Trips with my RV.

RVでの小旅行。

入郷而従郷、入俗而随俗

2017-10-20 23:27:58 | 独り言
車中泊者のマナーが悪いと彼方此方で問題になっており、キャンピングカーお断り、車中泊車お断りの道の駅が登場していたりしている。道の駅の所轄官庁である国土交通省はウェブサイト上のQ&Aで、「『道の駅』駐車場での車中泊は可能ですか?」という問いに対し、「『道の駅』は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。もちろん、『道の駅』は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません」とアナウンスしている。つまり、宿泊目的は遠慮して欲しいが、仮眠は構わないと云う事。本来の「遠慮」の意味は「他人に対して言葉や行動を控えめにする事」だが、この場合は「自制して止めて下さい」と云う禁止の意味合いで用いられていると思う。つまり、宿泊目的は禁止だが仮眠は構わないと云う意味なのだろう。序での事だから「構わない」は、許容の意を含めて「支障はない」「差し支えない」「問題ない」と云う意味なので意訳すると「どうぞどうぞと歓迎しないが許容する」「仕方がないので許容する」なのだろう。

つまり、「道の駅を宿泊目的で使用する事は禁止だが、仮眠は(仕方がないので)許容する」と云うのが所轄官庁の見解だ。我が国は、法治国家として整備されているので、国の規制体系は、法律・施行令・施行規則・告示・通知・通達・弘報の順番となっていて、今般のWebページの記載事項は弘報に該当する。因みに、告示未満の通知・通達・弘報には、根拠規則が無い限りは法的拘束力は無く罰則も無い。但し、もし公権力が制止を求めたら、他の法律で法律違反となる事項が含まれている。そう四角四面に言わなくても、「宿泊目的の車中泊は止めて欲しいしが、仮眠は止むを得ず許容する」と云う意味合いで、どちらも歓迎はしないと云う事だ。宿泊目的の車中泊が歓迎されている場所は、車の乗り入れが許可されているキャンプ場(≒ オートキャンプ場)とRVパークに代表される車中泊施設に限られている訳だろう。

以前キャンプ仲間と、この手の話題になった際に、国交省の「ご遠慮いただいています」の解釈が「他者へ配慮してマナーを守って控えめにすればOK」だと力説されて居られた。その為に車中泊マナーが明文化されたのだと御主張なさって居られた。では、映画館でのアナウンス「上映中の携帯電話のご利用は、ご遠慮頂いております」は、まさか控えめに小さな声で話せば許そうと言っている訳では無いだろう。管轄官庁の弘報に車中泊マナーが載れば役所も許容したと云えるのカモ知れないが、公開されている車中泊マナー集や車中泊べからず集は、車中泊を推進したい思惑のある陣営の私的なモノだ。既成事実化して、市民権を得ようと云う動きなのカモ知れない。

そもそも車中泊マナーの悪い人達が、相当数に増えたから禁止のムーブメントが生まれた事は事実だと思う。過去記事にも書いたが、今から半世紀も前にフランス・トリガノ社のキャンピングトレーラーを買おうとした変人だった亡父は車中泊旅行の先駆者だった。公共の駐車場に限らず、林道の行き止まりや民間の駐車場でもゲリラ的に車中泊を行なっていたが、当時私は車中泊旅行をしている他の人に出会った経験が無かったからだ。当時は未だ一家に一台自家用車がある時代では無かった事もあるだろうが、亡父だけではなく日本全国に車中泊旅行をする人達も少なからず居たのだろうが絶対数が少ないので出会った事が無かったのだろう。

私が子供の頃は、日本登山隊によるマナスル初登頂に影響されてボーイスカウト活動が盛んになり三角テントでの海や山でのキャンプが静かなブームだったのだが、バブル期の静かなオートキャンプブームが、バブル崩壊後1990年代の週休二日制開始で爆発的なブームに転じている。この頃には、アウトドア用品が800億円も売れ、本来はキャンピングカーやキャンピングトレーラーを指す英語RV(レクリエーショナル・ビークル)を、日本ではキャンピングカー等の黎明期だったので日本流にはオフロードワゴン車を指す言葉として普及させた。この頃から、キャンピングカー登録した国産オフロードワゴン車を中心にナンチャッテ・キャンピングカーブームが興り、それに牽引されてキャンピングカーブームがスタートします。凡そ10年周期でアウトドア人気は廃れ流行していて、テント泊でのキャンプの前泊としての車中泊がブームとなり始め、折しも2009年からの高速1000円に依って車中泊人口が爆発的に増加して今に至っている。猫も杓子もの車中泊ブームは既に廃れているが、現在でも凡そ200万人の人々が車中泊旅行を愉しんでいるのだそうだ。

日本では文化として、見ず知らずの人に面と向かってマナー違反を注意しない事になっている。社会の常識的なマナーを守っている日本人の比率が極めて高いのは言うまでもないが、やはり1億2700万人という分母が非常に大きいので、実はかなり「ひどいマナー違反の日本人」もいるだろう。アウトドアマンを気取るなら自然を愛し環境破壊を憎み周囲の人々を気遣うマナーの良い人々が大部分なのだろうと思うけど、「旅の恥はかき捨て」では無いが、町内や会社や仲間内ではきちんとしたマナーの良い人でも旅に出ると気持ちが開放的になって、しかも旅先なら知ってる人もいないので、いつもならやらないようなマナーの悪い事を平気でやってしまう場合もあるのカモ知れない。マナーの悪い車中泊者が100人に1人しかいないと仮定しても、今日では日本全国で200万人の車中泊旅行者が居るので、20,000人のマナーの悪い車中泊者が日本全国に展開している事になる。実際には車中泊マナー解釈の錯誤もあってマナーの悪い車中泊者は、もう少し多いのカモ知れない。

私も購入しているムック本「カーネル」のWebページより
カーネル流「車中泊マナー10ヶ条」

私も加盟しているくるま旅クラブのWebページより
くるま旅クラブ JRVA の車中泊マナー

このどちらの陣営も車中泊ブームの立役者でありイメージリーダーであり当初は車中泊のメリットだけを喧伝した事で、無自覚なマナーの悪い車中泊者を大幅に増大させた・・・ある意味、車中泊排斥を招いた張本人なのカモ知れない。だが、今では両陣営共自らの責任を認めて、車中泊者排斥への気運が高まらない様に車中泊マナーの醸成を心掛けてはいる。又、カーネル陣営は車中泊者自身の工夫でマナー向上を呼びかけ、くるま旅クラブ陣営はキャンピングカー製造・販売へのフィードバックを行い日本流車中泊マナーをハード面でサポートしようとしている(本来が販売者側のお手盛り組織なので商品の付加価値向上に余念が無いのカモ?)

キャンプ仲間と繰り広げる冒初の話題である、こうしたWebページに書かれているマナーを守れば車中泊は車中泊施設から許容され、我々は末長く車中泊を愉しめるか否かだが、勿論、全員がその車中泊マナーを守って行儀良く過ごせば、一定の社会的認知を経て、公共駐車場での車中泊は市民権を得ると思える。

だが、公共駐車場で車中泊する全員が車中泊マナーを守らないだろうから、車中泊者が多く集まる施設では(一定割合でマナーの悪い車中泊者が居る為に)マナーの悪い車中泊者が多く集まり管理者が車中泊禁止を掲げる施設が増えていく事になるだろう。そして、今回の記事の本題であるネタで、その流れは加速する事になり米国がそうである様に日本でも公共駐車場での車中泊禁止への気運が高まっていく恐れがあるのだ。

閑話休題(話は変わるが)、我が国の観光産業について一寸考えてみよう。

私は所有するRVの恩恵で平均以上に国内旅行をする人間だが、観光名所と呼ばれる所では日本人よりも多くの外国人観光客が訪れている事実に驚いてきた。それは日本社会の変化が日本人観光客を減らしている事だ。(人口減少を日本人観光客減少の理由にするのは、少しだけ時期尚早だと思う)だが、観光名所の施設側では、増え続ける外国人観光客相手への上手い対応が出来ていない実例を数限りなく見てきた。お節介な性格なので、それが目前で展開されれば、介入してきた。観光名所で日本語でしか書かれていない禁止事項を守らない外国人や、言語障壁で軽食売り場渋滞が出来ていたり、言語障壁で土産物屋の金銭トラブルや、言語障壁で鉄道駅で危険な禁止事項を伝えられないとか、枚挙に遑が無い。又、誰も注意もしないが外国人のマナー違反事例も沢山目撃してきた。

言葉の通じる(日本語の読める)車中泊者は排除しても、言葉の通じない(日本語の読めない)外国人旅行者は排除できないと云うか、もはや言葉の通じる(日本語の読める)日本人観光客だけで日本の観光が成立しない時代に突入しているのだ。今更、外国人旅行者を誘致すべきか否かを議論する時期はとっくに過ぎ去っている。政府が観光立国を標榜する以前から、日本人観光客は減り続けていて観光関連産業はサバイバル時代に突入していたのだろう。

今は日本社会の変化が日本人観光客を減らしているだけだが、今後は更に人口減少によって日本人観光客は減少していくだろう。その悪影響を緩和する為にも外国人観光客誘致は止むを得ないだろう。厳しいことを言えば、外国人観光客を誘致する必要があるこの状況は、我が国の観光産業が国内での内需拡大を怠り、社会の変革に伴うニーズに応えて来なかった「自業自得」と言えるのだ。七五三や入学卒業や成人式・結婚記念日等の人生の節目に写真館で家族写真を撮ると云う日本独自の風習と同じ様に、人生の節目では旅行をすると云う風習が日本には根付いていたと思う。写真業界も、旅行産業業界も、我が国では戦前のブームから始まった風習に胡座をかいて、その風習をブームとして盛り立てる努力を怠ったのだと思うのだ。俄か出のブームであるバレンタインデーにチョコレートや節分に切らない巻き寿司では、ブーム継続に傾注して来たにも関わらず、デジカメ台頭で旗色の悪い写真業界と異なり現在のVR技術では代替不可能な旅行業界は戦前からの風習に安穏とした怠慢が今の窮状を招いていると思うのだ。

もはや「議論」する段階では無いならば、何が今に必要なのかと云えば、現実を見据えた「冷静な対応」としての自己変革を受け入れる必然と、「旅行業界と云う一枚岩」ではなく細かいセグメント分けをした業態1つ1つ個別での客観的な現実の見極めが急務となっていると思われる。

「旅行業界と云う一枚岩」と銘打ったのは、古くから、多くの旅行客を誘致して下さる公共交通機関様、羽振りの良い御客様を誘致して下さる高級宿泊施設様をヒエラルキーの上部に据えた階層構造の旅行業界の事を指しているツモリだが、21世紀は多様性を創造する時代だ。自らの商店が、自らの観光地が、生き残る為に旅行客を誘致する事を上部ヒエラルキーに委ねる時代では無い。階層構造ではなく、横方向や斜め方向での相互連携を積極的に進めて新たな価値を創造すべきだと思うのだ。

尚、私が見聞した外国人旅行者問題を解決する方法は何度も過去記事でも書いてきたが、今日の現実を見れば分かる通り、「観光産業に従事する者は、外国人観光客も(日本人に対応するのと同じく)隔てなく礼儀正しく日本語で接客すべし」だ。どうせ伝わらないからと言葉を発しないのは、外国人観光客をバケモノ扱いしている失礼な行為だ。英語教育の不備を叫んでも、今からでは間に合わない。私がお節介に通訳に入った多くの例では、実は日本語がある程度話せる外国人も多数居たのに日本語での会話すら対応しない店員・係員が多数居た驚きの事実だ。で、もし日本語が伝わらなかったら、それぞれの施設で必要なコミュニケーションは限定的なので多国語での翻訳対照表を示すべしだ。北海道での軽食コーナーでは、たった3品目しか売って居ないのに、そのやりとりに四苦八苦していた。スタッフ全員で想像力を働かせて、何を多言語で書いておけばスムーズに業務が遂行できるかを考えれば8割方済んだに等しい。その紙を持って自治体の観光課に翻訳を依頼すれば良いのだ。で、PDCAでは無いが運営しながら見直しを怠らなければ、その多言語対照表は、その店のビジネスツールになるだろう。(ベネチアのゴンドラ乗り場にも、日本語の表示はあるし、日本語は通じなくても「こんにちは!よーこそベネチアンゴンドラへ」と日本語で挨拶してくれる)

さて、私自身が実際に見聞きした外国人旅行者トラブルとは言葉の壁だけだが、実際には様々な外国人旅行者トラブルが発生しているのだそうだ。際たるモノが、トイレ(の使用方法)とゴミ捨て問題らしい。トイレトラブルの多くは中国人旅行者なのだそうだが、その理由の多くは来日人数だと思う。残念ながら私には中国人の友人は居ないが、想像に容易い事だが中国人旅行者もマナーの良い人が大部分で一定割合の一部にマナーの悪い人が居るのだと思う。観光目的で来日する外国人は、韓国28% 中国16% 台湾15% アメリカ8%の順で中国人観光客が多い事と・・・これは書くべきでは無い事カモ知れないが、マナーを注意された韓国人は自分は中国人だと言い張るトコロを数回目撃した。韓国人は、自国の名誉を重んじるのか自国の名誉を汚さない様に外国を旅行して居る様だ。なので、トイレを汚すイギリス人よりもトイレを汚す中国人の方が20倍多い事になるのだろう。そして、ゴミ捨てに関しては・・・守れる筈の無いルールを守らそうとしてマナーが悪いと言っているに過ぎないと思うのだ。

外国人旅行者のほぼ100%が、外国から日本国内にゴミを持ち込んでいる訳では無いと思う。日本国内の店で購入した商品のゴミを捨てているに過ぎない。私の子供時代には、観光地にはゴミ箱が沢山有りゴミの捨て場所に困った事は無かった筈だが、観光産業の衰退と共にテロ防止との名の下で観光地からゴミ箱が消えたのは事実だ。

ゴミ捨て体制に限らず、日本の社会はその地域に暮らしている住人を対象に整備されている。なので住民では無い人が自由に捨てられるゴミ箱と云うモノは整備されていない。ゴミ捨てトラブルの多くが、自分の店で買ったお客さんのゴミを捨てるゴミ箱は設置していても、他の店で買ったゴミを受け入れない事から生じている。フランクフルトを食べながら歩いて(買った店から遠ざかってから)そこら辺の店頭のゴミ箱に殻を捨てようとしたら怖い顔でノー・ノーと叱るか、外国人に云っても無駄と無視してマナーが悪いなと思うのだろう。家庭ゴミの集積所は町内会の人しか捨てられない規則だが、外国人観光客が捨てていくのを苦々しく見送ってマナーが悪いとボヤいたりする訳だ。

外国人旅行者はゴミはホテルまで持ち帰れ、観光している最中は何も捨てるな、持って帰れないなら何も買わず、何も食べずにゴミは出すな、というのなら、そんなの観光誘致とは言わないだろうし、外国人観光客を迎えても何も買ってくれないんじゃあスナック類を売るお店としても寂しい限りだ。(ま、そんな心配をしなくても私の見た中国人旅行者はスナックのゴミを捨てながら歩いていたのだが、ゴミ箱が整備されていない現状で、買った店しかゴミを引き受けないと伝える語彙は持ち合わせていないので注意はしなかった。)ホテルまで持ち帰れも酷な話だが。実はホテルまで持ち帰れない旅行形態も増えていると云う事実を直視すべきだ。

統計で「消えた」外国人宿泊客 ここにいた!
2017.1.31公開


空前の訪日外国人観光客数となっているが、訪日観光客は22%増にも関わらず、宿泊客が9%しか増えていないのだ。詳しくは、上記引用Webサイトを読んでいただきたいのだが、日本の若者の倹約旅行の手段でもポピュラーな・・・宿代わりに夜行バスや空港等の夜間も閉鎖されない公共施設で夜明かしする・・・の他にも、ツアーバスでの車中泊やインターネットカフェ(漫画喫茶)での宿泊も増えているのだ。

それから重大な変化として、中国からの旅行者は、昨年から団体旅行者数を個人旅行者数が上回った。この事で、今以上に違法民泊や、違法白タクでの爆ツアー(+違法白タク車内での車中泊)も増えているのだ。違法白タクは・・・別ネタで後日エントリーを組みたいが・・・例えば日本国内でもスマホアプリで配車される皇包車グループは、B+ラウンド融資を繰り返し日本全国の観光地に大量のアルファード白タク車を導入している。こうした中国人個人旅行者を積んだアルファードのゴミ捨てマナーは最悪だ。

今までは日本人の中に一定数いるだろうマナーの悪い車中泊者の為に、車中泊を許容していた施設の管理者が堪忍袋の緒を切らして車中泊禁止を表明していたに過ぎない。だが今以降は、日本人の中に一定数いるだろうマナーの悪い車中泊者にプラスして、日本では違法となる個人ツアーに参加するレベルの中国人の中に一定数いるだろうマナーの悪い車中泊者もプラスして車中泊を許容していた施設に押しかける事になるのだ。

ゴミ問題に関しては、日本人も中国人も、車中泊旅行者では同じ事だ。わざわざ中国から家庭ゴミと一緒に訪日する中国人観光客も稀だろうが、わざわざ家庭ゴミを車中泊旅行に持ち出し投棄する日本人も稀だろう。だが、前述した通り、各施設が経費削減やら他社との差別化の為に、ゴミ箱の締め出しを行えば大量のゴミと一緒に旅をし続けるか、捨てられそうな時に一気に捨ててしまうしか選択肢は無いだろう。(因みに、今年の夏に夫婦2人で北海道旅行を10日間行ったが、飲料缶は洗浄しペットボトルはラベルを剥いで洗って食品トレーも洗ってサイズ毎に束ねて運び大手量販店のリサイクルBOXに投入し、リサイクルBOXに投入できないゴミだけを全量持ち帰った(トイレも、極力外トイレを使用させて頂きブラックタンク全量持ち帰った)。それが可能となったのは、新しい設計のZIL520キャビンは発電機用防音箱iBoxを積んでもゴミコンテナを外さないで済んだので、ゴミコンテナは圧縮したゴミで満タンだった。前回の渡道時は、前のZIL520の軽油燃料タンク周囲を網で囲って自作のゴミ収納庫にしてゴミの全量持ち帰りを果たしたが、前々回の時は中食を買うコンビニをセイコーマート1系列に限定して他の地域のセイコーマートで買った食品ゴミも同じセイコーマート系列に許可を頂いて捨てさせて頂いて難を逃れた。キャブコンだから10日分の生活ゴミを持ち帰る事が可能だったが、中国人観光客向けの白タクとして大人気のアルファードでは4人分のゴミを旅行が終わるまで運び続ける事は難しいと思うのだ。

その中で、海外からの旅行者が目をつけたのが、治安の良い日本ならではのキャンピングカーでの車中泊旅行だ。今の段階では、キャンピングカーのレンタル費用はレギュラーシーズン平日1日7500~3万円程度なので4人で使えば1人7500円で済む訳だ。 勿論、当初は海外からの旅行者向けでは無かったのカモ知れないが日本在住の人向けに細々とやっていた印象だったが、ここにきて、一気に取り扱いする店舗が増えて身近な存在になってきた。こうして、「わ」ナンバーのキャンピングカーと出会す頻度が増えてきたと思う。

http://japan-camper.com/

http://camp-in-car.com/

https://ameblo.jp/roadcruise/entry-11882189163.html

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000017490.html

http://isorin2015.seesaa.net/article/hounichigaikokuzin.camp.ninki.html


私が出会ったレンタルキャンピングカーユーザーが偶然マナーが悪い人達だったのカモ知れないが、先ず駐車場の枠内に収めようと云う意思は全く無い。我が家と同等の2X5mサイズのキャブコンなのに駐車スペースを横向きに串刺しして4台分の駐車枠を独占して停めていた。そして、私が買い物から帰った時には件のキャブコンは立ち去った後だったが駐車枠の前にこんもりと生活ゴミが積み上げてあった。

そうでなくてもマナーの悪いキャンピングカーに依って随所でキャンピングカーの締め出しが行われてきているのに、こんな悪いマナーのレンタル・キャンピングカーが増えれば、一律キャンピングカーは締め出すと云う社会的コンセンサスが形成されてしまうカモ知れない。

JARVは、こういった一部のレンタル・キャンピングカーユーザーの引き起こす迷惑行為が、一般のキャンピングカー・ユーザーや、日本のRV業界全体の成長に悪い影響を及ぼすと何故気が付かないのだろうか?

過去、悪しき習慣である「道の駅でのPキャン」ブームの火付け役は日本のRV業界やRV関係出版社であり、ユーザー各個の良心に委ねて放任した結果が、我が国に於ける正常なRV文化の進歩を大きく損ない、剰えRV業界全体の成長にも竿を刺したと思うのだ。そして、RV業界が製造物責任や販売者責任を等閑にした結果がLPG充填拒否問題だ。業界全体として移動する自動車に搭載することを前提にしたLPG使用の実態を以って、通産省に新たな枠組みを作らせる取り組みを行うべきだった(取り組んでみたらしいが、結果が全て)。
キャンピング車のプロパンガスに関する問題について(JARVサイト内)


今度こそ、日本RV協会は既存ユーザーも含めてRV業界が発展し我が国独自のRV文化が花開く方向へ正しく導いて行って下さる事を希求する。その為には、現在のくるま旅クラブを中心に据えた日本RV協会の取組を正常進化させるしか無いのだろう。当のくるま旅クラブも、今後増大するレンタル・キャンピングカーに対応する為に法人会員への対応を開始している事からも、レンタル・キャンピングカー利用者側にも働き掛けをするルートを残す所存なのは判った。だが、法律で禁止されていない事をマナーを守りましょうと、直接的な契約相手でも無いレンタル・キャンピングカー利用者に遵守させる事等は出来ないだろう。勿論、ゴミの不法投棄は法律で禁止されているが、設置されているゴミ箱に常識的な量のゴミを投入する事は違法では無い。駐車枠が示された駐車場で駐車枠からはみ出して自動車を駐車する事は法律で禁止されていないだろう。量が過ぎれば、度合いが過ぎれば、威力業務妨害に該当するだろうが、その線引きは曖昧だ。だから、法律ではなくマナーに頼らざるを得ない。

ゴミ問題は、今後別ネタでエントリーを立ち上げたいが、車中泊者に限らず普通の日本人旅行者でもゴミ捨てに困窮する状況になっていると思う。現地に住まう住民から徴収した税金で、観光客向けの税負担による施作を行うのが不公平だと云う声が高まりつつある。観光地では観光税として旅行者から応分の負担を頂き、住民・観光客を問わずユニバーサルな地域サービス(誰でも捨てられるゴミ箱や清潔な公衆トイレ)を整備していこうとする社会実験が開始されている。これと並行して、ゴミ問題解決の先進国であるドイツでは、不法投棄への罰則を高めると同時に、循環経済法という法律で使い捨て容器に高額の税金を掛ける事でデポジット制(容器返却すると返金)を積極導入させる等でゴミ減量を生産者や販売者に担わせている。ゴミ処理に必要な経費を下げる為には、川上である生産者からのゴミ減量の取り組みが欠かせない。我が国でも、デポジット制の導入が必要なのカモ?

脱線したが、日本RV協会が、レンタル・キャンピングカー利用者まで法人会員(の恩恵に浴する利用者)としてコントロール下に置こうとなさるのなら、是非、一般キャンピングカー利用者もインバウンド・レンタルキャンピングカー利用者にも共通するサービス強化を急速に進めて頂くしか無いと思うのだ。

1)RVパークの数が全然足りない
国内には約10万台のキャンピングカーが存在していて、今度はインバウンド向けのレンタル・キャンピングカーも増加の一途を辿るだろう。現在でも人気の観光スポット周辺のRVパークには空きは無い。普及させたい日本RV協会自身がボトルネックとなり、今後の伸長速度に限りがあると思う。日本RV協会は、既存の有料駐車場を多く擁する直轄駐車場維持管理運営会社(タイムズ24とかパーク24とか)もインバウンド向けレンタル・キャンピングカーでも利用可能な施設を拡充していく働き掛けを強めるべきでは無いだろうか?

2)行きたい場所にRVパークが無い
インバウンド利用者のレンタル・キャンピングカーを例に挙げれば彼ら彼女らの行きたい場所は、村おこし町おこしが必要な田舎でも静かな温泉施設でもなく、有名な観光地・観光施設だろう。米国のディスニーリゾートではRVパークが併設されているが、当に同じ事。流石に日本では、観光地そのものでの車中泊は期待していなくても観光地にアクセスの良い場所での車中泊を期待する筈だ。それと同時に、観光地には2X5mキャブコンサイズの駐車場も必要となるだろう。これは観光振興や村おこしとは別次元で現在のRVパーク普及の取組とは異なる視点が必要となる筈だ。日本RV協会は、アウトソーシングする勇気も必要なのでは?

3)妥当な利用金額を証すランク分けが必要
現在は、何でもかんでもRVパークの数を増やそうと躍起になる余りに、料金や宿泊システムや施設の充実度がマチマチであり、実際に行って見てみないと宿泊を決められない不安が利用者側にはあると思う。「星なし」「一つ星」「2つ星」「等のランク付けを行い、施設ランクと立地や需要具合に応じて料金設定を公平に見極めるシステムの構築が急務だと思う。これを、全て日本RV協会の事務局で行おうとするとマンパワー的に実現不可能となるので、やはりアウトソーシングする勇気も必要なのでは?

何にしろ、インバウンド向けレンタル・キャンピングカー普及を手放しで進める事は、日本在住の一般キャンピングカー・ユーザーや日本のRV業界の未来は決して明るくは無いと思う。もしも日本社会全体がキャンピングカーにアゲインストを明確に打ち出せば、日本RV協会側の損失も計り知れない事になる。公共駐車場でのPキャンブームが、黎明期だったオートキャンプ場を中心とした日本流のRV文化を破壊した。確かにニーズよりシーズを優先した市場には未来は無いが、それでも本来ならばニーズとシーズの鬩ぎ合いの中でイノベーションが起きて市場が育ち文化が形成されていくと云う過程を経る事なく易きに流れてしまった過去への反省もなく、再び易きに流れて市場価値を貶める愚を踏み留まって欲しいと思うのだ。


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