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伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

新山奈良尾の十王像

2025-06-13 23:07:02 | 地域から学ぶ

閻魔王                 都市王

司録                 奪衣婆

 

 伊那市新山の奈良尾会所は、最近建て直されて新しい。『伊那市石造文化財』(伊那市教育委員会 昭和57年)に「奈良尾公民分館前」と記されていてどこかはっきりしなかったのだが、それらしい場所を訪ねたら見つかった。奈良尾会所の裏側、道の上の高いところに堂はある。堂といっても昔の姿ではなく、先般紹介したプレハブ十王堂のように、十王像を納めるために造られた倉庫のようなもの。一見犬小屋かと思わせる堂は、前面を格子戸で囲ってあり、もちろん鍵が掛かっているから直に触ることはできない。地蔵、十王、司命司録、奪衣婆、人頭杖、鏡とほぼ一そろいである。司命司録は一般的には1体に両者が彫られている例が多い。しかしここの司命司録は、それぞれ単独の像である。はっきりはしないが、人頭杖の両側に立つ地蔵像にも似た像が司命司録である。とくに司命は、右手に筆、左手に巻物を持つとされる。ここのものは地蔵にも見えるが、それらしくも見える。

 人頭杖のみ石質が少し異なるが、火山岩であることは違いなく、ほかの石造は安山岩である。像容としては稚拙さを抱かせるが、閻魔王だけはそれとすぐわかる顔立ちである。そして奪衣婆もほかの石像に比較するとずんぐりむっくりしていて少し異なる。


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