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S・バンタムの4団体統一実現へ /ウズベクが誇るM・Jに地元テキサスの荒馬がアタック - アフマダリエフ VS R・リオス 直前プレビュー -

2022年06月26日 | Preview

■6月25日/テック・ポート・アリーナ,テキサス州サンアントニオ/WBA・IBF統一世界S・バンタム級タイトルマッチ12回戦
統一王者 ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン) VS WBA1位 ロニー・リオス(米)

今月4日のスティーブン・フルトン(122ポンドの2冠王/WBC・WBO)に続き、同じ階級のWBA・IBFを保持するウズベクの雄がテキサスに見参。2団体統一王座のV3戦に臨む。

強豪ダニエル・ローマンを1-2のスプリット・ディシジョンでかわし、2つのベルトを奪ってから早や2年。

王座獲得直後にパンデミックに見舞われ、我らが岩佐亮佑(セレス)を挑戦者に迎えた初防衛戦で、1年3ヶ月ぶりとなるリング・リターン(昨年4月3日/タシケント)。

なおかつ、プロ転向後初の母国開催とあって、統一王者のモチベーションと仕上がりは最高。ストップのタイミングについて「早過ぎる」との指摘も受けたが、5回TKOで岩佐を返り討ち。


文字通りの凱旋興行で故郷に錦を飾ると、武漢ウィルス禍の落ち着きを待って再渡米。昨年11月のV2戦は、マンチェスターでの開催。

とは言っても、英国(イングランド)にある大都市ではなく、アメリカ合衆国を建国したいわゆる「独立13州」の1つ,ニューハンプシャー州にある人口10万人超の中堅都市である。

1万人規模の収容が可能な地元の大学が所有するアリーナに、デメトリアス・アンドラーデ(WBOミドル級)、フリオ・セサール・マルティネス(WBCフライ級)、カリ・レイス(WBA・IBF女子S・ライト級+WBOの決定戦)らが参集する大興行。


挑戦者のホセ・ベラスケスは、32歳になる南米チリのベテラン中堅選手で、本番1週間前の緊急招集に応じたピンチヒッター。

本来ならば、今回のチャレンジャー,ロニー・リオスがリングに上がる筈だったのだが、covid-19の陽性判定を受けて一時退却。無念の見送りとなった。

国際的にはまったく無名と言っていいチリのベテラン中堅は、いずれも無敗の若手メキシカンにプロ初黒星を与えた2度の渡米経験(サウス・カロライナとフロリダで行われたローカル興行)がビッグ・チャンスにつながった格好。


そして連続KO防衛を確実視されるアフマダリエフは、スタート同時に強打を振るってベラスケスを下がらせるが、堅いディフェンスを維持して容易に崩れない。

アフマダリエフが一息つくと必ず手数を返し、またそのパンチがなかなかに鋭く重く、前に出る圧力と勢いもある(159センチの公称が信じ難いフィジカルの強度&パワー)。

王者陣営は、早い時間帯の決着は無理と判断。上から目線の攻撃一辺倒を引っ込め、適時フットワークを使って距離を取り、クリンチワークも混ぜながらの波状攻撃に戦術を転換した。


ベーシックな攻防の技術がしっかりしているのは勿論、心身ともにタフで厄介な相手を前に、打っては離れ,離れては打ちを繰り返し、セーフティリードを保ったままゴールテープを切ると、ベラスケスはリング上で腕立て伏せのデモンストレーション。

いつぞやのバーナード・ホプキンスをそのままコピーしたパフォーマンスに続き、やおら立ち上がってコーナーから走り出し宙を舞う。

普通にバク宙をやるのかと思いきや、最近の映画やドラマのアクション・シーンでお馴染みの、身体を斜めにしながら回転する技(体操の床運動でも良く見る)にチャレンジ。


残念ながら綺麗に回転することができず、着地も失敗(尻餅)に終ったものの、「オレはまだまだやれるぜ!」と言わんばかり。

脚を使ったポイントメイクに戦術を変えただけでなく、クリンチワークでインファイトを封じたアフマダリエフへの抗議の意味も込められている。

オフィシャル・スコアは三者とも119-109のワンサイドになったが、試合内容を正確に反映したとはいい難く(10ポイント・マスト・システムの構造的欠陥)、最終的には敗北を受け入れながらも、ベラスケスの燃える瞳は「勝負から逃げたのはどっちだ?」と言っているように見えた。

実際ベラスケスは想像以上に良いボクサーで、122ポンドで世界を獲るのは流石に厳しいけれど、コンディションを維持したままバンタム~S・フライまで絞ることができれば、世界ランキングの上位に定着するだけの地力はあり、タイミング(挑戦する王者と時期)さえ良ければ載冠も夢ではなさそう。


緊急招集された代理挑戦者との打ち合いを回避して、ポイントメイクに徹したアフマダリエフに対して、ネガティブな意見が散見されるのは仕方がない。

ひたすら倒されないことに腐心するタイの実質ローカル・ランカーを倒しあぐね、8ラウンドまで粘られた結果、リング誌上で辛口の評価を受けた井上尚弥と同じ。

僅かプロ10戦に過ぎないアフマダリエフだが、既にそういう存在として認知されている。ただ勝利するだけでは許されない。格下相手の防衛戦では、圧倒して勝たないと「物足りない」と映ってしまう。

辛く苦しく大変なことではあるが、トップ・スターを自他共に認める者,自認する者,目指す者の宿命として、甘んじて受け入れるしかない。


武漢ウィルスによる感染症(無症状・自主隔離のみ)により、半年おあずけを食らった挑戦者リオスは、北京五輪代表を争ったトップアマ出身組み。

ロサンゼルス近郊のコンプトンという街で生を受け、現在は同じカリフォルニア南部のサンタアナ(アナハイム近郊)に居を構える。

最激戦区のウェルター級で頂点を目指すアレクシス・ロチャ(24歳/19勝13KO1敗)は、8歳年下の実弟。兄弟揃って、サンタアナを拠点に長く活動を続けてきたトレーナー,ヘクター・ロペスの指導を受けてきた。


「ピアス,イヤリング,タトゥーは禁止。それが私たちのルールだ。嫌な者は、私たちのジムから出てって貰う。」

どこやらのS・フライ級王者とその取り巻き連中が聞いたら、きっと絶句するに違いない。

 

残念ながらアマの檜舞台を踏むことなくプロ入り。当初は126ポンドのフェザー級から130ポンドのS・フェザー級で戦っていた。

2008年10月のデビューから4回戦で修行を始めて、6回戦・8回戦と手順を踏み、10回戦に進んだのが4年目の夏(2012年7月)。


負けなしの23連勝(10KO)でプロスペクトの評価を固めたと思った矢先、中堅メキシカンのロビンソン・カステリャノス(ガンボアに一泡吹かせた大物食い)によもやの5回TKO負け(2014年10月/128ポンド契約)。

この敗北を受けて、フェザー級へと主戦場を移して3連勝(1KO)。さらに2016年、一念発起のさらなる階級ダウンを敢行。122ポンドのS・バンタム級まで落とし、2連続KO勝ち。

新たな階級で2つ目の勝利を、煩い中堅メキシカン,ダニエル・ノリエガ(メキシコ)から挙げたことで、WBC王座を保持していたレイ・バルガス(メキシコ)への挑戦が実現(2017年8月/スタブハブ・センター:カリフォルニア州カーソン)。


チャンピオンになって以降、細い顎への不安(打たれ脆さ)を露呈したのみならず、弱腰のポイント・ボクシングへの転換がファンの不評を買い、”名匠ナチョ・ベリスタイン最後の愛弟子”は、不覚にも「期待外れ」の烙印を押されていた。

リオスは長身痩躯のバルガスに中盤までペースを握られたが、果敢なボディアタックで流れを引き戻す大善戦。

疲労が顕著になったチャンピオンシップ・ラウンド(最終11・12)を押さえ切れず、割れたユナニマウス・ディシジョン(110-118×2,113-115)を失い、初挑戦は実らなかったものの、評価をまた一段落としたのはバルガスで、リオスの株価は現状を維持。


4ヵ月後の同年12月、中堅クラスのコロンビア人を10回判定に下して再起したリオスは、翌2018年3月、キャリア最大の危機に瀕する。

同じカリフォルニアに活動拠点を置くアルメニア人、アザト・ホヴァニシアンに6回KO負け。心身ともにショックは大きく、1年余りの長期ブランク入り。

2019年4月、無名のメキシカンに5回終了TKO勝ちを収めて再起すると、実弟ロチャとともに2016年以降傘下に入ったゴールデン・ボーイ・プロモーションズは、総帥オスカー・デラ・ホーヤの甥,ディエゴ・デラ・ホーヤとの対戦をオファー。


「暫定王座の廃止」を言い出したWBAが、替わりにデッチ上げたゴールド王座を懸けた12回戦は、2019年7月13日、カリフォルニア州カーソンの大会場,ディグニティ・へルススポーツ・センター(旧称:スタブハブ・センター)で行われた。

メイン・カードに据えられたのは、レイ・バルガス(正規)と亀田和毅(暫定)のWBC内統一戦。

前評判で明白な優位に立つバルガスが、和毅を返り討ちにして唯一人のWBC王者として再び君臨し、元プロスペクトのリオスを食ったディエゴをぶつける。GBPの幹部連中が思い描く青図が、易々と透けて見えるマッチメイク。


ホヴァニシアン戦で急落した株価をV字回復させるべく、後の無いリングに上がったリオスは、普段と変わらない正々堂々の真っ向勝負を仕掛け、自信満々のディエゴも応戦。

一見すると拮抗した白兵戦に見える前半戦、得意のボディアタックを軸にじわじわと引き寄せつつ、第5ラウンドに得意の左フックで再三ヒットを奪う。

そして迎えた第6ラウンド、密着戦(ボディの打ち合い)で懸命に食い下がるディエゴのレバーを強烈な左ボディで抉ると、間髪入れずに放った右アッパーがディエゴの顎を直撃。

たまらず膝を着いたディエゴは、エイト・カウントで何とか立ち上がるも、主審のルディ・バラゴンがそのままストップ。


GBPの幹部たちが軒並み顔面を蒼白にしたに違いないアップセットで、リオスはWBAのトップ・コンテンダーに躍り出る。

同年11月、コロンビアからベテランの中堅を呼んで4回KO勝ち。ゴールド王座の初防衛に成功したところで武漢ウィルス禍に遭遇。

1年3ヶ月のレイ・オフを経て、昨年2月の復帰戦でオスカー・ネグレテ(コロンビアから移住した元トップ・アマ)に大差の判定勝ち(ほぼフルマーク)。


しかし、パンデミックは相次ぐ変異株の登場により、第4波から第5波へと蔓延を繰り返し、オミクロン株による第6波の影響が重なり、2021年は2度目のレイ・オフ。

この間WBAはようやく暫定王座の廃止に踏み切り、ファンの批判が集中していたゴールド王座も消滅。WBA1位に座ったリオスは、4年越しの再(指名)挑戦が叶いながら、上述した通りの陽性判定でさらに半年待たされることに。


直近のオッズは、以下の通りかなりの差が開いた。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>5dimes
アフマダリエフ:-900(約1.11倍)
リオス:+600(7倍)

<2>betway
アフマダリエフ:-800(1.125倍)
リオス:+450(5.5倍)

<3>Bet365
アフマダリエフ:-833(約1.12倍)
リオス:+450(5.5倍)

<4>ウィリアム・ヒル
アフマダリエフ:1/8(1.125倍)
リオス:5/1(6倍)
ドロー:16/1(17倍)

<5>Sky Sports
アフマダリエフ:1/8(1.125倍)
リオス:6/1(7倍)
ドロー:16/1(17倍)


リオスが真正面からぶつかって行く好戦的なボクサーファイターで、バッティング&クリンチ・ホールド上等のダーティ・ファイトとは無縁な上、フィジカルの強度に不安を抱えている(S・フェザーからS・バンタムまで絞った要因)ことが、ワイド・マージンに直結したと見て間違いない。

アフマダリエフは頑健なフィジカルと強打に恵まれ、なおかつボクシングも堪能。オリンピックのメダリストに恥じない高い技術水準を誇る。

立ち上がりの早い時間帯、ウズベクのスターは前戦と同様、サーベイを兼ねた打ち合いを試す(おそらく)。


様子を見ながら時間をかけて崩した方がいいと見れば、適時脚を使ってリオスの前進をいなし、的確なショートを当てるポイントメイクを選択する。

サウスポースタイルから放つ、キレと重さを兼ね備えたハードヒットでリオスに明白なダメージを与えることができれば、迷わず即決勝負を挑むだろう。

勝敗予想を問われれば、KO(TKO)・判定のいずれにしろ、アフマダリエフの防衛は堅く揺るがない。批判的な意見が多かった前戦における打撃戦の回避は、来るべきフルトンとの4団体統一戦では有効な武器に成り得る。


距離を潰して得意の我慢比べ(ボディ合戦)に持ち込む以外、容易に勝機が見えないリオス。コーナーを率いるヘクター・ロペスが、どんな戦術でアフマダリエフ攻略に道筋をつけるのか。

同じ南カリフォルニアのインディオをホームに戦うウズベクの王者には、ベテラン・コーチのジョエル・ディアスが付いている。両陣営のコーナーワークにも要注目・・・。


◎アフマダリエフ(27歳)/前日計量:121.2ポンド
戦績:10戦全勝(7KO)
アマ通算:300勝15敗(20敗説有り)
2016年リオ五輪銅メダル
2015年世界選手権銀(ハンブルク)メダル
2017年アジア選手権(タシケント)金メダル
2015年アジア選手権(バンコク)銀メダル
※階級:バンタム級
身長:166センチ/リーチ:173センチ
好戦的な左ボクサーファイター


◎リオス(32歳)/前日計量:121.8ポンド
戦績:36戦33勝(16KO)3敗
アマ通算:92勝6敗
2008年北京五輪代表候補
2007~08年全米選手権優勝
2007年ナショナル・ゴールデン・グローブス優勝
※階級:バンタム級
身長:171センチ,リーチ:170センチ
右ボクサーファイター


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□リング・オフィシャル:未発表


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■主なアンダーカード
<1>WBC世界S・フライ級タイトルマッチ12回戦
正規王者 ジェシー・ロドリゲス(米) VS 元王者/WBC1位 シーサケット・ソー・ルンヴィサイ(タイ)

今年2月、ベテランの域に突入したカルロス・クァドラスに3-0判定勝ちを収めて、空位のWBC正規王者(ファン・F・エストラーダがフランチャイズ王者に横滑り)となった若武者ロドリゲスの初防衛戦。

ロマ・ゴンをショッキングな3回KOに屠った後、2度目のWBC王座を失ったエストラーダとの再戦以来、およそ3年ぶりとなる渡米がようやく実現したシーサケットは、元々クァドラスとの決定戦に出場を予定していた。

しかし、本番4日前に体調不良を理由にドタ・キャン。アンダーカードに呼ばれていたロドリゲスが急遽代役に立ち、そのままクァドラスを食う番狂わせを引き起こす。


開催地サンアントニオ出身のロドリゲスは、同じ階級のWBA王座を保持するジョシュア・フランコ(18勝8KO1敗2分け)の実弟で、ジュニア限定ながらもアマチュアで活躍したプロスペクトである。

2017年3月のプロ・デビュー以来、108ポンドのL・フライ級を主戦場にしてきたが、上述の通り、2階級超えの代理挑戦をモノにして載冠。

歴戦の疲労とダメージで傷みが目立つクァドラスとは言え、サイズのディス・アドバンテージをものともせずに打ち合いを挑み、第3ラウンドに右アッパーでダウンを奪い(ロマチェンコばりのサイド・ムーヴ)、最終的に押し切ってしまったのだから大したものだ。


上体を柔らかく使うボディワークと細かく丁寧なステップワークを惜しまず、相手の的と間合いを外し、的確なポジションからシャープなパンチを放つ。

兄とともに、名トレーナー,ロベルト・ガルシア(元IBF J・ライト級王者)のアカデミーで薫陶を受けている。


直前のオッズは、明白なマージンで若き王者を支持。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>5dimes
ロドリゲス:-550(約1.18倍)
シーサケット:+425(5.25倍)

<2>betway
ロドリゲス:-599(約1.17倍)
シーサケット:+375(4.75倍)

<3>ウィリアム・ヒル
ロドリゲス:1/5(1.2倍)
シーサケット:7/2(4.5倍)
ドロー:16/1(17倍)

<4>Sky Sports
ロドリゲス:1/6(約1.17倍)
シーサケット:4/1(5倍)
ドロー:12/1(13倍)


エストラーダとのリマッチを落とした後、パンデミックの影響もあって、シーサケットは格下を相手に3試合(アムナット・ルエンロンに対する判定勝ちを含む)しかこなしていない。

決定戦のドタ・キャンも、2014年4月にメキシコで一度敗れているクァドラスから”逃げた”との印象を残してしまい、身銭を切るマニアたちから厳しい視線を送られた格好。

自慢の強打は錆付いておらず、仕上がり次第にはなるものの、ロマ・ゴンに連勝した「ここ一番の集中力」を取り戻すことができれば、ロドリゲスの若さと勢いを潰す可能性は十二分にある。


◎ロドリゲス(22歳)/前日計量:114.6ポンド
戦績:15戦全勝(10KO)
アマ戦績:不明
2015年ジュニア世界選手権(サンクトペテルブルグ/ロシア)銀メダル
2016年ジュニア全米選手権優勝(L・フライ級)
2015年ジュニア全米選手権優勝(ピン級)
※ジュニア:アンダー17
身長:163センチ,リーチ:170センチ
左ボクサーファイター


◎シーサケット(35歳)/前日計量:114.6ポンド
戦績:56戦50勝(43KO)5敗1分け
身長:160センチ,リーチ:161センチ
左右ボクサーファイター


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セシリア・ブレークフスから4団体統一ウェルター級王座を奪ったジェシカ・マカスキル(米)が、S・ウェルター級でWBA王座挑戦に失敗したアルマ・イバラ(メキシコ)の挑戦を受ける(3度目の防衛戦)。

直前の賭け率は、概ね1-5で王者に優位。ジェシカの3-0判定防衛と見るのが妥当も、長身(175センチ)&リーチ(180センチ)に恵まれたアルマに距離をキープされると、想定外の苦戦に追い込まれる場合も・・・。

また、東海岸の軽中量級ホープ,レイモンド・フォード(23歳/11勝6KO1分け)は、保持しているWBA米大陸王座のV3戦を予定。優れたスピード&シャープネスのみならず、黒人特有のムーヴィング・センスも併せ持つ。

挑戦者のリック(リカルド)・メディナ(21歳/13連勝7KO)は、地元サンアントニオ出身のメキシコ系ホープ。

”エル・カスティーゴ(El Castigo:罰・厳罰)”の異名は、対戦相手を漏れなく厳しい目に遭わせるという意味だが、スピード・スター型の黒人サウスポーをいかに追い詰めることができれば、キャリアメイクに大きな光明が射す。


ブルックリン出身の俊英ミドル級,ニキータ・アバビィ(23歳/11戦全勝6KO)が8回戦に出場する他、テキサス州デル・リオ生まれのトップ・アマ(ジュニア限定:137勝9敗),ヘスス・ロドリゲスのプロ2戦目(4回戦)も予定されている。

パンテリータ(Panterita:小豹)の愛称で地元のファンに親しまれる17歳は、ジョー・カルザギ(無敗のまま引退した元S・ミドル級王者/46連勝32KO)と、IBFのミドル級王座を獲得したダレン・バーカーが共同で立ち上げたスポーツ・マネージメント会社と契約してプロ入り。

マッチルームUSAとのプロモート契約について、正式な支配下に収まったのかどうかはイマイチはっきりしないが、「歴史を創る。」と胸を張る表情は溢れる自信で輝き、とても17歳には見えない。