<1>10月26日/O2アリーナ,ロンドン/WBOインターコンチネンタル ヘビー級タイトルマッチ12回戦
デレク・チソラ(英) VS デヴィッド・プライス(英)
英国イングランドではまだまだ人気があるらしい、中年中堅ヘビー級対決。世界タイトル挑戦に失敗した在野の元コンテンダーと、世界タイトル挑戦に辿り着くことなくキャリアを終えそうな元五輪銅メダリストが、WBOの下部タイトルをかけてリングに上がる。
19世紀後半~20世紀末(90年代半ば頃)までの王国アメリカを唯一無二の例外として、本来ヘビー級はどこの国でも人材難が当たり前だが、アンソニー・ジョシュアを輩出した近代ボクシング発祥国も状況は似たりよったり。
WBC王座に君臨していたヴィタリ・クリチコに、敵地ミュンヘン(クリチコ兄弟は長らくドイツを主戦場にしていた)で挑戦した際、会見で事あるごとにトラッシュトークを仕掛け、挙句前日計量で平手打ちを見舞い、大騒ぎになってからもう7年も経つ。
修行時代のタイソン・フューリーに大差の判定で敗れ、保持していた英連邦と英国(BBBofC British)王座を追われた後、北欧フィンランドに出現した巨人ランカー,ロベルト・ヘレニウスに僅少差の1-2判定を献上。
そんな状態でも、タレント不足に喘ぐヘビー級の窮状がクリチコ戦(ワンサイドの判定負け)を呼び寄せ、さらにはその5ヵ月後、ロシアの大巨人ニコライ・ワルーエフの攻略に成功してWBAヘビー級王座に就きながら、ウラディーミル・クリチコとの統一戦で惨敗したデヴィッド・ヘイの再起戦に抜擢されて5回TKO負け。
ボクサーとしてのチソラのキャリアは、2011年~2012年にかけての3連敗で、事実上絶たれたと言っても過言ではないのだが、なにしろ人材難のヘビー級ゆえ、その後も息をながらえている。
2014年11月にはフューリーとの再戦に終盤のTKOで返り討ちに遭い、クブラト・プレフ(2016年5月),ディリアン・ホワイト(2016年12月/2018年12月)にも完敗しているが、合間に二線級のアンダードッグを連破し、昨年7月にはカルロス・タカムを8回TKOに屠るなど、世界の第一線から退いてなお、その商品価値は費えていない。
対する白い巨人プライスも、2009年のプロ転向から2012年までの3年間は、無傷の13連勝(12KO)をマークして絶好調だった。シドニー五輪で金メダルを獲得したオードリー・ハリソンを初回TKOで打ち倒し、コンテンダーのマット・スケルトン(K-1にも参戦したキックからの転向組み)にも2回KO勝ち。
米国専門チャンネルの老舗WESPNのダン・ラファエルが、この年のプロスペクト・オブ・ジ・イヤーに選出するほど将来性を買われていたが、2013年の初戦で米国のベテラン中堅,トニー・トンプソンに2回TKO負け。陣営はダイレクト・リマッチに打って出たものの、5回TKOであえなく返り討ち。
手痛過ぎる連敗で急停車したプライスは、ドイツでカムバックを敢行。格下を4タテ(うち1試合はデンマーク開催)して自信の回復を図ったが、トルコ系移民のエルカン・テペル(テパー)にまさかの2回KO負け(2015年7月)。
ドイツで破格の人気を博していたクリチコ兄弟へのアピールは叶わず、傷心の帰国。そして格下を2人倒した後、クリスティアン・ハマー(ドイツに移住したルーマニアの実力者)に7回TKO負け。
昨年は元WBA王者アレクサンダー・ポベトキン(アテネ五輪S・ヘビー級金メダリスト)と、ロシア期待のセルゲイ・クズミンに連続KO負けを喫しており、今年に入って2連勝しているとは言え、置かれた状況はチソラ以上に厳しい。
サイズの大きなアドバンテージをいとも簡単に相殺する打たれ脆さは、致命的と表さざるを得ず、英国を代表するブックメイカーのオッズも、当然チソラに傾いている。
<1>ウィリアム・ヒル
チソラ:2/7(約1.29倍)
プライス:11/4(3.75倍)
ドロー:33/1(34倍)
<2>Sky Sports
チソラ:2/7(約1.29倍)
プライス:11/4(3.75倍)
ドロー:40/1(41倍)
まずまず妥当な数字だとは思うけれど、最近のチソラも体重が増えて動きが一層スローになり、下降線のパフォーマンスに明るい材料がある訳ではない。互いに決定機を作り出すことができず、抱きつき合戦に終始する緊張感に乏しい12ラウンズを繰り広げる、最悪のシナリオも想定の範囲内。
若くて活きのいいヘビー級が途絶えて久しい、王国アメリカとキューバの惨状に改善の兆しは一向に見られず、アラ・フォーの元王者,元コンテンダーの需要は無くなりそうにない・・・。
◎チソラ(35歳)/前日計量:260ポンド1/4
戦績:40戦31勝(22KO)9敗
アマ戦績:約20戦(詳細不明)
2005年全英(ABA)選手権S・ヘビー級優勝
身長:187センチ,リーチ:188センチ
右ボクサーファイター
◎プライス(36歳)/前日計量:264ポンド1/4
戦績:31戦25勝(20KO)6敗
アマ通算:75勝15敗
2008年北京五輪銅メダル
2007年世界選手権(シカゴ)4回戦敗退(ベスト8ならず)
2005年世界選手権()初戦敗退
2006年コモンウェルス・ゲームズ(メルボルン/豪)金メダル
全英(ABA)選手権
2007年,2005年,2003年優勝
※階級:S・ヘビー級
身長:203センチ,リーチ:208センチ
右ボクサーファイター
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<2>ライト級12回戦
元3階級制覇王者/WBO13位 リッキー・バーンズ(英) VS 元IBFフェザー級王者/IBF3位 リー・セルビー(英)
こちらも後の無いベテラン元3冠王が、一気に2階級を上げてきた前フェザー級王者に胸を貸す、在英ボクシング・ファン注目(?)の一戦。
WBO J・ライト級(2010年9月~2011年月/V2・返上),WBOライト級(2011年11月~2014年3月/V4:テレンス・クロフォードに完敗),WBA S・ライト級(2016年5月~2017年4月/V1:ジュリアス・インドンゴに大差の0-3判定負け)を獲得し、スコットランド史上初の3階級制覇を成し遂げたバーンズも、気が付けば36歳。
ライト級のV4戦でレイ・ベルトランに苦闘を強いられ、辛くもドロー防衛で逃げ切った直後、クロフォードに喫した初黒星に続いて、デシャン・ツラティカニン(ライト級),オマール・フィゲロア(S・ライト級)にも敗れ、ライト級に出戻って捲土重来を期した復帰戦も、アンソニー・クローラに小~中差の0-3判定負け(2017年10月/クローラもリナレスとの再戦を落とした後の再起戦)。
昨年二線級を2人KOして復調をアピールしたいところではあるが、前戦からほぼ1年のスパンが開いてしまい、コンディションに関する不安は拭い切れない。
2015年5月~2018年5月まで、丸3年に渡って保持したIBFフェザー級王座(V4)をジョシュ・ウォーリントンに譲ったセルビーは、今年2月の復帰に際してライト級への飛び級を選択。
アメリカから無名の中堅選手を呼び、左右両方の瞼をカットするなど、想像以上に手こずらされはしたものの、3-0の12回判定に下して勝手知ったるIBFの下部タイトルを獲得。無事とも上首尾とも言い難いながらも白星をもぎ取った。
IBFは早くもライト級の3位に押し上げ、WBOでも5位に入ったウェールズの人気者は、年末に開催が内定したリチャード・コミー VS テオフィモ・ロペス(IBF王座戦)の勝者に照準を合わせ、世界前哨戦の構え。
そして英国の2大スポーツブックの見立ては、小さからぬ体格のハンディを背負う前フェザー級王者に軍配。
<1>ウィリアム・ヒル
バーンズ:6/4(2.5倍)
セルビー:4/7(約1.57倍)
ドロー:20/1(倍)
<2>Sky Sports
バーンズ:11/8(2.375倍)
セルビー:4/6(約1.67倍)
ドロー:16/1(17倍)
いくら凋落の只中にあるとは言え、135ポンドのライト級でキャリアのピークを築いたスコットランドの雄は、いまだに意気軒昂。フィジカルへの懸念(打たれた際の耐久性)はともかく、技術的に顕著な錆付きは見られない。
ランカシャーのローカル・トップを3ラウンドでし止めた右ストレート(ワンツー/昨年11月の再起第2戦=この後実戦から遠ざかる)は、切れ味・精度ともに満足の行くものと言って良く、3冠王健在を印象づけた。
飛び級で135ポンドまで増量した一方のセルビーは、「減量苦から開放され、心身ともにリフレッシュした」と転級初戦に向けて絶好調を喧伝したが、お腹周りの緩みが気になる仕上がりで、案の定、身体全体の切れと手足のスピードはイマイチ。
ナメた訳ではないだろうが、大西洋を渡ってきた小柄な黒人中堅選手(主戦場はS・フェザー)に、機動力とシャープネスで遅れを取る。懸命に重い足を動かしジャブを突き、単発ながらもボディも攻めて、接近戦をクリンチで凌いだが、先行きの空模様はいささか怪しい。
公開練習で披露した動きとパンチはまずまずで、今回は流石にきっちり仕上げている様子だが、フェザー級時代に比してスピードの鈍化は否めず、新しい階級に完全にフィットしたと断言するのは早計。
IBFを除くライト級の3団体を統一したロマチェンコへの挑戦はもとより、4階級制覇の夢を絶たれて、絶対王者とのリマッチを最終目標に掲げる我らがリナレス、S・フェザーからの進出を決断したジャーボンティ・デイヴィスには到底及ばず、コミーにアタックするテオフィモ、ライアン・ガルシア、フィリピンの若き倒し屋ロメロ・デュノらの新進気鋭も含め、活況を呈する135ポンドに割って入るのは至難の業。
同じウェールズ期待のプロスペクト,ジョー・コルディーナにこの階級は任せて、130ポンドでの巻き返しに路線変更した方が、成功の確率は遥かに高いというのが偽らざる感想だ。
バーンズが無理をせずに遠めの中間距離をキープし、ジャブ&ワンツー主体の丁寧な組み立てを維持できれば、攻め手を見い出せずに焦りを募らせたセルビーが勝手に自滅して行く・・・そんな流れも十二分に有り得るのでは。
◎バーンズ(36歳)/前日計量:134ポンド1/2
戦績:51戦43勝(16KO)7敗1分け
身長,リーチともに178センチ
右ボクサーファイター
◎セルビー(32歳)/前日計量:134ポンド1/2
戦績:29戦27勝(9KO)2敗
アマ戦績:不明
ウェールズ国内選手権3連覇(2006~2008年)
※階級:フェザー~ライト級
身長:174センチ,リーチ:175センチ
右ボクサーファイター
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<3>欧州(EBU European)クルーザー級タイトルマッチ12回戦
王者 イヴ・ヌガブ(ベルギー) VS ローレンス・オコリエ(英)
重量級の無敗ホープ対決。リオ五輪代表(ヘビー級)からプロに転じたオコリエが、英国(BBBofC British),英連邦に続いて、いよいよ欧州(EBU)王座奪取に挑む。
簡単な経歴等は以下の過去記事に掲載したので繰り返さないが、ナイジェリアにルーツを持つオコリエは、秀逸なスピード&シャープネスに、相応の柔軟性と決定力も兼ね備えた逸材。
※サッカーの聖地ウェンブリーにA・Jが三度び登場。 - ジョシュア VS ポベトキン戦 直前プレビュー - (2018年9月22日)
https://blog.goo.ne.jp/trazowolf2016/e/707f61925218b6a5a3248bb0170eb503
いわゆるヘビー・パンチャーではないが、ロングレンジから思い切りよく放つ右ストレートは、まともに当たれば一発で決着する威力を秘める。左腕を長く前に伸ばし、拳を頭の上まで上げて上下左右に揺らしながら圧力をかけ、そのままリードジャブ(ストレートに近い)に変えて右へつなぐ。
分かり易く単純な戦い方だが、高い身体能力とセンスだけでなく、近代ボクシングのベーシックに支えられたスキルもしっかりしており、ヘビー級に本格参戦したウシクの後を襲うべく、虎視眈々と躍進の機会を伺う。
受けて絶つチャンピオンは、ベルギーの古都ルーセラーレ(ルーレル)出身の黒人パンチャー。20連勝中のプロスペクトにしては、アマチュア経験の有無を含めた詳しい経歴だけでなく、正確な身体データすら不明という有様で、ボクシング・メディアの扱いは完全なる無名のアンダードッグ。
コンパクトに固めたガードと、ジャブ,ワンツーからセットアップする正攻法のボクサーファイトで、2011年6月のプロ・デビュー(22歳)以来、8年間負け無しの戦績を積み上げてきた。
欧州王座を獲得したのは2017年6月で、2017年と2018年に1度づつ防衛戦を消化。試合数の少なさもさることながら、ベルギー国内から出て戦うのは今回が初めてとなり、情報が少な過ぎるのも致し方のない面はある。
堅実(よく言えば質実剛健)なスタイルであるが故に、オコリエのような派手さは無く、記事になりづらいのはわかるけれど、英国の記者たちは、もうちょっと真剣に取材してもバチは当たらないだろうに。
会見や計量の写真で見る限り、体格には相当な開きがある。しかしオッズは、創造したほど離れてはいない。プロ転向後2年半しか経っていないオコリエに対して、8年かけてここまで歩みを進めてきた王者へのリスペクト(警戒心)を、英国を中心とした欧州のファンも抱いているようだ。
<1>ウィリアム・ヒル
ヌガブ:5/2(3.5倍)
オコリエ:2/7(約1.29倍)
ドロー:25/1(倍)
<2>Sky Sports
ヌガブ:11/4(3.75倍)
オコリエ:2/7(約1.29倍)
ドロー:20/1(21倍)
メインのジョシュ・テーラーとともに、オコリエのコーナーも預かるシェーン・マクギガンは、「チャンスがあれば、常でもGo!だよ。」と余裕の笑みを浮かべ、即決KOへの色気もたっぷり。
「2020年中に世界チャンピオンになる。4つあるうちのどれか1つは、最低でも獲りたい。それが当面の目標だ。」
目論み通りの圧勝でヨーロッパのベルトを巻けば、大英帝国のトップボクサーが世界に打って出る為の準備(英国・英連邦・欧州王座)が完了する。三種の神器を手に入れ、ウシクの後釜へと階段を駆け上がれるか。
国際的には未だ無名のヌガブにとって、この防衛戦はキャリア最大の大一番と呼んで差支えがない。勝利を確実に引き寄せる為、ヌガブはあのドミニク・イングル(ナジーム・ハメドを発見し育成した名指導者の1人)と契約。時期は定かではないが、かなり早い段階からシェフィールドに住まいを移し、実際にコーナーを取り仕切るであろう息子のブレンダンとともに、オコリエ対策を練り上げてきた。
「彼は身長とリーチに恵まれ、パワーもかなりの水準にある。今の私は名前も実績もなく、単なる引き立て役に過ぎないけれど、土曜の晩にすべてをひっくり返して見せる。彼がまだヨーロッパ(王者)のレベルに達していないことを、英国のファンは知ることになる。」
「ローレンスの戦術や武器は、すべて頭の中に入っているよ。どんな出方をされても対応できるし、何時だって反撃に移ることもできる。ドミニクのジムで、それだけの準備を積んできた。」
どうやらヌガブは、本気で活動の拠点をシェフィールドに置くつもりのようである。それを実現するには、オコリエの足下を見事にすくい、アップセットを引き起こす以外に道はない。
ヌガブがセミクラウチングの低い姿勢を取り、頭と肩をよく振りながら、鋭い出足で懐に飛び込むオールドスクールの流儀を身に付けていれば、面白い展開に持ち込むことができるだろう。
しかしアップライトに構えて頭をほとんど振らない、典型的な現代ヨーロッパ・スタイルのままで立ち向かえば、早い時間帯で丸腰の帰国となる恐れも・・・。
◎ヌガブ(30歳)/前日計量:199ポンド1/2
戦績:20戦全勝(14KO)
アマチュアキャリア:不明
身体データ:不明
右ボクサーファイター
◎オコリエ(26歳)/前日計量:199ポンド1/4
戦績:13戦全勝(10KO)
アマ戦績:15戦(勝敗不明)
2016年リオ五輪代表(2回戦敗退)
2016年リオ五輪欧州最終予選優勝
2014~15年全英大学選手権優勝
WSB(World Series of Boxing):3戦2勝1敗
※階級:ヘビー級
身長:196センチ
右ボクサーファイター
□オフィシャル
主審:ジャン・ロベール・レネ(モナコ)
副審:
オリヴァー・ブレイン(独)
アンドレ・パスキエ(仏)
ジョヴァンニ・ポッジ(伊)
立会人(スーパーバイザー):ボブ・ロジスト(ベルギー/EBU会長,WBC副会長)
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<4>WBAコンチネンタル ウェルター級タイトルマッチ10回戦
王者 コナー・ベン(英) VS スティーヴ・ジャモエ(ベルギー)
ウェルター級期待の新鋭コナー・ベンは、90年代にミドル級とS・ミドル級で人気を博したナイジェル・ベンの実子で、父に良く似た好戦的なスタイルで戦う。
”ダーク・デストロイヤー”の異名を取り、トランクスとシューズもブラックで統一していた父と同じいでたちを受け継ぎ、ダークを取った”ザ・デストロイヤー”のニックネームは、昭和のプロレス・ファンから反感を買いそうだが、構えた姿だけでなく、モジャモジャの髪型も父のドレッド・ヘアを彷彿とさせる。
昨年8月に獲得したWBAのローカル王座を今も保持しており、これが2度目の防衛戦。派手な倒し合いも経験済みだが、荒ぶるファイトで勇名を馳せた父からは、現代風の安全確実なボクシングを望む発言も・・・。
エディ・ハーン率いるマッチルームの主力級を一手に引き受け(?)、多忙を極めるトレーナーのトニー・シムズが、ほとんど付きっ切りに近い形で指導を請け負ってきた。アシスタントたちに任せることなく、コナーの試合には自らコーナーに立つ。
ローレンス・オコリエの挑戦を受けるイヴ・ヌガブと同じく、ベルギーから招かれたジャモエは、地味なレコードと風貌に似合わぬ好選手(失礼!)。適度な柔軟性に加えて敏捷性も併せ持ち、左フックのカウンター(上下)がなかなか上手い。
ベルギーのボクサーでジャモエとくれば、メキシコで亀田和毅と戦い、不可解極まる試合終了後の逆転裁定でWBCユース王座を強奪され、大阪城ホールで山中慎介のWBC王座に挑戦したステファーヌ・ジャモエを思い出す。ただし、こちらも試合映像を含めて情報が少なく、血縁関係にあるのかどうかは不明。なんとなく顔は似ているけれども・・・。
父譲りの荒々しいイン・ファイトも結構だが、もう少しまとまりの良さも見せてくれてもと、息子の成長に目を細めつつも、思わず心配を口にする父ナイジェルの心情に寄り添いたくなる。
ナメてかかると(簡単に倒し急ぐと)、ベルギー人の手堅いボクシングとカウンターに手を焼き、予期せぬ接(拙)戦に苦しむ場面があるやもしれない。
◎ベン(23歳)/前日計量:146ポンド1/2
戦績:15戦全勝(10KO)
アマ戦績:20勝2敗
※16~17歳までの2年間(ジュニア),すべてオーストラリアでの戦績
身長:173センチ
右ボクサーファイター
◎ジャモエ(28歳)/前日計量:145ポンド1/4
戦績:35戦26勝(5KO)7敗2分け
身体データ:不明
右ボクサーファイター
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2017年の世界選手権(ハンブルク)でウェルター級の銅メダルを獲得したアバス・バラウ(独/7戦全勝4KO)が、2月に獲得したWBCインターナショナル王座(S・ウェルター級)の初防衛戦を行う。
挑戦者のジョン・オドネルは、アイルランド出身の33歳。33勝(11KO)2敗の好レコードを維持しており、現在は首都ロンドンに拠点を移している。ウェルター級で英国の地域王座(イングランド,及びイングランド南部)を獲得したが、今年4月の試合から154ポンドに進出。
そしてドイツからもう1人、ミドル級のホープとして期待を集めるデニス・ラドヴァン(12勝5KO1分け/World Series of Boxingで3連勝をマークしたトップ・アマ出身組み)が、初の英国遠征で8回戦に登場。
2017年~2018年にかけて、全米選手権で活躍したサウスポーのミドル級,オースティン・ウィリアムズ(3戦全勝3KO)が、プロ4戦目で初渡英。4回戦でプロの修行をスタートしたばかりだが、サイズとパワーに恵まれた好素材。エディ・ハーンが獲得に動いただけのことはある。
アダム・ブースが指導するバンタム級の女子選手,シャノン・コートニー(26歳/3戦全勝1KO)も、エディ・ハーンが期待を寄せる有望株の1人で4回戦に出場予定。