私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

【反日】馬英九・中国国民党主席(8)~7月訪日実現へ

2006年06月20日 | 台湾

この時節はただでさえ鬱陶しいのに、テポドンやら桜島の噴火、沖縄の土砂災害などなど西日本地区は危急存亡といった感もありますが、とりあえず北朝鮮と福田さんは「やるのか、やらんのか」態度をはっきりして欲しいものです・・・・

◆馬主席、7月10日来日 国民党ニューリーダー(共同)
◆最近の台湾情勢と今年の展望(財交流協会 台北事務所)

ニュースバリューとしてはほとんどスルーされそうなネタですが、台湾の最大野党・中国国民党の【反日】馬英九主席が来月訪日し、「東京で旧知の石原慎太郎都知事と会談するなど政財界の要人と交流するほか、都内の外国人記者クラブと横浜市立大で講演。13日には京都へ移動し、京都、大阪両府知事らと会談、同志社大でも講演する」のだそうです(バーンスタイン指揮ロンドン交響楽団の日本公演みたいな日程だな・・・・)が、少し前には天皇陛下や小泉首相との面会も希望していると報道されていました。さすがにそれは「分不相応」ということになったのでしょう。
この【反日】馬主席って、日本の報道では判で押したように「ハンサムで清新なイメージを持ち」(共同)といった説明が加えられますが、「個人資産の申告総額がこの10年間で4000万元も増え、台湾の億万長者の仲間入りを果たした」(なる台NEWS)のだそうで、党の資産と反比例するかのように色々景気がよさそうですけどね・・・・
もう一つ前から不思議なのは、『日本の新聞が馬英九氏は「反日的である」という記事をいくつか書きましたところ、本人あるいは国民党は相当にこのことを気にしているとみえて「自分たちは決して反日ではない」ということを新聞に対しても言っています』(在交流協会台北事務所)という点なのですが、
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・「主席就任前の昨年三月の訪日では、石原慎太郎都知事や中田宏横浜市長と交友を深めたことを披露。日本の高い社会モラルなどを称賛し、馬主席を「反日的」とみる日本側の懸念の払拭(ふっしょく)に努めた」(産経)
・『「国民党が大陸(中国)と反日で共同歩調をとっているとの報道は不本意だ。私は刺し身も大好きだ。台湾の最大野党・国民党の馬英九主席(台北市長)は10日、台北駐在の日本人記者を集め、自らが反日主義者だとの見方を否定した』(日経)
・「日本では私は『反日派』と伝えられているようだが、違う」(毎日)
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会見した日本人にだしぬけに南京大虐殺がどうのこうのとか、尖閣諸島の領有権についての議論を吹っかけたりするのが趣味とあっては、「今の馬英九氏の日本についての発言の多くは、今日の中国大陸が行っている対日批判とほとんど変わりのない」(交流協会・池田所長)と思われて当然でしょうし、こうした馬主席の【反日】性向については、三月に訪台したアーミテージ・前国務副長官やワシントン・ポスト紙(記事)も言及していましたね。

<Taiwanese who revel in the Japanese colonial years "are still brainwashed," Ma said. "It was not a just war, and Taiwan could have done better" without the citizens who now recall that period with fondness.>
(日本植民地時代の追憶に耽っている台湾人は「未だに洗脳が解けていない」と馬氏は言う。「先の大戦は正義の戦争などではありませんでしたし、愛着を込めて日本時代を回想しているような連中抜きでも台湾は首尾よく近代化できたはずです」)

日本の植民統治下にあった本省人の「台湾経験」と、中国大陸で抗日戦争を経験した外省人の「中国経験」という特殊な歴史背景を等分に考慮し、両者が共有できる歴史認識を形成しようというDPPの姿勢(日本の某親台団体は「対日関係論述」の背景や意図も踏まえず「人気取りのために民進党が反日化」などと相変わらずのようですが・・・・)とは対照的に、【反日】馬主席がポスト紙に語った内容は「日本統治下の台湾で抗日運動をした住民しか認めない」と言わんばかりです。
李登輝・前総統らの「日本統治肯定論」と比べて馬主席は【反日】だというのはあまりに皮相かつ一面的な見方だと思いますし、馬主席は別に無理して釈明などせず、我が意のままに【反日】路線を貫けば宜しいのではないかと私などは思うのですが、「日本植民統治下で奴隷根性を叩き込まれた層」の弾圧を行ってきたのが中国国民党という反共ファッショ・テロ集団の本質であることを考えると、この発言から氏の本性が察せられると申しますか、ちょっと空恐ろしいなと思いましたね。

まぁ、来るなら来るで別に構わんのですが、昨年末の統一地方選後に日本の全国紙が、「本省人(台湾出身者)で親日的な李登輝・陳水扁の両総統下で良好な日台関係が続いてきたが、馬主席率いる国民党の対日動向を慎重に見守る必要がある」(毎日)といった氏を警戒する論調の社説を一斉に掲げたように(産経だけはスルーでしたが)、KMTに対する日本の視線が概ね厳しい点は覚悟しておいた方が無難でしょうね。

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21 コメント

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KMTといえば (tw_dot_com)
2006-06-21 01:20:57
嫁実家の関係で昨年の地方選後KMT地元当選者の宴会に私の両親も一緒に御呼ばれしたんですが、「日本からの賓客」だ(笑)と大歓迎されました。地方レベルでは相変わらず「台湾」ですよ。
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都知事と会う馬主席 (ボッケニャンドリ)
2006-06-21 10:20:56
 ある方面では支那発言で悪名高い石原都知事ですが、旧知なのでそういうのと関係なく会うんですねぇ、馬主席。





馬主席、字面を見ると競馬かなんかのVIP席みたいですね。ま、そういう名前だから仕方ないですけど。
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Unknown (むじな)
2006-06-21 13:57:40
これ、本当に訪日するかは、わからんみたいだけどね。

大体、馬自身が、「総統罷免が無理なら倒閣だ」なんて騒いでいるんだし、倒閣案を上程したら、7月訪日どころじゃないじゃない?



国民党ってわけわからんな。



とはいえ、国民党でも、今回は台中市長や桃園県長や本土派立法委員はまったく声を出していないでダンマリを決め込んでいるし、馬英九が国民党を統制できていないのは明らか。



>ある方面では支那発言で悪名高い石原都知事ですが、旧知なのでそういうのと関係なく会うんですねぇ、馬主席。



それよりも、石原慎太郎が、あれほど「シナ嫌い」のくせに、台湾における癌、獅子身中の虫、大中国派の象徴である馬英九と会って何も疑問に思わないとしたら、しょせん石原のいう反中国は単なる反共だということだし、馬英九と石原は「反共ファシスト」のお仲間だということを示しているようなものだろうね。



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tw_dot_com様、ボッケニャンドリ様 (tsubamerailstar)
2006-06-21 17:35:35
>tw_dot_com様



>地方レベルでは相変わらず「台湾」ですよ。



花蓮懸何かもKMTみたいですが、ここは地理的に「中国国民党」って感じじゃないですよねぇ。「「自民党佐賀県連」みたいなもんなのでしょうか。花蓮と言えば例のワンタン食いたくなります。(笑)

ウチの大学の台北のOB会の会長がKMTの副主席何ですよね。



>ボッケニャンドリ様



石原都知事って中国では日本の極右政治家の筆頭みたいに書かれているのに、そんな人物と面会するとは「中国の許可は得たんですか?」と突っ込みたくなりますが、石原都知事って元々蒋総統マンセーの「反共・自由中国派」みたいですからね。まぁ、馬主席自体オールドファッションな反共主義者と中国側は警戒しているようですが、そういう意味では馬が合うのでしょう。

ところで、長野県知事が高雄に日本酒やら信州観光のPRに行っていますね。高雄というところが何気にセンスあると思いました。









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むじな様 (tsubamerailstar)
2006-06-21 17:48:32
Taipei TimesやTaiwan Newsはおろか、なる台のメルマガですら全く出てないんですよね。どうせ例の調子で台北にいる産経や共同の記者を呼びつけて言っているのでしょうが、来なかったら来なかったで「嘘つき」呼ばわりしてやりましょう。(爆)



KMTは「台湾したたかな隣人」によると08年のどころか07年の選挙が一つの鍵でしょうか。何か本土派の王金平・立法院長の方が何かと気になったりしますが、むじなさんが仰っているように内部は一枚岩とは言えず色々あるんでしょうね。



>しょせん石原のいう反中国は単なる反共だということだし、馬英九と石原は「反共ファシスト」のお仲間だ



石原都知事ってオールドファッションな「自由中国派」と「新中国派」の対立構造そのものに見えますよね。実際蒋総統が沖縄返還に関して理解を示してくれて云々とか言っていましたし。



何か台北の騒動ってCIA秘密漏洩疑惑のローブ補佐官の一件と同じ匂いがするのは私だけ?

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Unknown (むじな)
2006-06-22 01:09:05
いや、共同と産経と毎日は、記者の能力が低いか、もともと青寄りだから、先走って書いただけ。

馬が呼びつけたんじゃなくて、たまたま江丙坤あたりに出くわして聞いただけだろう。しかし、きょう耳に入った話だと江も「単なる予定」と強調していたとか。



だからだよ、記者がまともか、緑よりである中日、朝日、読売、日経は書いていないだろ。



青傾斜が著しい産経ごときの情報を鵜呑みにして、先走っている台湾の声とか独立促進会の宮本はアホ。
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むじな様 (tsubamerailstar)
2006-06-22 01:24:37
日本の親台右翼団体と違ってこの人は欧州でも米国でも外遊時にはボロ出してくれるんで大変楽しみにしておるんですが、この前の日曜夕方のNHKの報道は酷い偏向でしたねぇ。

大体たかが落ち目の台湾野党の党首選を昨年も報じていたのが普通に考えていぶかしく思いましたが、来たら来たでNHKに注目かもしれません。こいつらは「中国」と名のつくものは何でも好きみたいですから。(汗)

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一つの試金石が (蓬莱の島通信ブログ別館)
2006-06-22 13:21:21
馬氏の今後の対日政策を考えるうえでの試金石は、台北市の芝山巌にある日本時代の最初に日本語教師として赴任し住民蜂起で殺された「六士先生」碑の切除問題かもしれません。こちらで日本植民地期の日本語教育史を研究している日本語教師仲間が、ある人物から「あなたは、こんな研究発表をまだしているのですか。次は、六士先生の碑をいつ取り壊すかですね」と言われたそうです。台北市で高砂義勇軍碑切除事件に続く動きや、日本時代の資料や建物を組織的に壊し始めたら・・・。馬氏の政策は、たぶん「外来の政権は、オランダを始め日本も同じように悪だった。台湾国民党(?)は中国で失われた伝統を受け継ぐものだ」というような歴史への書き換えだと思います。
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石原慎太郎が、シナ人馬英九と会いたがる怪 (むじな)
2006-06-22 15:26:42
馬英九は7月は訪日「しない」可能性が高いようです。



もし訪日するとしたら、台湾の声は「抗議」する対象は、馬ではなくて、石原慎太郎でしょう。

だって、あんなに「シナ批判」をしているくせに、シナ人の出来損ないみたいな反日主義者の馬英九と親しく懇談するとしたら、それこそ国賊、売国奴というべきだから。



台湾の声は、どうして石原慎太郎を糾弾しないのか?

台湾社の結成大会も報じないし、陳水扁の弁護もしないし、馬と会う石原を批判もしない。

独立派としても、日本の右翼国士としても中途半端だね。



それからもう一つ不思議なのは、馬英九が石原を会うときに、中国が「馬英九は軍国主義者と会った。漢奸だ」という攻撃をしないこと。

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蓬莱の島通信ブログ別館様 (tsubamerailstar)
2006-06-22 20:00:27
訪米して「一つの中国、中華民国」という一発ギャグをかましていましたからそんな調子なんでしょうかね。

この前NHKの「海外ネットワーク」見てて思ったんですが、台北市長になった頃の写真と比べるとずいぶん老けましたね。まぁ、いい歳した中年のオッサンだからそんな感じかとも思ったのですが、何か顔色が悪かったような。飲みすぎで肝臓が悪いんじゃないですか?(汗)



あ、そうそう。CNNのヒラリーに対する調査ごらんになりました。あんなもんだと思いますよ。ヒラリーと馬は、仮に出たとしても共に南部で票を取れずに玉砕の可能性が高いという点では似てるかも。

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