Trips with my RV.

RVでの小旅行。

異常気象・・・

2010-10-21 22:11:32 | 独り言
異常気象とは、「過去30年の気候に対して著しい偏りを示した天候」と気象庁は定義している。WMO(世界気象機関)では「平均気温や降水量が平年より著しく偏り、その偏差が25年以上に1回しか起こらない程度の大きさの現象」を異常気象と定義している。

何れにしろ、この奄美豪雨被害は巨大台風と秋雨前線のコラボレーションが原因なのだそうだ。ここ10年位は異常気象・異常気象と騒がれ続けているので、異常気象の「異常さ」は薄れていくのかも知れない。現在の様な形で気象観測が始まってから100年チョットだが、この100年の間に通信技術の進歩と観測網の高密度化で、それ以前は取りこぼしていた局地的な「異常気象」も耳目に触れる様になってきたのだと思う。私自身の(特段の根拠のない)持論では、ここ最近こそが特別に全世界の気象が大人しい時期だったのでは無いか・・・とも考えられるのでは無いかとも思っている。

人為的に放出され続けてきた炭酸ガス増加がもたらす地球温暖化、そして、その地球温暖化に依って異常気象が顕在化してきた・・・と云うのが今日の世界の常識である。勿論、そうではない・・・、地球温暖化は確かに発生しているが・・・、その原因は人為的に放出された炭酸ガスでは無い・・・と云う発表も多く為されている。

地球温暖化に産業活動は無関係」というNASAのレポートも在る。

過去記事にも書いたが、地球温暖化と大気中の炭酸ガス濃度の相関は、鶏が先か卵が先かの問題なのカモ知れない・・・と私は思っている。(その記事にも書いたが、だからと云って化石燃料の浪費で地球環境を必要以上に人為的に汚すべきでは無いとは思っている)

さて・・・、原因は兎も角、地球温暖化が進行中である。その地球温暖化に依って異常気象が高頻度で発生する様になっている・・・訳だ。25年~30年に対して異常であると云うのは、地球の歴史からも、人類誕生後の歴史からも非常に短い期間だと思う。気象を左右する様々なファクターは、例えば1日周期の太陽放射や、十数年周期の太陽活動の隆盛、100年~1000年規模の火山活動周期、数万年~数十万年オーダーの公転面に対する地球の自転軸の変移、地球の公転軌道の離心率。自転軸の歳差運動等の要因によるミランコビッチ・サイクル等々の様々な影響が考えられる。

但し、今日の形での気象観測が継続されて以来の100年余の期間で見れば、1時間雨量50mm超、1日雨量200mmを越える大雨の発生頻度は明確な増加傾向にあるのだそうだ。但し、その僅かな100年余の期間に於いても、大雨の発生頻度は原因不明だが十数年~数十年周期と云う有意な周期が見出されているらしい。その原因不明の大雨をもたらす周期が、実は太陽活動の周期では無いのだろうか?

過去記事にも書いたと思うが、私が小学生の頃・・・1970年代当時は地球温暖化ではなく地球寒冷化・・・氷河期突入が心配されていた時期がある。愛読していた学研「科学と学習」では4万年と10万年の小氷河期、そして2~300年周期のミニ氷河期の周期が説明されていて、間もなく地球は小氷河期に突入すると書かれていて子供ながら行く末を案じたモノである。その後、地球寒冷化の話題は消え、ここ15年位は地球温暖化一本槍だ。地球温暖化人為説派も否定派も、地球温暖化が進行中である事は共に認めている。太陽活動が観測史上最弱の今、今の温暖化が活動低下している太陽の性では断じてないだろう・・・と云うのが、地球温暖化産業活動説(人為的に放出された炭酸ガスの蓄積に因って地球温暖化が急速度で進んでいると云う説)を推す方々の論拠だ。

進行する地球温暖化がナンの前触れもなく氷河期へ突入する原因だったと云うのは映画「デイ・アフター・トゥモロー」のテーマであるが、これはローランド・エメリッヒ個人の発想ではなく、気象学者の中には、そんな危惧を発表する人も居た。例えば、地球温暖化の速度が増している中で2007年には全世界の平均気温は摂氏0.65度下がっている。エメリッヒはアメリカ国防総省の「急激な環境変動のシナリオとアメリカの国家的安全保障への影響」と題するレポートを原案にしている。このレポートを作成したのは米国の民間未来予想会社「グローバル・ビジネス・ネットワーク社」だが、それを受け取った国防総省は・・・他の学説や従来の認識と真逆の未来シナリオを説く当レポートを極秘扱いしていたのだが、それを英国「オブザーバー紙」がスクープした為に国防総省が情報開示し一部を公開せざるを得なくなる。そのレポートをヒントに映画が作られたと云われている。

映画「デイ・アフター・トゥモロー」はディザスター映画(災害パニック映画)なので僅か数日で一気に氷河期に突入してしまうが、実際の「急激な環境変動のシナリオとアメリカの国家的安全保障への影響」レポートでは10年前後の期間で、何度かの寒冷化と温暖化の揺れ戻しが続いてから、その振れ幅が大きくなっていき最終的には寒冷化に向かうと云うシナリオになっている。

このレポートが示す氷河期突入のシナリオは映画の通りだ。地球温暖化で北極・南極の永久氷の融解が発生し、大洋に以前よりは大量に塩分濃度の少ない水(真水)が混入する事がトリガーとしている。全地球での気象モデルは、直上からの日照に晒されている低緯度帯(赤道周辺)の熱を、高緯度帯へ主に潮流(表層潮流と深層潮流で構成される巨大な対流)で伝搬している。暖められた低緯度帯の海水が(表層)潮流で高緯度帯に運ばれて、高緯度帯で冷まされて重くなって沈み(深層)潮流で低緯度帯に戻ってくると云う巨大な循環である。両極の氷が溶けて冷たいけれど塩分濃度が少ないから比重が足らず深層潮流での循環に入れない状態となり、海洋の対流が滞ってしまう訳だ。

実際に北極の氷は、10年毎に3~4%減少の割合で溶け続けている。その為か・・・今年のサンマ漁不良の原因とされる親潮(ベーリング海に源を発し、カムチャツカ東岸、千島を経て、夏は金華山沖、冬は銚子沖で黒潮と接する)と呼ばれる日本近海の寒流が弱くなっていてズット北の方で黒潮に接していた事や、ノルウェーの近海でも冷たく高密度の海流が20%以上減少しており海流が弱くなっている等々と世界各地で報告されている。海流が弱まっていると云う事は、低緯度帯の熱で高緯度帯を暖めると云う熱循環が弱まっている事になる。こうした海流での熱伝搬が不足する様に成っていて、気流・・・低緯度帯循環対流・中緯度帯循環対流での熱伝搬が増えていて極振動(北極振動や南極振動とうの高緯度帯を取り巻く偏西風の蛇行)が増しているのだ。1650年~1700年まで続いたテムズ川を氷結させたミニ氷河期と同じ状況にある。その200年前のミニ氷河期の頃は、太陽活動は今よりは活発だったのだが(当ブログ過去記事にも書いたが)今は太陽活動が1928年から2012年頃迄と予想されるサイクル24での最も弱い状態であるから低緯度帯からの熱対流が滞ると・・・高緯度帯が冷え切ってしまい高緯度帯から200年前以上の氷河期に突入してしまうカモ知れないのだ。

太陽サイクル24については過去記事「2012年の人類滅亡は回避された・・・らしい。」でも書いたが、黒点が全く観測されない異常事態からは脱出したので当面の太陽フレアの危機は無いのだろうが、太陽サイクル24の忌み明けを迎えるまでは太陽活動が観測史上最弱の状態が続いているのだ。又、太陽活動が弱い状態・・・と云うのは、太陽風も弱い状態だ。太陽風の増減は、銀河宇宙線の量を増減させる。危険な銀河宇宙線が直接生命の細胞に当たれば、細胞はひとたまりもなく破壊されてしまう。過去記事の何処かにも書いた筈だが、地球の大気上層に到達する銀河宇宙線に因って雲が形成される事が知られていて、ここ最近のゲリラ豪雨の原因は・・・太陽風が弱まって銀河宇宙線の入射が増えていると云う説もある。太陽活動の増減如何での日照熱量の差は僅かだが、雲の生成量が増える事で地球寒冷化に導く可能性が指摘されている。

太陽活動低下で大気圏上層の「熱圏」が縮小にも書かれている様に熱圏の縮小も報告されていて太陽サイクル24のドン底だろうとされる2012年から反転し太陽活動が活発化に向かうとしても、これから十数年間は太陽活動が弱い状態が続くらしい。

こうして、幾つかの偶然と地球温暖化が進むと、当に映画「デイ・アフター・トゥモロー」のまんまである。地球温暖化と地球寒冷化・・・そのどちらに向かう時が異常気象を招きやすいか?と云えば多くの識者は地球寒冷化の方が異常気象を招きやすいと表明している。ドンドン温暖化が進み生物の生存を許さない暑すぎる地球になる未来像もイヤだけど、映画のように氷河期に突入する未来もイヤな私はどうすれば良いのだろう?
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2 コメント

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ありがとうございます (TOMO@愛知)
2010-10-22 08:13:40
映画「デイ・アフター・トゥモロー」は壮大なテーマで繰り広げられる割には最終的には気象学者(でしたっけ?)一家の良かったね!物語に収束してしまって、観た時の感想は決して良くはありませんでした。

が、その壮大なスペクタルの理論をココで説明して頂いて「おぉ~、なるほど」と納得も致しました(笑)

  御礼申し上げます。

p.s. インデペンデンス・デイはうそ臭いけど割と好きだったりします(笑)
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Re: ありがとうございます (軽薄な店主)
2010-10-22 10:12:38
TOMO@愛知さん、コメント有り難う御座います。

> が、その壮大なスペクタルの理論をココで説明して頂いて「おぉ~、なるほど」と納得も致しました(笑)

あれ?TOMO@愛知さんは映画をご覧になったのですよねぇ?前半の退屈な描写・・・南極での氷床のボーリングや潮流のシュミレーション等々・・・は、実際の国防総省のレポートを参考にしたからこそ詳細に説明が為されたのだろうと思います。


ナショナルジオグラフィック ニュース日本語版
には「世界中で風が弱まっている」と云うニュースが上がっています。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101020001&expand#title

地球規模の熱対流が滞っているのだとしたら、映画「デイ・アフター・トゥモロー」のシナリオの様で少し怖いのですが・・・

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