私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

台湾巡視船9隻らが再び領海侵入:尖閣沖

2008年06月16日 | 台湾

魚釣島沖での台湾漁船沈没では、急転直下日本側が「謝罪と賠償」となったようですが、日本の領海内における接触事故ですので、国内法に照らし合わせ両者の過失を書類送検という判断なのでしょう。海保の巡視艇が台湾漁船に停船命令を出していなかったのは致命的なミスで、無害通航権の面からも問題でしょうが、それにしても海保側が人身御供にされたようで唇をかむ思いがいたします。現にこの「政治判断」は全く功を奏しておらんようですし・・・・

◆台湾船6隻が領海侵入  尖閣沖、11管が退去警告(共同)
◆町村氏「極めて遺憾」 台湾船の領海侵犯(産経)
◆Japan’s representative expresses regret(Taipei Times)
◆巡視船と遊漁船の船長を書類送検 往来危険容疑など(朝日)
◆台湾船沈没、海保が謝罪  「巡視船にも過失あり」(共同)

TECRO駐日代表召還、外交部「日本事務会」の廃止と手際よく事が進んでいる感もありますが、「72年の日華断交以来以来最良の関係にある」と太鼓判を押していた許世楷代表も、退任間際でさぞ無念だろうな、と心中察します。遺憾ながらもはやそれは過去形であり、「74年の日華断航以来最悪の関係にある」と認定せざるを得ない。
当時台北側は中華航空機の青天白日満地紅旗に対する大平外相(当時)発言に猛反発した訳ですが、香港返還に際して連中は自主的にこれを梅の花マークに塗り替えているんですよね。日本に対して強硬に主権を主張する一方で、「一つの中国」の解釈といった主権問題への抵触を巧みに避け、北京と握手している光景と重なり苦笑しますが、何れにせよ<連共疎(反)日>路線で今後行くという宣言なのでしょう。
事実、「日本事務会」の解散が報じられた直後の今朝、日本側の「手打ち」のサインを無視する形で再び領海侵入事件が起きましたが、漁船との接触事故が起きた段での「日本事務会」は、海巡署に対し日本の領海内に入らないよう慎重な行動を指示していたようです。陳水扁政権時代の05年10月、対日関係の強化を目的に外交部内に独立した組織として設置された同事務会ですが、その姿勢は「軟弱だ」といわんばかりに解散に追い込み、逆に海巡署の護衛というお墨付きを与える形で再度領海侵入を行うという挑発的行為は前代未聞。だしぬけの駐日代表召還という外交常識の逸脱ぶりもさることながら、歐鴻鍊外交部長は北朝鮮もびっくりの「狂犬」と言わざるを得ない。



衝突事故に対する日本側の審判は公正であったのでしょうが、「そもそも論」の一つでも言って(日本漁船の操業も許されていない地域での操業許可を出したんですか?出してないでしょ?)台北側に釘を刺さなければ、文字通り身を挺してかような日本の領海を護っている現場の士気に悪影響を及ぼすだけでしょう。(今日の領海侵入の件はやりづらかったろうね・・・・)甘っちょろい「政治判断」の煮え湯を飲まされるのが海保の任務ではありません。台湾との関係悪化を避けたい思惑が日本側にあったのは間違いなく、だからこそ乗組員や釣り人らが速やかに解放されたのでしょうが、「友好関係」維持のために「領海」の維持もままならない(こんな調子なら仕事にならんのではないか?)というのは本末転倒も甚だしい。以下のような報道もあるわけですし・・・・ 

<日本EEZ内 台湾漁船267隻を確認>  
 日本の排他的経済水域(EEZ)内で確認した台湾漁船の数が今月に入って既に延べ267隻(11日現在)となり、2007年度の250隻を上回っていることが13日、沖縄総合事務局のまとめで分かった。同局は「(08年度は)過去最高だった04年度の314件を上回る可能性がある」と危機感を強めている。 
 日本と台湾がそれぞれ主張するEEZの範囲は異なるが、燃油高騰で遠洋漁業が敬遠される中、沖縄近海での操業が近年は増加傾向にある。はえ縄が絡まるなどのトラブルも多発しているが、外交的要因もはらむだけに「解決のめどは立たない」と関係者は困惑気味だ。 例年、沖縄近海で台湾漁船が確認されるのは、クロマグロ(本マグロ)の回遊シーズンと重なる4―6月に多いという。だが今年4―5月では、前年同時期の約2倍に当たる199隻で、過去最高を上回る勢いで推移している。 同局は県漁業協同組合連合会などの陳情などを受け、03年から取り締まりを強化。水産庁の協力で漁業取締船を延べ30隻動員するなど5―7月に集中的な取り締まりを実施し、年間200隻を下回るなど減少していた。 今年に入り、台湾の巡視船(台湾公船)が操業を保護する「これまでにないケース」も増えている。今月4日には、八重山列島北側で集団操業していた漁船21隻に、同局の漁業取締船が警告した際、台湾公船1隻が割り込む事例もあった。 同局林務水産課は、漁業者の情報を基に取り締まりの効率化を模索する方針で、「可能な限り取締船を配備し、しっかり監視と警告を行う」としている。(2008年6月14日沖縄タイムズ)
休日出勤して事に当たった外務省中国課の職員もいたでしょうし、日本側の「穏便」な幕引きのサインは完全に無視された格好となり、遂に官房長官談話も出てまいりました。日本側担当者の面子は丸潰れといった塩梅(彼らは彼らで相当頭に来ていると思いますよ)で、どういう形であれ禍根が残る(それで誰が得するのか?と考えるとますます腹立たしいですが・・・・)のは避けられないでしょうね。台湾側には改めて、今後「上陸」という不法行為を目的とする船を差し向けたら「無害通航」なぞという話はあり得ないと警告を発するべきでしょうし、現状18日にキッド級ミサイル駆逐艦を尖閣沖に派遣するなどといっている以上、海上警備行動の発動も見据えておく必要があると考えます。

3年前に想定した最悪の事態、すなわち尖閣が<第二のフォークランド>と化す事態も想起されます。上陸・不法占拠前の段階で合衆国側が介入することはないでしょうが、一旦占領をゆるせば日米安保の試金石です。それ以前に、時の宰相、マーガレット・サッチャーのような決然たる姿勢で主権を護る覚悟が問われるわけで、それは我々国民に突きつけられた質問状でもあります。


中国はジャーナリストにとって世界最大の監獄 国境なき記者団


最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (フフン!)
2008-06-16 22:33:48
だが、日本は首相はチンパン、外相は高村なんですよね。
正しく負のスパイラルに嵌りまくり。
(台湾側も)そこら辺を見越しての行動とは言えまいか。
返信する
Unknown (高峰康修)
2008-06-17 00:04:06
占拠される事態だけ絶対に阻止しないといけない。
「わたしどもと同じようにクラスター爆弾を使うのをやめてください」なんて、どアホなお願いをしているようじゃ、日米同盟もかなり危ういですよ。それ以前に、自助努力をしない国など危険を冒してまで助けないのでは。サッチャーの英国ですら全面的かつ積極的な支援を受けたわけではないのだから。

それから、「謀を伐つ」か「交を伐つ」か知りませんが、中台にくさびを打ち込まなきゃ。自分とこでも書きましたが、この際、台湾が独立した主権国家としての振る舞いをしていることを大いに喧伝すべし。
返信する
Unknown (tsubamerailstar)
2008-06-17 00:43:17
>フフン!様

>だが、日本は首相はチンパン、外相は高村なんですよね。

日本には「遺憾の意連続高射砲」という最大の武器がある。(爆)
私的には、福田の時に地震が起きたらえらいこっちゃと思っていただけに、東北の地震はアイター!って思いました。

>高峰康修様

>サッチャーの英国ですら全面的かつ積極的な支援を受けたわけではないのだから。

空中給油機とかその他ちょろっとという感じだったんですよね。
米国は領土紛争には介入しないからなぁ。

>台湾が独立した主権国家としての振る舞いをしていることを大いに喧伝すべし。

中台の主権問題曖昧に両岸関係進展させたがっている現状がありますのでねぇ。ま、中国側に追いやる事態だけは日本が貧乏くじだから避けたいですが、この件もどう転ぶか。
本気で歯向かってくるとは思いませんが、最悪の場合を想定した強固な姿勢は必要だと思いますし、冷静さは保ちつつも、事なかれ主義であれというのは基本的にどうかと思います。北朝鮮の拉致、韓国の竹島、中国の反日デモ、いつも日本は冷静に対処しようと言って、挙句舐められますしね。

当の台湾は、「魚釣台」煽る報道の後で、太平洋そごうの京都物産展の映像といった調子かとは思いますが。(笑)





返信する
Unknown (NES2A03)
2008-06-17 02:27:41
はじめましで、よろしくお願いします。

今回、尖閣諸島事件は中国とKMT作成した政治ドラマです、目的は馬英九作成した台湾政治の混乱を隠し
。 また、日本と台湾の友好を防ぐ。それは非常に邪悪。

台湾人として、私は非常に恥じている感じた、また非常に悲しいです。本当に、すみませんでした

80%-90%台湾のメヂアは中国とKMT支配される、ですがら、媒体は中国の宣伝と偽造ニュース作成の強力な用具である。

日本は、東京都の住民票に「台湾」容認、台湾人の日本入国ビザ必要はないし、これらのすべてのもので、中国とKMTはやはり怒っている。そしで、偽造ニュースど尖閣諸島事件は起こされた。

俺は日本語を下手、ごめんなさい。台日友好を祈ります。


First time poster, hope this post can explain my thoughts.

What happened this time in 尖閣諸島, the whole thing was created by China and KMT, and it was a political drama. The purpose is to cover up the political chaos and policy mistake made by 馬英九. It was also trying to prevent Japan and Taiwan getting to close to each other.

As a Taiwanese, I felt very ashamed by what they have been doing, and felt very sad as well. Really sorry about what happened.

80%-90% of Taiwan’s media are owned or controlled by China and KMT, therefore, those media are power tools for them to promo China and their fake new propaganda.

Japanese government approved that resident from Taiwan should be addressed as “Taiwan” in Tokyo area, also waved the entry Visa for Taiwanese long ago, all these things made Chinese and KMT very angry. So they created this fake event to fan up the whole thing.

My Japanese is really terrible, sorry about that. Best wishes to the friendship between Japan and Taiwan.
返信する
Unknown (泣きたい台湾親日派)
2008-06-17 10:32:21
日本のネット上で罵声を浴びられているという状況が一番つらいです。
乗り越えなきゃ。。。。
返信する
Unknown (syu-sui)
2008-06-17 17:03:36
しかし、いくら中国や韓国との領土問題でイライラしているとは言っても、
某掲示板などが突然、罵声(開戦など)で溢れるのはいくらなんでも違和感がある。

何割かは中国の工作員の活躍によるもの、というのは考えすぎかな。
返信する
Unknown (tw)
2008-06-18 17:47:38
台湾の掲示板を一切読まないことにしています。 理由は同じです。
返信する