１０年前に書いたが・・・

震災の原因は沈んだ海山？　引っかかってエネルギー蓄積　asahi.com 2011年10月11日7時41分


以前、そのＭＬは某巨大掲示板の専門スレとは違い本題以外の雑多な雑談が交わされていた頃の話。何故だかプレート境界型地震のメカニズムに関する話題となり・・・私が兼ねてから”ピン”と閃いていたアイディアを（毎度ながらの長文で）書いた事がある。それが当に上記引用ＵＲＬの記事の内容であった。

子供の頃から読書に逃避する傾向の多かった私は百科事典にもハマって愛読していたが、そこで見た海底地図に驚いた。海底は真っ平らではなく海山や平頂海山（ギョー）が在り、海底火山の山体がリソスフェアで海山の行列を造っている事が書かれていた。その百科事典編纂当時にはプレートテクトニクス理論は非常に有力な学説ではあったが実証はされていない頃だったが、その百科事典の記述の指し示すメカニズムをナントナク理解したツモリになっていた。その後、プレートテクトニクス理論からプレート境界型地震のメカニズムが新聞や子供向け科学雑誌でも紹介されるようになり・・・、そこで夢見がちな子供時代の私は、大地震の原因はプレート境界面に挟まった海山ではないかと閃いた。（確か中学２年の頃の話）

地震学者でも無いボンクラの中学生のヒラメキなんかが世に出る機会はなく、（根拠もなく）自分は地球のメカニズムを１つだけ他の人より知っている特別な人間だ・・・と（独りで勝手に）優越感に浸っていた頃もある。

そして、１０年位前にＴＭＬで何故か、そんな話題になった時に書いた。益体もないアイディアを書いたノートには書いていたが、クローズドなＭＬとは云え世間に向けて書いたのは初めてだった。ま、ＭＬの本筋とは無関係な雑談なので・・・当時１００名ほどのメンバーの内の２～３人に誉められたダケだった。

気を良くして、そんな記事を関係するニューズグループ（インターネット黎明期だった当時は、今日のようなＳＮＳやＷｅｂ型のＢＢＳは少なかった）に書いた。fj.*だけではなく英作文をしてsci.* にも書いたが、特に反響はなかった。

その後、国内某国立大学の地震学者の方の論文に、私のアイディア通りの論文発表が為されていて・・・まさか素人の私のアイディアを専門家が取り上げてくれたとは思い難いが、自分独りの中では・・・もしかして万が一そんな事も有ったりして・・・と愉快に思ったモノだ。

だが、その後・・・国内最高学府の地震研究家の論文で『海山上のプレート境界はこれまで予測されていた性質とは異なり、固着強度が弱い(すなわち海山自身はアスペリティにはならない)と考えられることを示した。』と記されていて、３０年前の中学生の閃きは、最高学府の専門家により打ち砕かれた。

海山に起因する弱いプレート間カップリングと繰り返し発生するM7級地震との関係(PDF)


私自身の発想では、海底上に隆起した海山は、海底プレート内にも下部組織を持ち、硬い火成岩主体の山体はプレート境界面の滑りを悪くし、その分、海山が存在しない時よりも大きな歪み（地震力の根源となる海洋プレートの滑り込みを食い留め）より多くの地震力を蓄えてしまう筈だ。海底に於ける海山の分布は、ほぼ一定の間隔で繰り返しているが他の自然の振る舞い通りに時計で刻んだように正解とは成って居らず粗密がある事で、プレート境界型地震の周期の誤差や地震力の大きさの違いになっているのでは無いか・・・となっていた。プレート境界型地震の起震力は、オルゴールの円筒から出っ張ったピン（海山）に依って歯（陸側プレート下面）を弾いている・・・とイメージしていた。

だが、上記論文に依ると、この海山と海山基底部からなる海側プレートの出っ張りが引っ掛かり固着する事で地震力を蓄えず・・・逆に上下のプレート境界面でベアリングの様に作用すると書かれていて・・・私の３０年来のヒラメキは素人の戯言だったのかと正直ガッカリしたモノである。

上記引用の朝日新聞の記事にある防災科学技術研究所のＷｅｂページには、記事にある研究報告は未だ掲載されていない様なので・・・、これも未解明な科学的事象への１つの学説かも知れないのだが、もし、この「海山が引っかかってエネルギー蓄積」と云う可能性があるのなら、将来の地震が発生する時を予知ではなく科学的に予測し、その将来の地震の規模を事前に予測する事が可能になる・・・筈である。３０年前には無かった発想だったが、約１０年前にＭＬに書いた頃には（私も少し大人になっていて）来るべき地震の時と規模の予想に、人類の科学力が寄与する日が来る筈と思ったのだが・・・