朝日新聞(1985年・S60・3月8日夕刊)から引用(資料提供:naveraさま)
今週の顔 天知茂
作り物のヒーロー演じ切る
いま、江戸川乱歩の名探偵・明智小五郎役にすっかり入れ込んでいる。テレビ朝日系で9日放送の土曜ワイド劇場「妖しい傷あとの美女」は、同シリーズで24回目の明智役。今回は、シリーズ初のラブシーンもあって華やかな名探偵。「明智探偵役をこんなに多くやった役者は私だけ。誇りにしてますし、ライフワークにもしたい」
「ソフトな雰囲気の中に、しゃれといきを盛り込み、会話もしゃだつなものを……そして、生活臭を出さないことですね」――だれでも知っている明智探偵をどう“天知流”に演ずるかをこう説明する。
「明智が仮面をめくるシーンとか、時代劇で“たたっ切ってやる”とかいってみえをきる場面など、50過ぎの男がやることかな、と思ったりするんです。でも、そんなテレを隠しながらリアルに堂々とやることが、虚構の中でのあこがれのヒーローを楽しむ視聴者に対する役者の役目と考えていますから」
「リアル」なメディア・テレビの時代になってつくり物のヒーローを演じられる役者がめっきり少なくなった。その数少ない一人だ。「男の色気を感じさせる最後の役者」と評する人もいる。
今年中に「明智探偵」をミュージカルにする夢を果たしたいという。[終]
*服装は白の毛糸のハイネックセーター&ジャケット&メガネ(たぶん淡い色つき)。右手を口元にやりながら、実に穏やかに微笑んで将来の夢語ってます、な写真。亡くなるほんの数ヶ月前のコメント&写真だと思うと目頭がじわっと熱くなる。
*明智ミュージカル化のアイデアは、既に前年(84年)、美輪さんを呼んでの舞台「名探偵・明智小五郎」で主題歌(「星よ」←EP「北の海にて」B面)を自作した時点から頭にあったのかもしれない。しかしミュージカルとは、考えることが斬新といおうか一歩先といおうか(もっとも彼にとって、歌い踊るシーンなどというのは新東宝でデフォルトな訳なのかもしれないが)・・・やりたいこといっぱいあったんだなあ、見たかったなあと思うとまた目頭が(以下同文)。
今週の顔 天知茂
作り物のヒーロー演じ切る
いま、江戸川乱歩の名探偵・明智小五郎役にすっかり入れ込んでいる。テレビ朝日系で9日放送の土曜ワイド劇場「妖しい傷あとの美女」は、同シリーズで24回目の明智役。今回は、シリーズ初のラブシーンもあって華やかな名探偵。「明智探偵役をこんなに多くやった役者は私だけ。誇りにしてますし、ライフワークにもしたい」
「ソフトな雰囲気の中に、しゃれといきを盛り込み、会話もしゃだつなものを……そして、生活臭を出さないことですね」――だれでも知っている明智探偵をどう“天知流”に演ずるかをこう説明する。
「明智が仮面をめくるシーンとか、時代劇で“たたっ切ってやる”とかいってみえをきる場面など、50過ぎの男がやることかな、と思ったりするんです。でも、そんなテレを隠しながらリアルに堂々とやることが、虚構の中でのあこがれのヒーローを楽しむ視聴者に対する役者の役目と考えていますから」
「リアル」なメディア・テレビの時代になってつくり物のヒーローを演じられる役者がめっきり少なくなった。その数少ない一人だ。「男の色気を感じさせる最後の役者」と評する人もいる。
今年中に「明智探偵」をミュージカルにする夢を果たしたいという。[終]
*服装は白の毛糸のハイネックセーター&ジャケット&メガネ(たぶん淡い色つき)。右手を口元にやりながら、実に穏やかに微笑んで将来の夢語ってます、な写真。亡くなるほんの数ヶ月前のコメント&写真だと思うと目頭がじわっと熱くなる。
*明智ミュージカル化のアイデアは、既に前年(84年)、美輪さんを呼んでの舞台「名探偵・明智小五郎」で主題歌(「星よ」←EP「北の海にて」B面)を自作した時点から頭にあったのかもしれない。しかしミュージカルとは、考えることが斬新といおうか一歩先といおうか(もっとも彼にとって、歌い踊るシーンなどというのは新東宝でデフォルトな訳なのかもしれないが)・・・やりたいこといっぱいあったんだなあ、見たかったなあと思うとまた目頭が(以下同文)。
この記事見つけたときは、私も目頭熱くなりました。明智先生、ライフワークにされたかったんですねえ。
たしか、ミュージカルが日本でブームになり始めたのって1986年ごろからなので、天っちゃんの目の付け所は早い!「黒蜥蜴」のミュージカル版を観てみたかったなあ。
穏やかで滋味にあふれてて・・。
年を重ねて人間味を感じさせる良い顔になるのは難しいことだと思います。(元々美男だった人は特に。)
しかし「星よ」が舞台の明智小五郎の主題歌だったというのは驚きでした。
yayoiさん:役者でいるときと素のときは雰囲気が全然違う、と評判の人ですが、こういうお写真を見ていると頷けます(ブログに載せられなくてすみません!>皆さま) 私もあのほんわかポップな曲を明智センセイとして歌っておられたとはビックリでした。ちょっと軽すぎやしなかったのでしょうか(^^;)
天知さんは、その美貌と演技力で極端に虚構性の強い演技をしてくれるので、どんな極悪人や悲運の人を演じても、観る者は後味の悪い思いをすることなく浸れますね。
久々にヤフオクで天知茂を検索したら、こんな雑誌記事が出てきました。
お嬢さんは美人だし、息子さんもまだ細くて美青年ですね~
奥さん似と言われている息子さんですが、目は天知さん似じゃないでしょうか?
しかし、小顔で長身のこのプロポーションはいったい誰に似たのか。。。
http://page10.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/m38915231
極端に虚構性の強い演技・・・なるほどなと思いました。ディープな展開でも、なぜか後味はすっきりしている場合が多いのはそのせいなんですね。
一見、休日オヤジですが、よく見るとベストがとっても個性的(毛皮のパッチワーク?)なところがさすが天知さんです。
奥さんがまったく「元女優」に見えないところが、おだやかな家庭生活を感じさせていいですね。
いかにもおおらか&朗らかそうな奥様で、きっと天知さん、家に帰るとホッとできただろうなと想像しています。