桜が散り始めると、「今年も終わったなー」、そう思う人も少なくないのではないだろうか。そろそろこの景色を見られるのも「あと何回だろう」、そう考えるカウントダウンに入る年齢が近づいている。だからこそ、こころに余裕なくこの季節を迎え、落下する花びらの光景を見ていると、後悔のようなものがくすぶる。一本桜をここ数年紹介してきたように、桜にはことかかない長野県では、まだまだ山桜が段丘崖に淡い色を魅せ、桜ゆく季節をわたしたちは見送っている。しかしながら、よそからやって来る余裕ある人々に惑わされながらも、指折り勘定する時がきっとやってくるのだろう。この季節ほど、淡い後悔が燻ることはない。とりわけ天候に惑わされるほどに、それは高まるもの。
仕事で中川村に向かった。このごろ伊那市から中川村へ向かう際には、主要地方道の伊那生田飯田線をよく利用する。このことは昨年も何度か記した。今日はあまり深く考えていなかったため、天竜川右岸の段丘上を走って南下していたが、途中で昨日顔を出していただいたお客さんのところに寄ってみようと天竜川河畔まで下ったついでに、その後は例の如く天竜川左岸に渡り、伊那生田飯田線を中川まで南下した。駒ヶ根市吉瀬から中川村までの険しい道を走る地元の車はもの好きで、今はほとんどいない。ところがそんな険しい道に対向車がやってくる。みればすれ違う車は、ことごとく県外ナンバーの車。この日も近ごろあったであろう落石を、取り除いたばかりという光景があった。それほど険しい道だ。あえてリスクを抱えて通る道ではないのだろうが、そうした道を県外車が走る。もし落石による事故があったら、管理者であるお役所の責任が問われても不思議ではない。にもかかわらず落石を注意するような表示はほとんどない。県外車通行お断りにしても不思議ではない道なのだが、道は公のものだから、そんなこともできない。しかし、自己責任であるくらいの注意書きはあってもおかしくないほどの道であることは、通ってみた人はわかるはず。
南下しながら、ポイントで写真を撮ってみた。まず駒ヶ根市中沢から見た木曽駒ケ岳から空木岳にかけて。3月上旬に「すでに“島田娘”現る」を記したが、その後に降った雪で、島田娘は再び真っ白に戻ったが、間もなくまたその姿を表すところまできている。段丘崖に山桜が点在して咲いているのが、この季節の典型的光景である。
同じ中沢の中の吉瀬は、少し離れたところにある独特な空間をもった集落。集落西側は急峻な崖を経て天竜川に落ち込んでいるため、木々に遮られることなく、右岸が見渡せる。1枚目は南駒ヶ岳を望み、2枚目は宝剣岳を望む。見晴らしの良さではここほどのところは他にない。国道153号の中田切川橋も、そう遠くないうちに完成する。
同じ南駒ヶ岳を中川村飯沼から撮影したもの。南駒ヶ岳はこのあたりまで南下したほうが稜線の格好はいい。やはり段丘崖に山桜が点々と…。いずれも写真ではあくまでも雰囲気に過ぎず、実見するのが一番。これら写真はいずれも伊那生田飯田線から撮ったもの。里山に手が入っていた時代なら、どこからでもこうした光景が望めたのだろうが、今は木々に遮られて、なかなか見渡す限り、という場所は少なくなった。
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