私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

それでも〝魚釣台〟は我が領土

2006年06月04日 | 台湾

英国大使館は1872年以来千代田区一番町・皇居前という超一等地に置かれており、日本にある各国大使館の中では最強のポジショニングかと思いますが、幕末は侍に襲撃されて各地を転々とするなど、それなりの辛苦もあったようです。(B29には襲撃されなかったようですが)
大使館に置かれている無料のパンフ等は何かと役に立つので、その国を初めて訪問する際はなるべく立ち寄るようにしているのですが、当初台湾の大使館に相当する施設の名称が判らなかった私は<台北駐大阪経済文化弁事処福岡分処>を探し当てるのには大変難儀しました・・・・

◆Taiwan to set up its first Okinawa TECRO office(Taipei Times)
◆台湾「中琉」の名称変更/本土並み「駐日代表」に(沖縄タイムス)

「台湾は大使館に当たる台北駐日経済文化代表処を東京に、総領事館に当たる同弁事処を横浜、大阪、福岡に置」いているのですが、沖縄のそれは<中琉文化経済協会駐琉球弁事処>というさらに判りづらい名称です。これは台湾が潜在的に沖縄の領有権を主張しているためであり、沖縄はビザの発給条件等が本土のそれとは異なる(写真がもう一枚必要)といった説明が『地球の歩き方』には記されていましたが、中正国際機場で「琉球(OKINAWA)」という電光表示を初めて見た際は何とも奇異な感じがいたしました。

<Asked whether the presence of a representative office in Okinawa signified Taipei's recognition of Okinawa as part of Japanese territory, Lo said only that since 1972 the country "has never denied" that Okinawa belongs to Japan.>
(代表処の設置は台北政府が沖縄を日本の領土の一部として認知することを意味するのかと質問された羅氏は、1972年以降同国は沖縄の日本への帰属を「否定してこなかった」と述べるにとどまった)

Taipei Times紙(日本語訳)のこの部分を見る限りでは玉虫色の回答といった感じですが、現地では「琉球の帰属問題で重大な転機が訪れた」(中央通信)という報道もなされているようです。まぁ、この辺りは中華民国という〝もう一つの中国〟の建前といったところ(「琉球」という呼称はそのままのようで・・・・)なのでしょうか。
中正祈念堂の敷地内でプロ市民が「琉球は我が領土」と叫んで日章旗を焼いたとか、在日米軍が中華民国軍の沖縄侵略に警戒しているといった話は寡聞にして存じませんので、この辺は実質どうでもいいのかもしれませんが、

<The ministry official yesterday said that while the government does not deny that Japan has sovereignty over Okinawa, it is indisputable that Taiwan has sovereignty over the Diaoyutais.>
(省の官僚は、昨日、政府は日本の沖縄に対する主権を否定しない一方、台湾が魚釣台に対する主権を有していることは明白であると述べた)

【反日】馬英九KMT主席は三度の飯より尖閣諸島がお好きなようですが、6月14日号のサピオ誌でも在台ジャーナリストの酒井亨氏が「反日主義者が総統になれば、尖閣問題などで日本に対して強硬路線や難癖をつけてくる可能性は高い」と指摘しています。馬主席はPRC台湾特別行政区初代長官を志向しているわけではない(「反共だが、反中でない」ということは蒋介石の再来か?)ようですし、<国共合作>で尖閣共闘作戦といった極端な手段に出る可能性は少ない気がするのですが、台湾側が強硬路線に転じたら、それに呼応して中国が騒ぐのは必至でしょうね。(想像するだけで鬱陶しい)
【反日】馬英九主席は漁業権に絡めて漁民(これが台湾の漁民とは限らないのが面倒!)を煽ってくる可能性も高いようにも思いますが、さしあたっては、日台漁業交渉という交渉のパイプ(硬軟織り交ぜた姿勢が重要かと)を途切れさせないよう、円滑に推進しておくことに尽きるのかもしれません。もっとも、前交流協会台北事務所長の内田勝彦氏によると、日台漁業協議は在任中一番頭の痛かった問題だったそうで、「私は今日の良好な日台関係を損なう恐れのある最大のトゲはこの漁業問題ではないかと思っている」と著書の中で指摘しています。昨年もこの時期にひと悶着ありましたし、個人的には〝もう一つの中国〟の建前が本音に転じるような政変劇がないことを願いたいものです

このところ日本でも台湾でも<インサイダー取引>が世間を賑わせているようですが、どうなりますことやら・・・・

話題満載!★厳選★珠玉のブログリンク集



最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
国境警備隊 (PJ)
2006-06-05 10:49:27
日本は作っちゃいけないんでしょうかねぇ?

尖閣諸島や対馬に置いてもらいたいんですけど・・・。
返信する
政変が起こると? (yosiaki)
2006-06-05 22:22:14
日本はヤバスということになるんでしょうか?

韓国の混乱は笑えますが、台湾は笑えない感じがしますねー。ずばり、政権交代の確率的にはざっくりどんなもんでしょう?
返信する
PJ様、yosiaki様 (tsubamerailstar)
2006-06-05 23:38:22
>PJ様



海洋権益を守るための法体制の欠陥というところに尽きるのでしょうかねぇ。

沖永良部町下地島の空港は3500メートルの滑走路持ってますし、ここに航空自衛隊を置くべきだと個人的には思います。



>yosiaki様



いやぁ、そんな自民党の後継総裁が誰になるのかも判らないのに、ましてや旅行先の国のことなど如何とも・・・・もっとも書物等から過去二回の選挙の傾向を中央競馬風に見たところ、



・前売り単勝オッズ一番人気の信頼性は低い

・ゴール前激戦(一着が五馬身差で圧勝というのは想定しづらい)

・良馬場より重~不良馬場といった展開

・先行馬はあまり有利ではない

・落馬や出走取り消し等の波乱要素が高い



・・・・同じGⅡでも前年からの戦跡等で力関係が判りやすい「産経大阪杯」というより、波乱のハンデ戦の「目黒記念」か「アルゼンチン共和国杯」といった感じのような。「馬券的」には難しいですね。私はこういうレースには張りません。(爆)
返信する
Unknown (kousotsudr)
2006-06-06 00:59:23
はじめまして,TB有り難うございました.

拝読いたしました.なるほど,反日色の強い総統が誕生すれば,潜在が顕在に転化してくる可能性が高いと云うことですね.その駆動力は漁業権になると.

国民党というのは何処まで中共に迎合するつもりなのでしょうかね.その度合いによって尖閣に対する主張も強弱が付くように思うのですが.

返信する
風刺画 (ボッケニャンドリ)
2006-06-06 13:51:40
> 日本の政界についても台湾から漫画で論評していただけないでしょうか。

新聞取ってないので風刺画を見る機会が少ないです。近藤日出造が良かったなぁ、と。
返信する