台湾新幹線、板橋以南でテスト開業

今年も残すところ360日を切ってしまいましたが、この連休は九州北部も厳冬といった風情で昨秋の台湾放浪が懐かしく思えてきます。その時の〝記録〟も更新しないまま越年してしまったのですが、春節前かと思われた台湾新幹線（THSR)が年明けに板橋駅以南のテスト開業にこぎつけたようで・・・・

◆High speed trains running smoothly（Taipei Times）
◆台湾新幹線開業「日本とは違う物」ＪＲの安全技術生かせず（中日）
◆九州新幹線に新型Ｎ７００系　本州乗り入れ使用　ＪＲ九州　２０１１年導入検討（西日本）

＜Things went as smoothly as possible on the second day of high speed rail operations with crowds of passengers gathering at train stations to enjoy a weekend railway trip.The only black marks were a six-minute delay on an early train from Taichung to Banciao (板橋) in Taipei County and a 68-year-old man who hurt his head when he slipped and missed his train.＞
（高速鉄道システムの供用開始二日目はおしなべて順調であり、週末の鉄道旅行を満喫する乗客らで駅はごったがえした。唯一の失点は台中発台北懸板橋行きの始発便に６分の遅れが出たことと、68歳の男性乗客が駅のエスカレーターで足を滑らせ頭部を負傷し、列車に乗り遅れたことであった）

予約システムのダウンや二重発券等の混乱に見舞われた台湾新幹線ですが、その後は概ね順調に運用されているようでご同慶の至りといったところでしょうか。
予約・発券といったソフト面でのトラブルの報を目にした当初は、「一年強開業が遅れるという時間的余裕があったにも関わらず、THSRCの職員はその間何をやっていたのか（先頃板橋駅の発券カウンターでは暇そうに二、三人座っていたけど・・・・）」と正直唖然としてしまったのですが、
「日本のようには首尾よく行きませんよ・・・・」
昨秋花蓮の薬局でお目にかかったお婆さん（その後自宅でお茶をご馳走になりました！）の一言に収斂されるのかもしれません。台北市のMRT（地下鉄）第一号の木柵線の開業は計画当初より５年遅れで、開業当初も散々だったようですし、先に開業した韓国高速鉄道（KTX)の開業当初はもっと阿鼻叫喚の光景が繰り広げられていたように（ま、下を見てもキリはないですが・・・・）記憶しています。ちなみに04年３月に暫定開業した九州新幹線では、新八代駅での特急「リレーつばめ」との同一ホーム・対面乗り換えが多客期でも支障がないかどうか、JR九州の社員の家族をも総動員して（＝老若男女取り揃えて）開業前に何度もシミュレーションを行ったようです。（「リレーつばめ」と「新幹線つばめ」を一枚の切符に収めるのも相当難儀したそうですが）
東海道新幹線の開業当初も、「走りながら」ハード面やソフト面を慣らしていった面はありましたが、台湾の場合は現行の上下各19本／日という「間引きダイヤ」の間が正念場となるでしょう。その間THSRCが質の高い乗務員を養成し、乗客の信頼を勝ち取れるかどうかが台湾高速鉄道プロジェクトの成否の鍵を握ると思います。

元旦に試乗した陳総統は、車中の談話で日台関係は断交後最良であると改めて強調するとともに、台湾新幹線も日台友好のシンボルになるだろうという見解を示したそうですが、「零戦転じて新幹線」の戦後日本の姿と同様、台湾新幹線が平和と繁栄の使者たらんことを祈念したいものです。

〔備忘録〕THSRCのサイトは日本語版も準備されているようですね→台湾高速鉄道

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