豊川高校探Q部

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講演「18歳選挙権を考える 高校生の政治活動」へ参加

2016-03-01 12:59:55 | 探Q活動
 2/28 豊橋市民文化会館で行われた「18歳選挙権を考える -高校生の政治活動-」に参加した。

しかし、インフルエンザが猛威を振るう中、発熱、体調不良が多く、結局参加できたのは男女1名ずつだった。

18歳選挙権が認められ、高校3年生の一部は今年夏の参院選から投票可能になる。高校でも政治教育が求められるようになった。

しかし、それまで公民の授業で政治の仕組みは学んだが、政治活動は規制を受けてきた高校生がいきなり政治に参加することなどできるのだろうか。

また具体的にどんな狙いが、そして弊害が考えられるのかを学ぶために参加しようと考えた。



 講師は、立正大学名誉教授の金子勝先生である。漫画と落語が趣味。

 憲法の条文から、日本が「国民主権」であることを確認した。「主権者」とは日本国民全体であり、すべての国民が主権の割符をもっている。

選挙権とは、主権の一部であるが、赤ん坊が行使することはできないので、年齢制限が設けられている。18歳選挙権は世界的に見て珍しいものではない。


高校生に対し、それまでは学校では、政治の仕組みこそ教えるが、いわゆる政治教育はタブー視されてきた。今後はどうなっていくのか。

文部科学省から「指導に当たっては、学校が政治的中立性を確保しつつ」、良識ある主権者教育を行っていく方針が出された。

さらに、文科省がQ&Aを出した。学内外での政治活動を高校の判断で規制できる方針を出している。場合によっては、校則違反で懲戒も可能とある。

ポイントとなるのは、「政治的中立性」だ。何をもって「中立」とするか。厳密に言って「中立」などあり得ない。主義主張には必ず偏重がある。

もし厳密に「中立性」を重んじるとすれば、暴力的・反社会的でない以上はあらゆる主義を認めるのが、「中立」であるはずだ。

しかし、今回の提起では「中立」=「主流派・政府の意見」という意味合いが強い。政府案への反対意見を「反中立」と判断すれば、高校生の政治活動は規制することが可能になる。

もし、そうなったら主権者の「骨抜き」が始まる。なんら政治への関心がなく、主権者としての決定権を放棄し、言いなりになる者を生み出すことになる。

それでは、何のための改革なのか!

安保法案が通り、軍事活動への解釈が甘くなったことと、今回の改革は無関係ではない。海外では選挙権年齢=徴兵年齢とする国が多くある。

金子先生は、平成24年から始まった中学校武道必修化も無縁ではないと指摘する。

だからこそ、主権者として判断ができるように、情報を得るように努めてほしい。そのために、大人つまり親世代の考えが重要である。

親が「受験偏重」で、「政治への関心」を無駄なものと考えたら、「骨抜き主権者」になってしまう。

最後に、参加した高校生に、考えられる若者になって、未来を作ってほしいとメッセージを頂いた。


「中立」とは、さまざまな意見を分け隔てなく聞くこと。探Q部の姿勢と一致する意見。今回の意見とは、また異なる講座にも参加し、今後も18歳選挙権について探究していきたい。