私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

対日開戦の可能性も排除せず:劉兆玄行政院長

2008年06月14日 | 台湾

「官吏ではございませんが、たまにはおいらもビールが欲しいなぁ・・・・」と試しにタクシー会社に言ってみたところ、「運転手に買ってこさせましょうか?でも、もうだいぶ飲んどらっしゃるでしょう?(笑)」と軽く交わされてしまいました。相手が一枚上手でしたな・・・・

◆War remark by Liu sparks controversy(Taipei Times)
◆EDITORIAL: The premier’s ship is taking on water(Taipei Times)

<Premier Liu Chao-shiuan (劉兆玄) said yesterday he would not rule out going to war with Japan if Taipei and Tokyo fail to resolve the dispute over the Diaoyutai (釣魚台) islands triggered by Tuesday’s collision between a Taiwanese fishing boat and a Japanese patrol vessel. “I believe declaration of war is the last option to resolve controversies between two nations,” Liu said when fielding repeated questions from Chinese Nationalist Party (KMT) Legislator Chen Ken-te (陳根) on the floor of the legislature about whether the Cabinet was ready for a war with Japan.>
(劉兆玄行政院長は昨日、台湾漁船と日本の巡視艇の火曜日の衝突事故で沸き起こった釣魚台諸島の領有権論争を台日両政府が解決し得ない場合、日本に対する戦争の可能性も排除しないという見解を述べた。議場で中国国民党(KMT)の陳根立法委員から対日開戦への用意について再三質疑を受けた劉院長は「宣戦布告が両国間の論争を解決する最後の選択肢であると思っています」と述べた)

3年前と概ね同じ展開ですので、必然的に同じような落書きになりますか。戦争が究極の外交手段というのはその通りですが、ノムヒョンの韓国だってこういう滅多なことは言わなかったのであって、自らの立場と発言の重大性をよく認識した方がよいでしょう。(就任前から無能という前評判でしたけどね)一過性で物事を忘れやすい国民性(だからKMTが返り咲く。ま、後を引かないといういい面でもあるのでしょうが・・・・)のようですが、3年前李国防部長(当時)は、「対日開戦などしたら100%敗ける」という見解を述べていたはず。その間ROCの国防力が劇的にレベルアップしたというわけでもありませんし、合衆国に手綱を握られているROCが米軍基地のある日本と戦争とは、宣戦布告で両国間の論争が解決、どころか「亡国街道一直線」ということになりませんか?

<Liu has been in the job for less than a month. Without stronger support from the president and the KMT legislative caucus, it has to be asked if Liu will last the summer. But if Liu is incapable of understanding the importance of diplomatic language and cannot brush aside rabble-rousing legislators looking to set him up, then he may as well quit now.>
(着任して1月足らずの劉氏だが、総統とKMTの立法院幹部の協力な後押しを欠くのであれば、夏まで持つかどうか疑問符が付く。しかしながら、劉氏が外交用語の重大性を理解できず、手ぐすね引いて罠にはめようとしている扇動的な議員を払いのけることができないのであれば、今すぐ辞任した方がよい)

3年前と決定的に異なるのは、行政院長(首相)の口から対日開戦発言がなされている点です。日本側はこの不穏当発言の撤回を求めるとともに、誠意が見られないようであれば、遺憾ながら懲罰的制裁と安全保障上のオプションの検討も視野に入れるべきしょう。対米ルートを通じた働きかけは直ちに行われるべきで、最悪の場合在日米軍への要請もあり得る点は十分に根回ししておく必要があります。(がんの疑いアリでがん保険の保険証券を探さない悠長な人間はそうおらんでしょうからね・・・・)

<During his presidential campaign, Ma went to some effort to combat his poor press in Japan, traveling there widely and making a good impression overall. But the actions of KMT legislators and party officials — conveniently timed to impress Chinese officials as negotiations continue in Beijing — may undo all of that. As far as symbolism is concerned, there is already enough damage being inflicted on ties with Japan by KMT legislators seeking to blow this incident way out of proportion.>
(総統選の期間中、馬氏は日本メディアでの酷評を払拭すべく尽力し、日本を広範に訪れおしなべて好印象を与えた。しかしながら、KMTの立法員と党当局のふるまい — 北京で(台湾側と)協議中の中国当局が印象操作を行うのにも都合がよい話だが — はその全てを反故にしかねない。領土問題という象徴的な問題が介在している点もふまえると、釣合いを欠くKMT議員の事件に対するやり口は、日本との関係に十分な損害を既に与えている)

台湾の内政問題の煽りを食らっている側面もありますが、折しも10年ぶりに中台両窓口の会談が行われたタイミングでの「対日開戦発言」とは日本もいい面の皮です。仮に今私が台北市内を放浪していても、「反日団体」から不意打ちを食らうことはない(一般市民が「開戦」に燃えているというわけでは決してないと思う。今在日台湾人と「博多一風堂本店」の件でメールやりとりしてましたが・・・・)でしょうが、行政院長の発言が不穏当極まりないだけに、「所詮台湾も中国人。中台統一で名実共に特定アジアの仲間入りですね」と揶揄されても擁護できない感もあります。「親日な国民性」というイメージが大きいだけに、日本側の世論の反発とかなりの禍根を残すのは避けられないでしょうね。(ま、この件が尾を引いて渡航客が激減しても、〝大陸同胞〟がやってくるから台湾的には関係ねー、か?)
Taipei Times紙は〝The premier’s ship is taking on water〟と、漁船の沈没になぞらえて劉内閣およびKMTの対応を批判していますが、「馬英九の台湾」がここまで稚拙とは思いませんでした。

3年前は、「視察」という名目でその後フリゲート艦が派遣されたものの、日本側はまったく警戒態勢を敷いていませんでした。外交ルートを通じて事前の根回しが十分に行われていた節が伺えましたが、今回も首尾よく衝突回避に至ることを期待します。もっとも、日本の漁船の操業も認められていない海域に侵入したという台湾漁船の不法行為(ROC政府の出向許可の類は得たんですか?得てないでしょ?)が騒動の発端であり、その挙句の「対日開戦発言」ですから、私的にはこの行政院長のクビを差し出してもらう位が相応の「手打ち」だと思いますけどね・・・・


中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄 国境なき記者団



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4 コメント

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Unknown (しろくま)
2008-06-14 19:29:50
はじめまして。しろくまでございます。

>ROC政府の出向許可の類は得たんですか?得てないでしょ?

これ、ツボにはまりました(笑)

今回の件はちょっと。。。あまりにも釣り針が多いので
食いついて良いのか悪いのか戸惑いますね。
一部の KMT のアレな方達がバカ騒ぎしているのかと
思えば合点がいきますが。

また、こんな言い方はしたくないのですが、日本政府が
とある一地域の方達が、尖閣諸島の領土を主張していると言うことで、
国際司法裁判所に判断を仰ぐのも良いかもしれませんね。
青ざめるのは大陸側だと思いますが。。。

いずれにしても、向こう4年間こんな事が続くのかと思うと憂鬱ですね。
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遊漁船沈没について (かめちゃん)
2008-06-14 22:17:03
劉さんの地ね政治に対す稚拙さは初めからで・・台湾にいてテレビを実際に見ていて この戦争発言はまったく取るに足らないと無視して好いと思います。赤ん坊が身内から手をかまれて思わず蚊の鳴くような声で・・・という感覚でしょう
それについても、産経新聞がその一点を強調するような記事を書くのを見て 日本人として台湾の媒体と同じレベルを感じたことが残念です。
まったく子供のように騒ぎまわる当事者を含めた 回りの目立ちたがり屋が 台湾の国をますます小さくしているのを見ると残念です。大多数の台湾の人たちは ばかげたどたばた劇をみているしいうことでしょう。
決して 一部の人の発言を鯛手にもしていません。
戦艦の性能対比表をニュースで流すなど 子供のままごとのようではありませんか。
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こんな事になってしまいました・・・。 (在台)
2008-06-15 23:33:00
はじめまして。在臺のものです。
今回の事件に関して、意見を表明しているプログが少なかったので、ちょこちょこ読ませてもらいました。

リンクを貼りましたが、日本側最悪の対応をするようです。
明日の勝ち誇ったような、台湾メディアの報道が目に浮かびます。 この船長台湾の法律にも違反しておきながら、無罪放免どころか新しい船の資金まで獲得するようです。
原因が、こんな金持ち遊びのレジャーボートだったのに。

日本は悪くないのに、まるで悪者。当分台湾暮らしが
つらいです。
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全くですね! (tsubamerailstar)
2008-06-16 18:01:40
>しろくま様

>これ、ツボにはまりました(笑)

「出航許可」の誤植でした。(汗)
一部KMTかどうかはともかく、国民の総意で選ばれた連中がこういう振る舞いしているわけですからねぇ。ちょっと尾を引きそうです。

>かめちゃん様

現地でいらっしゃいますか?まぁ、後で真意を釈明してましたが、Taipei Times紙もトップでしたから。「鈍感力」で日本はスルーしていましたが、地震でそれどころでは、という状況でもありましたね。(汗)

>在台様

昨日は神戸に遊びに行ってましたが、今朝の段階であれこれ驚きました。これに味を占めてポンコツ船で突っ込んでくる連中が増えたりして。(汗)
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