豊川高校探Q部

豊川高校探Q部は、楽しいこと、面白いことを探求し、その真理を探究する部活動です。どんな新しい出会いがあるかな?

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日本で一番宇宙に近い場所 - JAXA相模原キャンパス訪問記 -⑧

2015-09-02 19:20:24 | 旅行
 ここからは、文章中心になるのをご容赦いただきたい。
 撮影禁止区域に入ったからだ。
 言葉では伝わりにくいと思うが、
 先程までいたのが宇宙事業への国民理解を深めるための啓蒙・教育施設ならば
 研究機関いわゆる「研究所」という様相を呈してくる。

 ほんの数mと離れていないのに、なんとなく緊張感が漂っている。

                                        【JAXAより】
 最初に案内された建物(地図の中央下「総合研究棟」)
「ここが『はやぶさ』が持って帰ってきた『イトカワ』のサンプルを研究しているところです。
 中はクリーンルームで、外からのゴミが入らないようになっています。
 今日は申請を出していないので見られません」
と外から案内してもらった。

 続いて細田さんのホームグラウンド「特殊実験棟」(中央左)へ
 IDカードをかざさないと開かないようになっている。
「ここは特殊実験棟。だからここでは特殊な実験しか行われていないんだよ。」
 入ってすぐのところに細田さんの仕事場がある。
 細田さんがイオンエンジンの研究・開発をしているところだ。
 入り口に、ベタベタシートがある、靴裏の砂や埃を取るためである。
 ひょこっと乗ってみると、倒れるほどではないが結構足持って行かれるぐらいの粘着力。
 中に入った。
 吊された「銅鑼」みたいものが目に入った
まさにこんな感じ

 これがイオンエンジン。銅鑼からいっぱいコードが出ている。
 横から見ると意外にも厚くない。
 「ロケットで運べる重量は決まっている。軽量化は至上命令です。
  一つのコードを入れるか入れないかで大もめですよ。」
と細田さん。
 竹内結子主演映画「はやぶさ」の中でも鶴見伸吾演ずる科学者が
コイルを入れる入れないで揉めていたが
 最終的にそのコイルを入れておいたことで奇跡的にイオンエンジンを復活させることができた。
 あんなことあるの?
 「あれはファインプレー。あんな風に内緒で入れたりはしないが
技術者とメーカーとが必死に考えた成果。
  宇宙のことは何が正解か分からない。
答えが用意されていることではない。
  やってみなければ分からない。やったことないこと、答えのないことをやる。
  そのためにあらゆる事態を想定し、研究し、開発をするんです。」

 細田さんは「触らないなら見てもいいよ」と言いつつも、
 リュックサックを背負いながらキョロキョロする生徒に
 「見てもいいけどリュック下ろそうか」とヒヤヒヤしていた。

 その姿を見て、そんな貴重な現場を見させてもらっていることを実感した。
                                    つづく

 
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日本で一番宇宙に近い場所 - JAXA相模原キャンパス訪問記 -⑥

2015-09-01 08:18:46 | 旅行
ファミコン並の「はやぶさ」が小さな惑星「イトカワ」
の地表からサンプルを回収できた理由は、

カメラとそのカメラが認識できるようなマーカーの存在である。
画面中央のソフトボール大のものに注目してほしい。

上の写真と比べ、下の方が光っているのがわかるだろう。

ソフトボール大の器具がターゲットマーカー。単純にフラッシュで光るようになっている。
「はやぶさ」が「イトカワ」に近づいたら、このマーカーを放出。
「はやぶさ」はまずフラッシュを使わずに撮影。
次にフラッシュを使って撮影する。
それにより、マーカーの位置を確認し、マーカーとの距離を計算。
「イトカワ」表面の地形を把握したそうだ。

ファミコンと表現したが、「スーパーファミコン」だ。

さまざまな工夫を凝らされた初代「はやぶさ」。

いよいよ現在、地球スイングバイ中で地球軌道を周回中の「はやぶさ2」だ。

小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)は、数々の新しい技術に挑戦し2010年6月に地球への帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の後継機です。
 今回「はやぶさ2」では「はやぶさ」で培った経験を活かしながら、太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「1999 JU3」を目指します。    【JAXAより】


 今回ももちろんイオンエンジンだ。

 新しいイオンエンジンは効率化を実現。
 その推進力も「鼻息」から「荒い鼻息」までパワーアップを果たした。
 ここまで読んできた皆さんには、この凄さがわかるだろう。
 「鼻息」でさえ加速しつづければ光速になる。
 「荒い鼻息」ならば、推して知るべし。
 数字上は30%のパワーアップに成功。開発まで10年。
 しかし計画に予算が付かなければ、具体的な研究開発などできない。

 実質、2年ほどで「はやぶさ2」に間に合わせたそうだ。
 先輩曰く
「宿題が提出できなくても、先生方は待ってくれる・・・はず。期日に遅れても必死に頼めばなんとかなる。
 でも、星は待ってくれない。このタイミングで打ち上げるよりほかない。
 それを逃せば何年も待たなくてはならない。
 だからどんなに難しくても無理でも絶対に間に合わせなければならない」
含蓄のある言葉だ。
                                          つづく
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日本で一番宇宙に近い場所 - JAXA相模原キャンパス訪問記 -➄

2015-08-31 17:39:17 | 旅行
 ブラックホールの謎に迫る「すざく」や
 太陽観測衛星「ひので」の説明を受けた。


 「太陽の観測ならば地球でもできるのに、なぜ宇宙で行うのでしょう」と
細田先輩から質問をされた。

 「空気の影響を受けない」「地球の磁場の影響を受けない」などがポツポツと答える。
 「そうだね、空気の層で私たちは有害な宇宙線から守られているが、
  その反面、空気により屈折などで正確なデータをとれない。
  だから、宇宙で観測する必要があるんだ。
  地球上という見方や発想しかなかったら、宇宙開発や観測などできない。
  答えがないことだから、想像力を働かせることが大切」と先輩。

 いよいよ「はやぶさ」と「はやぶさⅡ」だ。

 まずは初代「はやぶさ」
「はやぶさ」(MUSES-C)は、小惑星探査を目的に開発された探査機です。
「はやぶさ」が探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持ち、
日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「ITOKAWA」(イトカワ)と名付けられた小惑星です。
小惑星までイオンエンジンを使った飛行を行い、自律的に小惑星に近づき、
その表面から、物質のサンプルを持ち帰ることを目的にしています。【JAXAより】
 

 「はやぶさ」はイオンエンジンという新しい技術で小惑星を目指しました。
イオンエンジンはキセノンという気体をイオン化し、電気的に加速して噴射するものです。
効率が非常によいことから、将来の月・惑星探査でも重要な技術として期待されています。
また、遠く離れた小惑星に探査機が自ら判断して近づく「自律航法」を実証しました。
カメラやレーザ高度計のデータをもとに、小惑星との距離を測りながら、近づいていきます。【JAXAより】


最大の特徴は、「イオンエンジン」と「自律航法」である。
その「イオンエンジン」を担当したのが、細田先輩である。
なぜ「イオンエンジン」だったのか?
まずは効率の良さ。いわゆるロケットのように燃料を大量に消費するものでは、
片道20億kmのような超距離を航行し続けることはできない。
求められるのは軽量で、いわゆる燃費の良いエンジンである。
そこで電気的に加速できる「イオンエンジン」に白羽の矢が立ったようだ。


写真の真ん中下の部分が「イオンエンジン」である。
その最新鋭「イオンエンジン」の生み出す力はナント!
人の「鼻息」程度。
しかし、その鼻息を継続していくと理論上、光速まで可能になる。

小さな力でも「継続は力なり」ということを教えられた。

もう一つの特徴「自律航法」
自律とは「自分自身をコントロールする」という意味だ。
つまり、宇宙船というより「ロボット」である。
自律型にした理由は、
20億kmの距離が、光の速さでも15分かかるということにある。
つまり、「はやぶさ」に異常があった場合、地球に状況を知らせるのに15分
それを受信して、瞬時に判断し、指示を送ってさらに15分。
トラブル発生から30分以上かかってしまう。それではもう「はやぶさ」壊れているかもしれない。
だから、「はやぶさ」自身が自分で考えて判断しなくてはならないのだ。

往復40億kmの旅を支えた自律型のコンピュータはさぞかし高性能だと思うだろう。

実は、それが「ファミコン」程度、現在のスマホの方がよほど高性能だという。

そんなものであの旅を・・・と思うだけで感慨に震える。

頭の良さって何だろう?
難しい計算ができること、語学が堪能なこと、難解な理論を理解していること・・・

自分のことを理解していること。
ではないかと「はやぶさ」は教えてくれているような気がする。

                                       つづく


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日本で一番宇宙に近い場所 - JAXA相模原キャンパス訪問記 - ④

2015-08-28 17:56:59 | 旅行
 日本のロケット開発の父について、説明しておく。

糸川 英夫(いとかわ ひでお、1912年7月20日 - 1999年2月21日)は、日本の工学者。
専門は航空工学、宇宙工学。
ペンシルロケットの開発者であり、
「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」と呼ばれる。
【Wikipediaより】

 先号でペンシルロケットは横に飛ばしたことを書いたが、
紙を並べておき、横に飛ばして、貫通した枚数を勘定する。
この方法で推進力や機体のねじれなどを測定したそうだ。
資源はなくても国土が狭くても知恵がある「日本」の力を思い知った。

博士は、どんなに失敗しても「失敗ではない。この方法ではできないということが分かった成果だ」と
言っていたらしい。
その精神が困難を極めた宇宙開発を進める原動力になった。
その偉業をたたえ、初代「はやぶさ」が向かった星の名を「イトカワ」と名付けられた。
 

 つづいて、日本初の人工衛星「おおすみ」の説明を受けた。

打ち上げは1970.2.11。筆者は1970.8.3生まれだ。筆者から見ても、先輩である。

 何しろ日本初の人工衛星。何の目的で打ち上げられたのだろう。
 その目的は・・・地球の周回軌道を回る。

 そもそも人工衛星の定義は「地球軌道上で、ある目的をもって存在する人工天体」である。
 おおすみ先輩は、一応感知できるように電波を発信していた人工天体だ。
 その機体は、2003年まで飛び続けていたそうだ。日本の技術力の高さを思い知った。


さて、これは展示ケースを持ち上げている様子である。

右から2番目の子が資料で鼻を押さえている。
これは、クサイからである。

 おおすみが飛んだ1970年。それ以前に米国はアポロ計画を成功させている。
米国などの大国は、液化燃料を使用している。資源のない日本は・・・。

写真右側の固形燃料を使用していたのだ。
これは世界に例を見ない取り組みだった。
また、軍事目的ではなく、大学が中心となり開発したという点でも世界で類を見ない偉業であった。
この固形燃料には、アンモニアが含まれており、
45年以上経った今でも猛烈な臭いを発しているのだ。
私たちは何年経っても軍事目的ではなく技術開発をしてきた精神を忘れないでいたいものだ。

 見るだけじゃなく、聞いて、そして嗅いで、五感で感じる宇宙開発の歴史だ。

こんなことができるのも、先輩がいるから・・・、探Q部ならではだ。

                                     つづく

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日本で一番宇宙に近い場所 - JAXA相模原キャンパス訪問記 - ③

2015-08-28 13:48:35 | 旅行
13:00 JAXA展示会場で待ち合わせ



待っている間に少し自由見学。

一般展示会場には、

あの「はやぶさ」と現在航行中の「はやぶさ2」のレプリカが展示されている。

奥が「はやぶさ」、
手前が「はやぶさ2」


先輩がいらっしゃった。

本校平成3年度卒業生 細田聡史工学博士。東京大学大学院卒。

その偉大なる先輩が、手には資料をもっている。


手渡された資料。


中はJAXAの概要や展示品の説明などがまとめられていた。忙しいのにも関わらず、こんな手づくり資料を・・・感謝。

まず、宇宙開発の歴史から説明してくださった。


日本の宇宙開発の歴史は、

まず敗戦で大きく変更を余儀なくなされる。

戦前までの開発データはすべて没収。戦後、ゼロからのスタート。

細田先輩が指さすのは、日本のロケット開発の父「糸川博士」が実験に使用したペンシルロケットである。

500ミリのペットボトルほどのロケット。

それでも貴重な実験機材。上に飛ばしたら紛失してしまう。

だから、最初の実験は横に飛ばして実験した。

当時の苦労と工夫がうかがえる話が盛りだくさんだ。

                                    つづく
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