私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

台湾に「新幹線」が走る日

2005年02月20日 | 台湾
台湾高速鐵路(台湾新幹線)は台北~高雄を最高時速300キロ、最短80分で結びます。日本でいうなら、東海道新幹線にあたる大動脈、距離的には東京~名古屋と同程度です。
最小半径6000m、設計最高速度350km/hと、本家日本もびっくりするような高規格路線なのですが、従って、基点の台北と終点の高雄以外は在来線の駅からはかなり離れた位置にあります。日本で言うところの「新○○駅」の感覚なのですが、あえてそうすることで、沿線開発をしようという目論見のようです。
台湾高速鐵路の車両は、欧州方式採用で9分9厘決定だったところを、日本勢が逆転グランドスラムで受注に至りました。実質的に日本の新幹線が初めて海外に嫁ぐことになった訳です。

東京駅の新幹線ホームの先端には、
「東海道新幹線。それは日本人の叡知と努力によって完成された」
と書かれた銘板があります。
敗戦の焼け野原から19年、計画からわずか6年余りで、時速210キロの「夢の超特急」を完成させたのは、やはり尋常ならざる離れ業です。20世紀の日本を代表する最大の工業製品だと思いますし、それが日本と縁が深い台湾に嫁ぐかと思うと、実に感慨深い思いがいたします。
新幹線の偉業は、モータリゼーションや航空機の台頭で「鉄道斜陽論」が叫ばれていた全世界に衝撃を与え、その後フランスを初め、世界各国に高速鉄道網が花開きました。
東海道新幹線の開発にあたった技術者の中には、かつて零戦等軍需兵器の開発に携わった方も多数いらしたそうです。彼らの技術は、世界一安全で高速な鉄道へと活かされたのです。

19世紀末、清から割譲された台湾の地へ日本が統治に赴きましたが、それは結果的に大東亜戦争へ至るレールとなりました。
しかし21世紀に新たに敷かれた「新幹線」のレールは、平和への道程であって欲しいと心から願わずにいられません。

※写真・・・・1月27日、初めて本線を試験走行する台湾高速鉄路の700T車両

HSRのTVCMは、http://www.thsrc.com.tw/bulletin/2005cf.wmv

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