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RVでの小旅行。

色覚異常・・・

2012-02-21 19:32:02 | 独り言
今では色覚検査は行われないらしいが、私の年齢では幼稚園・小学校では色覚検査を行われていた筈なのだが、何らかの陰謀で・・・私は高校入学まで自分が色覚異常だとは知らなかった。私は色覚異常だ。昔風の言い方では色弱と呼んでいたが、正式には先天性2型色覚異常だ。赤系統~緑系統の色弁別に困難が生じるが、正常色覚とほぼ同程度の弁別能を持っている筈(ツモリ)である。ほぼ同程度・・・と云うのがミソだけど、72色の色鉛筆をキチンと整理して並び替えるには不自由は感じない程度の色弱だ。私の1型と2型を合わせ、日本人の男性22人に1人の割合(約5%)で存在している。

正常色覚とほぼ同程度の弁別能だが、この手の色覚検査表では馬脚を現すのだ。色覚特性で、正常色覚者にとって異なって見える色が、色弱・色盲をもつものには弁別できない程度の僅かな色の違いで印刷された紋様・文字が同系色一色で塗りつぶされたように見え、紋様を指摘できないことを用いて診断する。(モニターの色調整が上手く出来ていないと色覚検査表は意味を為さない)


色が3原色の組み合わせに還元できるという事実から、画像モニター等ではRGBの3原色の組み合わせで色を再現している。ここで色覚を感じる視細胞も・・・ナンダカこの3原色に関係していると思いがちだが、実は少し違う。確かに、ヒトの色覚に関係する視細胞は3種類なのだが・・・、420nm(青)に最も感受性が高く紫・藍・青・青緑を受け持つ錐体細胞Sと、530nm(緑)に最も感受性が高く藍・青・緑・黄・橙・赤を受け持つ錐体細胞Mと、560nm(赤)に最も感受性が高く錐体細胞Mと僅かにズレたLの3種類だ。



S・M・Lのそれぞれの錐体細胞が、どの程度の割合で反応したかという組み合わせに依って、脳内で色の知覚が生じるのだ。虹の7色とも称せられる光のスペクトルは、電磁波としての光の波長毎に色が順に移り変わる事を指す。ヒトに認識できる光の波長を可視光線と呼ぶが、それは下限は360~400nm、上限は760~830nm近辺に在り・・・実は正常色覚の人同士でも微妙に色覚はズレていて同一では無いらしい事が知られている。虹の7色と云えば、
  紫   380-450nm
  青   450-495nm
  緑   495-570nm
  黄色  570-590nm
  橙色  590-620nm
  赤   620-750nm
だそうだが、ヒトは黄色の光を認識する場合、580nmの黄色の単一波長の光も黄色と認識するが、530nm(G=緑)の単一波長の光と、560nm(R=赤)の単一波長の光と云う2色の混ざった光も黄色として認識する。


正常色覚者の色認知模式図




2型色覚異常の色認知模式図



そして、単一波長の光では有り得ないRGB総ての錐体細胞を興奮させると、光のスペクトルのどこにもない白という知覚が生まれるのだ。尚、余談だが・・・鳥類や多くの爬虫類や魚類と云った哺乳類以外の脊椎動物の色覚は、4種類の色覚細胞で構成された4色型色覚だ。だが、哺乳類は恐竜全盛期にコソコソと夜行性生活をしていて色覚よりも明暗に特化して進化した色を知覚しない棒状細胞を発達させている。哺乳類の祖先は青と赤の2種類の色覚細胞のみとなったが、旧世界霊長類の頃から赤の色覚細胞を2種類に増やして不完全ながら3色型色覚へと進化した様だ。

そんな訳で、色弱である私の視界では赤や緑が抜け落ちた世界ではなく、世界は様々な天然色に満ち溢れているのだが・・・、私には弁別出来ない色の組み合わせに出遭う事が在る。淡赤と淡灰と淡緑の組み合わせと、暗黄と暗緑黄、緑黒と黒には自信が無い。自分自身で識別出来ない色の服を買う事は無いツモリだったが淡赤のシャツを葬式に着て行ってしまった事が1回だけ在るのと、紺と黒の靴下の区別が室内光では難しい時が在るのだが、日常生活で・・・大抵の場面に於いて色知覚で困る事は無い。私自身がカミングアウトしない限り・・・誰かから指摘を受けた事は無い。

だが・・・、密かに思っている疑問は、「私の色覚と、正常色覚の人の視覚を比べると、実際の世界の色の見え方はどの位違うのだろうか?」である。今では医師免許等の技術系国家資格から色覚条項は無くなったので、需要が在るのか否かは判らないが、色弱矯正メガネと云うモノが存在する。この色弱矯正と云うのが曲者で、決して正常色覚の人の視覚へ矯正するのではなく石原式仮性色覚検査表での弁別を助ける色補正メガネであり、要は色付きレンズだ。装着すると、支障の無かった他の色の見え方も変わってしまうので、それまでの色の視覚人生と比べて違和感が生じる(人は、慣れる生き物なので、もしかしたら色弱矯正メガネを掛け続けて生活をしていく内に、違和感のない天然色の世界に戻れるのカモ知れないが・・・、私の場合は30年ほど前に試しに買ってみて継続使用を断念してしまった)


2型色覚異常である私の見ている色と、貴方の見ている色が、同じ色に見えていないカモ知れない事は容易に理解できるだろうけど、貴方の見ている色と、貴方同様に正常色覚の別の人が見ている色が同じだとは限らない。負け惜しみ・・・で書くのだが、正常色覚者だろうが、色弱者だろうが・・・この世では恐らく人の数だけ色の見え方が違うのかも知れない。(色覚の認識を波長や色温度等の数値で比べる事は可能だろうが、個々人の認識する色感覚は直接比べる事が出来ない)

余談だが・・・鳥類や爬虫類や魚類の、地上に於ける太陽光のスペクトルに完全に適応している4色型色覚とは、どういうモノだろう。

横軸の光の波長は、ヒトよりも少し広く近紫外線から近赤外線まで広がっていて、凡そ太陽光線のスペクトルを大部分網羅しているので、我々哺乳類よりも地球でのスペクトルに適応していると云えるだろう。但し・・・、各領域のクロスオーバーが殆ど無い事から、単一波長の光の色の弁別には優れているカモ知れないが、世界を総天然色で認識しているのかどうかは疑問である。1つ云える事は、太陽光のスペクトルに完全に適応している4色型色覚ではRGB方式のカラーモニターを見ても総天然色には見えない(黄色の紙は黄色と認識できても、黄色を表示しているカラーモニターは黄色と認識しない)だろうことは容易に想像が付く。

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