Trips with my RV.

RVでの小旅行。

サブバッテリー用にリン酸鉄リチウムイオン電池を買うのはチョット待って!

2019-04-04 17:48:05 | 快適化?
皆さんのお陰をもちまして蓄電システムさんのメール会員が3000名を超えたらしく15%引きのバーゲンが開始された。実は、明日は5日なので、メール会員なら毎月5の付く日は「送料無料の日」だから超お買い得なのだけれども・・・もしリン酸鉄リチウムイオンバッテリー 24V80Ah lifepo4(O'cell)が売り切れたらどうしようと不安になって発注してしまった。だが、現時点で在庫を確認しても24V80Ahは在庫から私が注文した分しか減っていないので明日注文すれば良かったのかと云う始末だった。(だが、12V150Ah lifepo4は残り2個の売り切れ寸前だったので、送料無料を待っているとお得なセール価格では買えない事になりそうだ)まぁお買い得と云っても数倍高いし、鉛ディープサイクルバッテリーとは異なる特性があるので、使いこなせないと単に高くて役に立たないモノを買ったダケに終わってしまうので、万が一、拙ブログに触発されて衝動買いした諸兄が居られたら大変なので、私の知るリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの使い方を記しておく事にした。

もし送金が未だの方が居られたら、もう1度考え直すチャンスにして頂きたい。


先ず第一に、車載するサブバッテリーは走行充電では満充電にはならない事を了解して頂きたい。この事は、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに限らず、ご世間に出回っている大部分がそうである高電圧型の鉛ディープサイクルバッテリーでも同じく走行充電では満充電にはならない。走行充電で満充電になる可能性がある、又は、走行充電で満充電近くまで充電を進める可能性があるのは極一部の低電圧型の鉛ディープサイクルバッテリーに限定される。この極一部の低電圧型の鉛ディープサイクルバッテリーは良心的なビルダーが新車装着用に設定しているが、アフターマーケットで低電圧型鉛ディープサイクルバッテリーを入手する事は困難な状況にある。その低電圧型鉛ディープサイクルバッテリーは例えばENERSYS genesis NP100-12FRの様なモノだろう。インターネットで検索すれば何社で販売されているが同一ロット保証を願い出ると神経質な人には売れないと断られる羽目になる。

話が脱線してしまった。「パワーソニック」「Xinneng 」「LIFE LINE」と云った大多数の低電圧型鉛サブバッテリーの要求バルク充電電圧14.4Vに車両オルタネーター側からサブバッテリーに来た配線上に達していれば満充電する事が出来るが、車両のオルタネーターからの電圧はレギュレーターで制御されていて車両側メインバッテリーが充電不足の場合はその車両のバルク充電電圧まで電圧が上がるが、メインバッテリーの充電が終わればフロート充電電圧(大体の車で13.8V)に下げてしまう。そして、サブバッテリーの端子では、間に挿入した電磁リレーやアイソレーターに拠る電圧降下や配線長に拠る電圧降下を受けて13.0V〜13.4Vに降下しているのが普通だ。(太いハーネスを使っていても、走行充電回路に挿入されている電磁スイッチでも0.4V逆流防止ダイオードなら0.6V〜0.8V電圧が降下している)





このグラフは放電特性であり充電特性を表してはいないのだが、電気も水と同じで高い方から低い方(電圧の高い方から低い方に流れる)に流れるのだが、この放電特性のグラフに13.0V〜13.4Vを印加しても素人目にも満充電になりそうにない雰囲気は伝わるだろうか?

そして、更に・・・、鉛ディープサイクルバッテリーなら少しだけ使っても如実に電圧が下がるので13.0V〜13.4Vでも或る程度は補充電が進むが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーでは放電深度に対する電圧降下が少ないので少し使った位では高さの差が少ないので補充電が進まない訳だ。(但し、リチウムイオンバッテリーは電位差が少しでも充電され易いので鉛ディープサイクルバッテリーよりはマシだ)

で、低電圧型鉛サブバッテリーでも要求バルク充電電圧14.4Vにならないと満充電にはならない(因みに、このリン酸鉄リチウムイオンバッテリーでは要求バルク充電電圧は更に0.2V高い14.6Vであるので根本的に満充電にはならないと覚悟が必要だ)満充電にする為には、低電圧型鉛サブバッテリーならバルク充電電圧14.4V、その後のフロート充電電圧13.6Vが必要で。このリン酸鉄リチウムイオンバッテリーではバルク充電電圧14.6V フロート充電電圧13.8Vが必要だ。車載オルタネーターでも後一踏ん張りで届きそうだが無理だろう。欧州車で、カルシウムバッテリーを搭載する事を前提に作られた車や、カルシウムバッテリー用にレギュレーターの電圧切替がついているモデルなら可能性があるが、それでも車載メインバッテリーが満充電になってしまえば無理な話だ。

尚、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの優位点としては、上記鉛ディープサイクルバッテリーの放電特性は0.2Cの場合だが、もし大電流を使ったらとすると・・・



このグラフの様になる。基本的に鉛ディープサイクルバッテリーは20時間率と云って0.05Cで消費した場合20時間で取り出せる電力量を表示している。100Ahのバッテリーは5Aを20時間取り出せると云う意味だ。もし1C取り出してしまうと計算上なら1時間使える筈だが40分間しか保たない事になっている。リチウムイオンバッテリーは1Cで取り出しても電圧損耗が少ない事になっている。

又、鉛ディープサイクルバッテリーは0.1Cや0.2Cでの充電しか出来ないが、リチウムイオンバッテリーは1Cでも充電(急速充電)が可能な事だ(ま、長持ちさせるなら0.5C位に抑えて急速充電を行い、急がない時は0.2C程度でゆっくり充電が良いだろうが・・・)

満充電が走行充電では出来ないとなるとキャンプ中キャラバン中の充電手段が必要になってくるだろう。ゆとりがあるスケジュールなら要求電圧特性に合わせたソーラーチャージャーで充電すれば良いだろうが、時間的に余裕が無ければ車両オルタネーターでインバーターを動かしAC100Vから適当な急速充電器を作動させる等の工夫が必要になるカモ知れない。

第2に、現在のキャンピングカーに装備されている走行充電器が単なる電磁リレー式ならば、アイソレーターを挿入する必要があるだろう。リチウムイオンバッテリーは僅かな電圧差でも電気が流れ易いのだが、単なるリレー式の走行充電回路の場合、車両側で電力不足が生じた(メインバッテリーの電圧降下)際にも並列で繋がっているリチウムイオンバッテリーから電気を持ってくる可能性が高い。車両がアイドリングストップするなら最悪だろう。アイドリングストップの度にリチウムイオンバッテリーのサイクル寿命をガシガシ削っていく事になる。アイドリングストップしないまでもヘッドライトを灯してエアコンで冷房全開と云った局面では、アルタネーターの発電量を上げるよりも並列で繋がっているリチウムイオンバッテリーから持ち出した方が早いカモ知れない。例え自宅でリチウムイオンバッテリーを満充電にしておいても、キャンプ地まで走っていく過程でリチウムイオンバッテリーの電気をガシガシ使って、現地に着いたら空っ欠って事にもなりかねない。

だから、現在のサブバッテリーである鉛ディープサイクルバッテリーを、そのままリン酸鉄リチウムイオンバッテリーに入れ替えようと思っている方は購入を思い留まった方が良いかも知れない。

最低でも走行充電回路にアイソレーターの取り付け、現在車載されているバッテリー充電器がバルク充電電圧14.6V フロート充電電圧13.8Vに調整可能なのかを調べてからの購入をお薦めした

本日先ほど個人的に電話で相談を受けたのだが、彼の認識の甘さに恐怖した次第だ。御自身での取り替えが困難な方は、キャンピングカー購入店や信頼できる自動車整備工場や自動車電装品屋等での取り付けを老婆心からお薦めしたい。

元はと言えば、私が3000人突破記念バーゲンでの15%オフでリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを買いたいだけの為に急遽アップした記事なので用が済んだら消去しようと思っていたのに、勝手に記事が独り歩きして要らぬ誤解を産んだのなら申し訳ない事になってしまう。

今からでも遅くない方は、胸に手を当てて良く考え直して欲しい。

(誤字脱字も多々あると思いますが、取り敢えず急いで投稿しました。御容赦下さい)

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2 コメント

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走行充電 (とある)
2020-10-10 15:02:21
拝読しました走行充電方面に飛べないようですので、不確かな書き込みとも思われますが。

手前現在鉛100Aを4個並列にて利用しています。

通常の走行充電では確かに電圧が上がらずご指摘の内容理解できます。

デジボルで監視して居ますが、此方の場合最大で14vを少し超えるくらいです。

そこでアップコンバーターを2個並列、規格20AMAXでの走行充電を試み、使用ディープサイクルの充電エンド規格の16.5vまで充電可能な状態になっています。

4個積みますと100Kをこえ車の挙動にも影響が感じられますので、リン酸鉄リチウムに載せ替えを考えています、
このような充電方法でも今少し情報を待った方がよろしいでしょうか。

勝手な投稿失礼いたしました。
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Unknown (trailer)
2020-11-21 12:11:20
コメントありがとうございました。頂いていたコメントに長らく気が付かず放置してしまい大変失礼致しました。コロナ渦で出動が無いので、ブログ更新が無かった事が原因だと思います。

鉛バッテリーは保管時満充電が基本です。サブバッテリーと云う性格上からも満充電が必須です。ですが、(神経質な事を言えば)リン酸塩リチウムイオンバッテリーは保管時満充電は避けるべきです。キャンピングカーのサブバッテリーと云う性格上から85%充電位に留めるのが吉かも知れません。

コメント頂いた記事作成当時には、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーに最適化した走行充電器が英国企業1社しか無かった頃だったので、御自身で鉛バッテリーとは異なる電圧域での充電制御が出来る走行充電器を自作出来る方以外はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーをキャンピングカーで使うのは時期尚早だと思った次第です。

ですが、最近では各社からリン酸リチウムイオンバッテリーに最適化した走行充電器が複数登場しているので、今なら「お待ち下さい」と云う必要は有りません。

私も今なら、CTEK(シーテック)サブバッテリー充電システムの「D250SE」「SMARTPASS120S」を導入するかと思います。

サブバッテリーにリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを導入する最大のメリットとは、鉛バッテリーは0.1〜0.2Cでしか充電出来ない事と比べても、1Cでの急速充電にあると(私は)思います。(並列なら1C以上でもBMSの限界を超えません)

但し、毎回毎回急速充電するとバッテリーへの負荷が大きいので、必要な時は急速充電で、急がない時は通常充電するようにすべきカモ知れません。

又、貴方様はアップコンバーターで充電管理が出来る能力をお持ちの方ですから、一般の方向けに「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー専用の充電制御が自動で出来る走行充電器が発売される迄は)お待ち下さい」は該当しないと思います。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーライフをお愉しみ下さいませ。
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