんだろうが――やや解せない。プラスティックの軽い筐体は共振し易いし、あのサイズのアンプを歪ませまいとすればマトリョミン側の出力を下げざるを得ず、大して音量は変わらないか、むしろ小さくなるのでは。
かといってサブスピーカーと位置付け、マトリョミン側の音をカットせずに使えば、フェイズアウトを誘発して、位置関係によっては寧ろ聞えづらい。
一万円を出てしまうしサイズもだいぶ大きくなるが、マトリョミンの為に買うんだったら、ローランドのCUBEシリーズ(CUBE StreetやCUBE-15)だと思うけどな。エフェクター内蔵のうえ、AUX端子に伴奏音源を繋ぐこともできる。
マトリョーシカは、絵付け職人が「自分をモデルに」なさるそうで、僕のは清楚な美人が描いてくださったと思しい。いや欲目ではなく。
そういった外面とは裏腹に優秀な楽器だが、コンパクトなぶん音程に関してはシビアだ。しかも音量アンテナが無く永久ポルタメントを強いられるから、けっこう高度な演奏力が要求される。一箇所押さえれば(本当はまったく押さえなくても)和音になるウクレレなんかとは、最初のハードルの高さが違う。
以下、苦言めいた文言もあるが、楽器自体は本当に良く出来ている。
エキセントリックな楽器だし安い代物ではないので、教則ディスクくらいは付いているものと期待していたが、取扱い上の注意など示した簡単なリーフレットのみ。演奏マニュアルは無い。
代わり、販売元のサイトに、ウェブ・レッスンだとか伴奏音源だとかが有料で用意されている。各地カルチャーセンターではマトリョミン教室も盛んなようで、この辺、お教室ビジネスの香気に噎せなくもない。
自然発生というか猿の芋洗いだったウクレレの盛上りに於いては、謂わば全員がブームに便乗していた。お蔭で短期のうちに感涙ものの再普及が実現して、消耗品にも譜面にも困らなくなった。今やアマチュア層は厚く、市井にも達人が溢れている。ハワイ音楽を軽視する者など一人もいない(と敢えて書いてみる)。
他方、相変わらず風前の灯火なのが大正琴。家元制じみたフルサポート・システムが、楽器そのものや習得経費の高額化を促し、規格統一や改良は阻害して、世界に誇るべき、この国産楽器を締め殺しつつあるように思う。山崎バニラだけが救いだ。女神だ。
とか書いていて山崎氏の顔を見たくなり、Googleで画像検索したらすぐさま川上未映子が出てきた。鬘つながりか。
通常テルミン類には不可欠とされる伴奏音源が、さしたるライブラリも成していないのに有料というのには、正直、かちんと来た。僕のように先にバンドありきでテルミンな人は珍しいから、楽器を買ってしまったら、自動的に伴奏にもお金を払わざるを得ないシステムだ。
完璧にとは行かないだろうが、下記のフリーウェアで、既存のCDからカラオケを自作できる。テルミンは音域が広いからキイの問題は生じないだろう。残念ながらMacには対応していない。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se399616.html
http://www.vector.co.jp/soft/win31/art/se381789.html
理屈のうえでは、ボリュームペダルを挟んでギターアンプ等に繋げば、マトリョミンでも音量可変となる。しかしエレキギタリスト並みにペダル慣れしていないと、姿勢が不安定になるのので難しいと思う。僕はまだ試した事がない。というのもマトリョミンの外部アウトプットは、ステレオ・ミニ・プラグ用のヘッドフォン端子(内蔵スピーカー・オン/オフの二種類)のみなのだ。
パソコンやiPod用のパワード(電源を要する)スピーカーはそのまま繋がるが、楽器用アンプの接続プラグは通常、モノラルのフォン型(標準プラグ)である。
ステレオ・ミニとモノラル・フォンが両端になったケーブルとして、販売元サイトでHOSAのCMPシリーズが推奨されている。サウンドハウスで買えるが、他ではまず見つからない代物。しかもこの情報は、サイト内BBSの一トピックであり、僕はGoogleから辿り着いた。これはどうでしょうと感じた、第二の点だ。
マトリョミンの音はけっこうでかいので、音量面で外部アンプを必要とする人は少ない思う。外部出力を要するのは、空間系エフェクターを使ったり、伴奏とミックスしてモニターしたい場合が多いのでは。
にも拘わらず外部アンプとしてダン・エレクトロの現行HONEYTONEが推奨されている点も――価格やサイズに鑑みての妥協案なんだろうが――やや解せない。プラスティックの軽い筐体は共振し易いし、あのサイズのアンプを歪ませまいとすればマトリョミン側の出力を下げざるを得ず、大して音量は変わらないか、むしろ小さくなるのでは。
かといってサブスピーカーと位置付け、マトリョミン側の音をカットせずに使えば、フェイズアウトを誘発して、位置関係によっては寧ろ聞えづらい。
一万円を出てしまうしサイズもだいぶ大きくなるが、マトリョミンの為に買うんだったら、ローランドのCUBEシリーズ(CUBE StreetやCUBE-15)だと思うけどな。エフェクター内蔵のうえ、AUX端子に伴奏音源を繋ぐこともできる。