私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

尖閣・・・・その後 中国(台湾)国民党の〝オーバーラン〟

2005年06月23日 | 台湾
私は以前このブログで、
「今年の梅雨は〝亜細亜東方の悪友〟もねっとり絡み、いつにもまして鬱陶しいものになりそうです」
と書きましたが、亜細亜東方の悪友に加えて、中華民國(台湾)まで絡み、さらに福岡では水不足の懸念(これは関係ないか・・・・)とは全く皮肉なものです。日本列島がオセアニア辺りに引っ越せたら・・・・それが無理なら(無理ですね)鎖国復活させてまったりしたい今日この頃。
さて、中華民國海軍による尖閣諸島近海へのフリゲート派遣ですが、台湾週報によりますと、外交部は21日、
「軍艦の視察は台湾の領海範囲内であり、日本側と衝突が発生することはない。視察の挙行は台日の漁業会談に影響はない」
との声明を出した模様です。
そもそも、この軍艦派遣を言い出した中国国民党(中華民國在台湾と同じで現在は大陸の実行支配はしていない台湾の政党なんですが)、の王金平・立法院長(国会議長)は、来月の国民党主席選挙に名乗りを挙げており、その辺りの事情も関係していたことは見え見え(従って日本から見るとさらに解りにくい構図となっていた)だったのですが、読売新聞の報道でもそのことについて言及しています。
な~るほど・ザ・台湾から関連する記事をいくつか拾ってみましょう。
--------------------------------------------------------------日本政府、台湾と7月に漁業交渉?
 
立法院長の王金平氏、国防部長の李傑氏等が21日、台湾軍艦のフリゲート艦に乗り込み、日本と台湾が漁業問題でもめる尖閣諸島周辺の海域を視察した。王立法院長と立法委員等は甲板で国旗を掲げ、「釣魚台(尖閣諸島)は我々の領土である。国家の主権を守ろう。中華民国万歳」などとスローガンを連呼した。一方、事態を重く見た日本政府は、第15回漁業交渉について7月に協議すると対応策を示した。
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パフォーマンスも結構何ですが、「独島は我が領土」と叫ぶ某三国人と同じような痛々しさを感じるのは私だけでしょうか?
そもそも、優先順位としては尖閣よりも、対岸からミサイル向けられている台湾海峡だと思うんですけどね・・・・
もっとも、
--------------------------------------------------------------謝行政院長、「台湾漁船の保護に全力を傾ける」

沖縄の平良海上保安署は18日、漁業法違反で台湾漁船「金明財11号」の船長を逮捕した。船長等は日本の経済水域で操業していた事実を認めているという。台湾側の報道によれば、日本の沖縄県議会が尖閣諸島の主権を宣言する準備を進めているが、行政院長の謝長廷氏は19日、沖縄県議会の主権宣言は日本の民間団体の行動に過ぎないと語り、日本政府と交渉し一刻も早く船長等を救出しなければならないと強調した。
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「沖縄県議会の主権宣言は日本の民間団体の行動に過ぎない」・・・・う~ん、この辺のコメントはただ感情的に喚くしか能のない某三国人とは一線を画していますね。
ちなみに、中華民國の国防部長はやはり〝乗り気〟でなかったようです。
--------------------------------------------------------------李国防部長、姿を見せず

台湾海軍のフリゲート艦が21日、尖閣諸島周辺の海域を視察した件で、国民党の王金平立法院長と共に乗船した李傑国防部長が船上に姿を見せず、マスコミの話題に。李氏は6時間半の視察の間、ずっと船室に引きこもっていたという。フリゲート艦が台湾北東部の蘇澳港に到着すると、李氏はやっと姿を現した。取材陣の質問に、「(王金平)立法院長がどうしても乗船してくれと言うから仕方なく乗船した」と回答するなど、王氏の尖閣諸島領有権主張に関心を示さない様子だった。
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与党の民進党は、軍艦の派遣は行き過ぎと批判しています。
--------------------------------------------------------------陳総統、尖閣諸島視察についてコメント控える

立法院長の王金平氏等が21日、海軍巡洋艇で尖閣諸島周辺の海域を視察する件について、総統府のスポークスマンは、陳水扁総統は立法院長や立法委員の決定についてコメントを控えていると語った。国家安全会議会は会議を招集、日本との漁業紛争について検討する見通し。一方、与党・民進党立法院党団は、王氏が軍部の力を利用して漁業紛争を解決しようとするのは行き過ぎではないかと否定的な見方を示している。
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中国国民党も、〝連戦〟主席の下で総統選に〝連敗〟して(それでも主席の責任論が浮上しないとは、何とも寛大な政党です)、失地回復を図るべく、対日強攻策で現政権与党に対立軸を張っているのでしょうが、日本(自民党)とのパイプを犠牲にしてでも得られるものがあるならともかく、もう少し冷静に自らと中華民國(台湾)の置かれている立場を考えたらどうかと思います。暴れるのは立法院(国会)の中だけにしておく方が無難でしょうね。
私は再三、国民党の対日戦争発言に対しては、撤回を求め、応じない場合は報復措置を通告べき旨申してきましたが、私だったら、「2+2」の共通戦略目標から台湾海峡を外すことの示唆(台湾有事の際でも日本は一切関与しない)と、米国に圧力かけて「台湾関係法」に基づく台湾への武器供与をストップさせる旨を通告しますね。
そして、漁業交渉であんまり無茶言うようだったら、
「それでマグロやブリがたくさん獲れるようになっても、買ってくれるお客がいないとお宅も困るんじゃないですか?」
と脅しをかけるでしょう。商社に圧力かけて輸入を締め上げることくらい、造作もないことでしょうから・・・・

それにしても中国国民党って野に下ったせいなのか何なのか、情けない政党になっちゃいましたね。中華人民共和国の「反国家分裂法」制定に対して、
「それなら、こっちも大陸反攻政策を復活させるぞ!」
と気勢を上げるならまだ男気がありますが、主席が揉み手すりすりで訪中して、小学生に歌を歌って貰って大はしゃぎし、パンダの話に喜色満面ですから、傍から見ていると〝飛んで火に入る夏の虫〟にしか見えない。挙句の果てには日本にあてつけのパフォーマンス・・・・こんな調子だから二期連続で野党生活やっているんじゃないでしょうか?
私は以前、中華民國は移動サーカス国家だと述べましたが、突き詰めるとその居場所は、金門、馬祖(ここは米華相互防衛援助条約でも防衛の対象外だったのが興味深い・・・・)ということになるのではないでしょうか。台湾は日本の領有権放棄後、その帰属先が明記されていないのですから、マレー半島と同じく台湾人と原住民のためのものであるのは明白なはずです。
中華民國の台湾巡業もぼちぼち60年ですから、そろそろ次の巡業地の金門、馬祖に移動してもらって、国民党はそこで国共合作なり大陸反攻なり好きにやればよい。そして残った台湾人と原住民と台湾に残って頑張りたい中国人が力を合わせて台湾国を建国すればよいと思いますけどね・・・・

台湾は政府系機関の発行するパンフ等でも〝台湾〟を強調しているようですが、現在の国名はあくまでも中華民國。そしてその〝二つの中国〟がずるずる続いていることが国際間交渉での面倒な要因の一つとなっている点ははっきり認識してもらいたい。李登輝前総統ではないですが、日本と中華民國が目下〝特殊な国と国との関係〟にあるのは間違いないのですから・・・・

※写真・・・二二八和平公園の花壇    

二月上旬でこのように美しい光景でした。

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5 コメント

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Unknown (笹団子)
2005-06-23 23:06:31
今回の漁業問題、深くほりさげてもらって面白いです。 実は国民党だけの事情ということですか。 本当に中共に擦り寄って情けないですね。 蒋介石も草場の影で泣いているでしょう。
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笹団子様 (tsubamerailstar)
2005-06-23 23:22:54
コメント有り難うございます!



>蒋介石も草場の影で泣いているでしょう。



これ、私も思いました。中正公の遺体は仮安置・・・・つまり未だに通夜が継続中みたいなんですが。(汗)

国民党だけの事情、とは言い切れない根深い部分もあるみたいなんですよね。国防部は日本と戦争する気はないものの、予算は欲しい。しかしながら、その予算が野党の反対で・・・・という事情もあり、そこがまた複雑。陳総統がダンマリ決め込んでいるのもその辺りもあるんかなぁと思うのですが。

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台湾軍は冷静 (tw_dot_com)
2005-06-23 23:45:57
今回の王金平氏尖閣クルージングについて、TV報道の中で台湾軍幹部のコメントがあり、「もし本格的に日台軍事衝突という事態になった場合、台湾軍は必ず負ける」と言っていました。



現状日本側が台湾付近の海域で活動しているのは海保の巡視船くらいで、あくまでも警察が取り締まっている状態です。

日台間ではまず軍隊同士のガチ勝負はありえないとは思いますが、軍隊と言う冷静な組織に所属している李傑氏もこういった事情から乗り気ではなかったんですね。
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Unknown (広島高速2号線)
2005-06-24 02:45:29
中華民国を移動サーカス団に例えるのは面白いし分かりやすいですね。



某板の自称・国民党員さんの書き込みもただ笑っておしまい、にできない部分もあると思います。



さて、国際法に照らせば、台湾の中華民国は亡命政権の定義に合致しない、と台湾の憲法学者の授業を受けました。



なんでも下記2点の要件を満たしていないとのこと。



1.内乱ではなく、外圧によって政権維持ができなくなったこと。

2.政権温存のための土壌を、主権独立国家の中に求めること。



国共内戦は文字通り内戦であり、内乱ですね。

あと、台湾は日本が放棄してから帰属先未定。当然、主権独立国家だったわけではなく…。



と考えると、ますます「サーカス団」が言い得て妙だな、と感じられてしまいます。
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Unknown (書生くん)
2005-07-06 18:49:57
TBいただきましてありがとう御座います。

遅ればせながら(本当に遅くて申し訳ありません汗)こちらから

もTBさせて頂きました。今後とも宜しくお願いします。
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