皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
昨日の記事(https://blog.goo.ne.jp/toyo32892/d/20211015)の続きです。
おばあ様の着用した振袖をお孫さんが着用したいと言うで
お手入れして欲しいとのご依頼です。洗い張りとしみ抜きと
胴裏交換、仕立て替えのご依頼です。
古い着物の為に友禅の柄のはみ出し等の故障を修正している
染色補正もおかしな所が多々ありました。
振袖袷上前身頃柄の金加工
上前の柄の中にある金加工ですが、他に何もない無地部分にポツンと金加工があります
おそらく染ムラが有り本来は染ムラをしみ抜きをしてから色掛けをするのですが
不自然な金加工をした方が短時間でごまかしが出来ます、一般の消費者では気が付きませんが
プロの目はごまかせません。
振袖袷上前衽柄の金加工
こちらの金加工も一緒です。
こちらは白地に部分に柄にオレンジの染料がはみ出ていてそこをはみ出た染料を
しみ抜きしないで胡粉(白の顔料)を塗って隠ぺいしようとした所、
隠ぺい出来なかったので、次に金加工をして再度隠ぺい工作した事が、
金加工の修正しようとした所の外側に不自然な白い部分がある事から分かります。
振袖袷 背紋
背中にピンク地の五三の桐の刷り込み紋が入っています。
最近の振袖にはあまり紋を入れる事は珍しいので、昔の振袖は紋が入っていたんだと
感心していました。
振袖袷左外袖 紋
左外袖に紋が入っています。
振袖右外袖 袖紋
ところが右外袖に紋を入れる為の白抜き部分を石持ちといいますが白い円の中に
周りの柄は描いていますが、何故かピンクの五三の桐の紋が入っていません。
左に入っている紋が、なぜ右に入っていないか分かりません。
振袖右胸紋
こちらも右胸には紋が入っています。
振袖袷左胸
こちらもなぜか左胸に石持ちはありますが、紋は入っていません。
もしかして、紋屋さんが残業続きで半分紋を入れて、翌日に仕事を持ち越して
検品ミスで誰も気づく事無く仕立てに回り小売店も検品せずに着用して
お客様も気付く事無く過ぎ去ったのでしょうか?
振袖袷 仕立て上がり
振袖袷上前つま先
寸法を直した行った事により、つま先が一部染ていない部分が出てしまいました。
振袖袷つま先 色掛け後
これは私自身が一級染色補正技能士の為、しっかりと色掛けを行い補正しました。
振袖袷 胴裏交換
黄変が起こりずらい、水張りの胴裏に交換しました。
振袖袷掛衿 しみ抜き後
振袖袷袖付け しみ抜き前
振袖袷袖付け しみ抜き後
この袖付けの部分は生地も弱って酷かったですが、綺麗になりました。
振袖袷袖山 しみ抜き後
こちらは寸法変更に伴い古い筋が出ましたが、黄変しみは落ちました。
振袖袷袖丸み しみ抜き後
振袖袷丸み しみ抜き後
振袖袷袖 しみ抜き後
振袖袷 仕上がり後
昔の染の為に色止めが悪くて、洗張りをするとオレンジ色の余った色が出て来ましたが
生地に艶が出て綺麗になった事は仕立て屋さんが一番最初に気づいてくれました。
黄変しみも落ちて綺麗に仕上がり、お客様にもご満足いただけて何よりです。
苦労した事が報われました。お客様のお孫さんのご多幸をお祈り申し上げます。
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
〒062-0902
札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号
電話011-811-6926 FAX011-811-7126
営業時間 9:00~18:00
休日 日曜・祝日
メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp
ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp
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